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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

小倉清『思春期の臨床-小倉清著作集2』2006・岩崎学術出版社-子どもの精神科医のていねいな面接に学ぶ

2025年08月08日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2015年ころのブログです

     *   

 小倉清さんの『思春期の臨床-小倉清著作集2』(2006・岩崎学術出版社)を再読しました。

 この本もずいぶん久しぶりで、ところどころにアンダーラインや付箋があったのですが、例のごとく(?)ほとんど覚えておらず、またまた新鮮な気持ちで読ませていただきました。

 思春期の患者さんに対する小倉さんの思いもとても「熱く」、生半可な気持ちで関わることを戒められている箇所が多くあり、襟をただされる思いでした。

 また、この本では懐かしい論文に出合うことができました。

 例によって覚えてはいなかったのですが(?)、まずは「弱い父親-臨床ケースをとおして」という論文。

 これはずいぶん前に出た『父親の深層』(1984・有斐閣)という論文集に載っていたらしいのですが、まったく気がつきませんでした(小倉さん、ごめんなさい)。

 この本は、じーじが家庭裁判所で仕事をするようになって少したった頃の本で、日本の深層というシリーズの一冊でした。

 他に『母親の深層』や『子どもの深層』などという、どれもすばらしい執筆陣による、すばらしい内容のシリーズで、当時、熱中して読んだ記憶があります。

 そこに執筆されていたというのはさすが小倉さんです。

 もう一つの論文は、「過食の治療」。

 この論文は下坂幸三さんの編集した『過食の病理と治療』(1991・金剛出版)に収められていたらしいのですが、これも気がつきませんでした(小倉さん、またまたごめんなさい)。

 『過食の病理と治療』という本もとてもいい本で、何度か読んでいますが、この当時、下坂さんは摂食障害に関する本をたくさん出されていて、どの本も奥が深く、とても勉強になりました。

 特に、家族面接の記述がすばらしく、じーじも家庭裁判所で親子面接の時に参考にさせてもらったりしていました。

 親子面接や夫婦面接はその後も続けていますので、ずいぶんお世話になっていることになります。

 小倉さんのこの本を読むと、現場でその時にていねいな仕事をすることが即学問になるのだなと感心をさせられます。

 同じようなことはとてもできませんが、少しくらいは真似てもいいのかもしれません。

 さらに勉強を深めたいと思います。              (2015?記)

     *   

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

 mail   yuwa0421family@gmail.com  

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川上未映子『あこがれ』2018・新潮文庫-真っ直ぐな小学男子と小学女子の物語です

2025年08月08日 | 小説を読む

 2018年8月のブログです

     *  

 川上未映子さんの小説『あこがれ』(2018・新潮文庫)を読みました。

 これも旅先の旭川の本屋さんで見つけて買いました。

 川上さんの小説を読むのは、これが初めて(川上さん、ごめんなさい)。

 美人ちゃんなので、美人恐怖症(?)の傾向があるじーじは、なんとなく近づかなかったのですが(川上さん、ふたたびごめんなさい)、昨年、村上春樹さんに果敢にインタビューをした対談集『みみずくは黄昏に飛びたつ』(2017・新潮社)を読んで、すごいな、と思い、いつか小説も読みたいな、と思っていました。

 いい小説です。

 小学男子と小学女子をめぐる物語ですが、世間の見方と少し違うものの見方をするこの二人を、周りのおとなたちが限界を抱きつつも、よい距離感を持って接してくれて(今どき、こんないいおとなたちはいないかもしれません)、そんなある意味、「抱える環境」(ウィニコット)の中で成長をしていきます。

 当然、苦しいことのほうが多くなりがちです(なぜなら、周りに流されて、何も考えずに動くほうが楽ですから…)。

 泣いたり、あきれたり、怒ったりしながら、それでもお互いや周囲の友達の存在に勇気づけられて、時々、笑いにも誘われます。

 具体的なあらすじはあえて書きません。

 しかし、やはり苦しいことにたびたび出会います。

 決してハッピーエンドではありません。

 苦しい中での小さな救いや小さなほほえみがいかに大切か、を考えさせられます。

 そして、読後感はすがすがしいです。

 こんな小学生たちを少しでも守り、応援できるようなおとなでありたいな、と思いました。   (2018.8 記)

 

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北海道東川町は東川神社の夏祭りで、子ども神輿が元気にねり歩きました-じーじの2017北海道の旅

2025年08月07日 | ひとり旅で考える

 2017年8月のブログです

     *

 北海道東川町にいます。

 東川町は昨日から東川神社の夏祭り。

 今日は子ども神輿が元気にありました。

 神輿とは言っても、商工会青年部の主催による宗教色とは無縁の神輿で、国家権力的な宗教が大嫌いなじーじでも安心して見ていられました。

 主役は保育園の子どもたち。

 クラスごとに工夫を凝らした神輿を元気に担ぎます。

 年長さんはさすがに神輿らしきもの。

 らしき、というのは、神輿の中になにやら球がいっぱい詰まっていて、実は宗教的な意味があるのかもしれませんが、意味のわからないじーじには、ただのボールが詰まっているようにしかわかりませんでした(年長さんのみなさん、ごめんなさい)。

 年中さんの神輿は、なぜかおばけと竜宮城らしきもの(?)とのコラボレーション(違っていたらごめんね)。

 おばけとたこといかとその他もろもろが元気に踊ります。

 たこやいかなど、北海道らしいといえばらしいですが、子どもたちの発想力のすごさには驚かされます。

 最後の年少さんの神輿は、ドラえもん。

 ドラえもん(青い地球にも見えるけど…)の上に、ジャイアンやスネオが仲良く踊ります。

 いじめのない、いい世界です。

 子どもたちの想像力はすごいです(じーじの解説はひょっとすると間違っているかもしれないけれど、いろんな想像を可能にするところもすごいと思います)。

 そして、その子ども独自の豊かな世界を、とても大切にしている保育士のみなさんや保護者のみなさんも素敵です。

 神輿行列の途中からは小雨が降ってきましたが、子どもたちは元気いっぱい。

 とっても素敵な子ども神輿でした。

 いい町です、東川。      (2017.8 記)

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小倉清『子どもの臨床-小倉清著作集1』2006・岩崎学術出版社-子どもの精神科医のていねいな面接に学ぶ

2025年08月07日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2015年ころのブログです

     *    

 小倉清さんの『子どもの臨床-小倉清著作集1』(2006・岩崎学術出版社)を再読しました。

 この本も前に何回か読んでいますが、今回はたぶん5年ぶりくらいです。

 いつものことながら(?)、多少の記憶はあったのですが、内容をほとんど忘れていて、時々、アンダ-ラインのところや付箋のところに出合うと、懐かしさを覚えながらも、また新鮮な気持ちになって読ませてもらいました。

 論文集なので、いつもの「熱い」小倉さんが、それを内に秘めながらも、冷静に論述しているところが印象的です。

 巻頭論文は精神分析学会の学会賞受賞記念講演の論文。

 しかし、臨床現場第一主義の小倉さんらしく、ほとんどを事例のお話で通しているところがすごいなと思いました。

 論文はいずれもていねいな面接風景の描写とそれへの具体的な治療者・患者関係の考察で、とても勉強になります。

 そしてここでも治療者が生き残ることというテーマが出てきました。

 統合失調症の治療の例で、その困難さとそこで治療者が何があっても生き残ることの治療的重要さを強調されています。

 ふだん精神科デイケアでボランティアをさせていただいていて、少しずつ感じたり、考えたりしていることに、理論的なバックボーンを与えていただいている感じで、とても力になりました。

 今後もていねいに読み込んでいきたいなと思いました。            (2015?記)

     *   

 2018年の追記です

 去年秋の精神分析学会で、久しぶりに小倉さんのお姿を拝見しました。

 とてもお元気そうで、司会までされていました。

 最近は母子のデイケアで活動をされているそうで、その成果を学べる日も近そうです。

 そこからいろいろと深く学べることを楽しみにして、日々の勉強や生活を頑張りたいと思います。               (2018.10 記)

    *     

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事   心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

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岩宮恵子『生きにくい子どもたち-カウンセリング日誌から』2009・岩波現代文庫-ていねいな子どもの心理療法に学ぶ

2025年08月06日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2014年ころのブログです

     *   

 岩宮恵子さんの『生きにくい子どもたち-カウンセリング日誌から』(2009・岩波現代文庫)を久しぶりに再読しました。

 文庫本は2009年以来の2回目だと思うのですが、だいぶご無沙汰をしていました(岩宮さん、ごめんなさい)。

 もっとも、1997年に出た単行本も何回か読んでいるので、この本にはずいぶん勉強をさせてもらっている本です(岩宮さん、ありがとうございます)。

 本の中では、とても丁寧な心理療法の様子が、たいへんこまやかに描かれていて、すごく参考になります。

 事例のひとつは、過剰適応の小学男子のケース。

 チックとおねしょという症状で来談をしますが、箱庭をする中で、自らのこころの無意識の部分をうまく統合して、生き生きとした自分を取り戻します。

 もうひとつは、拒食症の小学女子のケース。

 食事だけなく、唾も飲みこめないという重症例で、心理療法も難航をしますが、箱庭や絵画をやる中で、治療者との信頼関係を深め、少しずつ外界との接触を増やして、ついには病いを克服します。

 最後にすばらしいかぐや姫の絵を描いてカウンセリングルームを去っていくのですが、岩宮さんは彼女が本当にかぐや姫のような世界に生きていたことを理解して治療は終結します。

 いずれも感動的なケースで、岩宮さんは多少の失敗場面も正直に提示をし、それらも含めて心理療法の全体を丁寧に細やかに検討しています。

 とても勉強になるいい本です。

 丁寧な心理療法は、読む人のこころまでを、豊かに、優しく、温かくしてくれるものだと思います。        (2014?記) 

     *  

 2018年秋の追記です

 今日、新潟で開催される箱庭療法学会で岩宮さんの講義があるので、じーじも参加を申し込みました。

 どんなお話が聞けるか、とても楽しみです。         (2018. 10 記)

      *  

 同日夕方の追記です

 箱庭療法学会に行ってきました。

 岩宮さんのワークショップ、よかったです。

 若手治療者の事例を検討したのですが、岩宮さんならではの見立てがいろいろ聞けて、勉強になりました。

 印象に残ったのは、直接、現実に触れられないクライエントさんの象徴的な物語についていくことの大切さ。

 事例ではアニメの世界に付き合うことで、クライエントさんが元気になる過程がすごいと思いましたし、それをわかりやすくお話してくださる岩宮さんの力量に改めで感心させられました。

 さらに勉強をしていこうと思います。         (2018. 10 記)

     *

 2021年秋の追記です

 岩宮さんもこの本で失敗場面をきちんと提示して、事例全体と心理療法について検討をされておられます。

 すごいことだと思います、本当に。         (2021.9記)

     *   

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

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佐々木譲『雪に撃つ』2022・ハルキ文庫-愚直な者の生き方と愚直なおとなの恋愛を描く

2025年08月06日 | 北海道を読む

 2022年7月のブログです

     *

 佐々木譲『雪に撃つ』(2022・ハルキ文庫)を読む。

 これも夏休みにゆっくり読もうと楽しみにしていた本。

 実は単行本を去年の夏に東川の図書館で借りて読んでいて、さすがに物忘れのひどいじーじでもあらすじはだいたい覚えていたが(たぶん)、今回は佐々木さんの力のある文章をたっぷり楽しみながら読もうと思った。

 結果は大正解で、佐々木さんの深く美しい物語を十分に堪能させてもらった。

 あらすじは例によって書かないが、愚直な者どもの生き方と愚直なおとなの恋愛が描かれて、なかなか感動的だ。

 組織の腐敗を暴いたことから閑職に追いやられている警察官の愚直な仕事ぶり、しかし、単純と思われた窃盗事件が殺人事件に結びつくなど、意外な展開を見せる。

 社会派の佐々木さんらしく、技能実習生の問題を背景に据えて、実習生の支援組織の人々とのやりとりも温かく描かれて、印象深い。

 一方、愚直なおとなの恋愛のほう。

 離婚経験者同士の不器用な恋愛が今回も歯がゆい。

 不器用さでは引けを取らないじーじだが、思わず、もう少しうまくやれよ、と声を掛けたくなるほど。

 しかし、これがおとなの恋愛かもしれない。

 そういえば、『マチネの終わりに』の恋愛もかなりの不器用だった。

 不器用だが、愚直な恋愛も、味があっていいかもしれないとも思う。       (2022.7 記)

 

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戦争に反対をすることといじめに反対をすること-じーじのひとりごと

2025年08月05日 | ひとりごとを書く

 2015年のブログです

     *  

 戦後70年ということで戦争反対のテレビ番組などを多く目にします。

 それはそれでとてもいいことだと思うのですが,そこに子どもたちが多く登場するのを見ると少し複雑な気持ちになります。

 もちろん,子どもたちが戦争反対について考えることはとても大切なことだとは思うのですが,個人的には,できれば子どもたちにはもっと目の前にある戦争,つまり,いじめなどの問題に反対をしてほしいと思うのです。

 いじめと戦争はつながっていると思います。

 弱いものをいじめるという点でまったく一緒です。

 もし,いじめを見ても,見ぬふりをしているようでは,とても戦争を防ぐことなどはできないと思います。

 いじめをとめようとすると,場合によっては自分もいじめられる可能性があります。

 いじめ反対を叫ぶことはとても勇気と正義感の必要な行為だと思います。

 いじめに反対をすることから,弱いものを守る本当の勇気が育つように思います。

 そして,それは子どもたちだけの問題ではありません。

 大人の社会でも,パワハラ,セクハラ,モラハラなどを見過ごしているようなことはないでしょうか。

 そこで勇気を出せないようなら,大人も弱いものを守れません。

 戦争反対も大切ですが,目の前の弱いものいじめに,まずは大人も子どもも反対をしていくことが大切だと思います。

 本当の平和はそこから始まるような気がします。     (2015 記)

      *

 2022年6月の追記です

 いじめの構図を見ていると、戦争の構図に似ているなあと思います。

 つまり、どちらも、見て見ぬふりをしている人たちの存在があって、成立しているということです。

 確かに、いじめも戦争も、それに反対を表明すると、こんどはその人がいじめられたり、攻撃されたりすることが多いですから、慎重にならざるをえないことは理解できます。

 しかし、そこで勇気を出さないと、いじめも戦争も終わりません。

 おとなもこどもも、目の前にある弱いものいじめから目をそらしては、後で後悔するでしょう。

 たいへんだけど、勇気が大切です。 

 そして、まずはおとなが、さまざまな事情はともあれ、戦争反対を唱えることが重要になるのではないでしょうか。    (2022.6 記)

     *

 2025年7月の追記です

 同調者社会ということを考えます。

 憎悪を煽る人たちが敵や差別の対象を見つけだして攻撃をすると、それに同調をする人たちが出てきます。

 憎悪を煽る人たちも、それに同調をする人たちも、それで何らかの不満を解消するのでしょうか。

 いじめも差別も戦争も、構図は同じように見えます。

 弱いものいじめ、暴力による排斥や支配、容赦がありません。

 せめて、安易に同調しないような、しっかりとした考えと態度を保ちたいと思いますが、なかなかむずかしいことなのかもしれません。     (2025.7記)

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北海道東川町で2017羽衣音楽祭がありました(その2)-じーじの2017北海道の旅

2025年08月05日 | ひとり旅で考える

 2017年8月のブログです

     *

 北海道東川町にいます。

 今日は東川町でのアマチュアバンドの音楽祭・羽衣音楽祭の日。

 人混みが大嫌いなじーじは、音楽祭に行こうかどうか、迷っていましたが、まずは朝早くからの練習風景を見学に行ったところ、駐車場にはまだあまり車がなく、いい予感(?)がしました(アマチュアバンドのみなさん、ごめんなさい)。

 演奏開始の午前10時半、人出はまあまあで、人混みの嫌いなじーじでもなんとか耐えられる程度。

 ステージからは少し離れてしまいますが、日陰のある池の近くのベンチに座ってくつろいでいると、音楽会はスタートしました。

 観客は子ども連れの家族が多く、和気あいあいの雰囲気で、子どもたちは音楽より、池のそばでトンボ捕りに夢中で、いい感じです。

 近くの保育園では、日曜保育もやっているらしく、保育士さんと子どもたちも散歩の途中に参入、みなさんの注目を浴びたり、池のそばでオニヤンマを捕るのに夢中です(子どもたち以上に女性の保育士さんがトンボ捕りに熱中しているのがおかしかったです)。

 バンドは旭川や札幌、東神楽、比布、さらには、地元の東川町のバンドなどで、全員、アマチュアで、中には今朝、旭川のイトーヨーカ堂の魚屋さんで仕事を終えてきたというメンバーもいます。

 舞台や音響は手作り感がいっぱいで、ひと昔前の新潟の日本海夕日コンサートを思い出す感じでしたが、今回でなんと21回目の開催ということで、レベルは高く、いい音を出しています。

 初参加だという若手バンドも、パンチのあるいい演奏をしていました。

 音楽会は午後5時半終了予定で今も演奏中、日陰にいたのになぜか日焼けをしたじーじは、体型だけでなく、色も黒くなって、さらにヒグマさんのようになってきました。

 ワイルドになったじーじは散歩のついでにフィナーレを見に行ってきます。

 来年への楽しみも増えて、じーじの夏休みはあと1週間です。     (2017.8 記)

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加藤周一『言葉と戦車を見すえて-加藤周一が考えつづけてきたこと』2009・ちくま学芸文庫

2025年08月04日 | 随筆を読む

 2022年8月のブログです

     *

 加藤周一さんの論文集『言葉と戦車を見すえて-加藤周一が考えつづけてきたこと』(2009・ちくま学芸文庫)を久しぶりに再読する。

 やはりすごいな、と思う。

 本書には、1946年の「天皇制を論ず」(「大学新聞」)という論文から、表題になった1968年の「言葉と戦車」(「世界」)、そして、2005年の「60年前東京の夜」(「朝日新聞」夕陽妄語)までの60年間の論文、27本を収録する。

 その間、論旨が一貫していて、少しもぶれていないところがすごい。

 天皇制、敗戦と終戦、憲法9条、民主化と圧政、官僚制、教科書検定、再軍備、などなど、ふだんはなかなか見えにくい政治の動きが、とてもクリアに見えるところが本当にすごいと思う。

 そして、それを書く勇気。かなり大変なことではないかと想像するが、その勇気もすごいと思う。

 1968年の論文「言葉と戦車」はソ連のチェコスロヴァキアへの軍事介入を論ず。

 現在、進行中のロシアのウクライナ侵略と似たような構図だが、いずれも大国の横暴が露わだ。

 同じ時期、アメリカはベトナム介入を続けており、加藤さんは東西の大国を分け隔てなく批判する。

 アメリカ、ソ連はその後もあちこちで介入や戦争を続けているが、両国政府の言い分とその国民感情への加藤さんの視線は鋭い。

 そして、それは、翻って、戦前、日本が朝鮮や中国、東南アジアの国々を侵略し、それを日本国民が支持し、知識人がきちんと抵抗できなかったことへの反省に繋がる。

 目の前の問題をきちんと見て、小さいうちに対処していくことの大切さ。

 官僚制、教科書検定、君が代・日の丸、などなど。

 権力は、一見、スマートな装いで、じわじわと国民の自由を奪う。

 戦前と同じことを繰り返してはいけないと思う。

 加藤さんの本は、問題をクリアに見ることを可能にしてくれると思う。     (2022.8 記)

 

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北海道東川町で2017羽衣音楽祭がありました(その1)-じーじの2017北海道の旅

2025年08月04日 | ひとり旅で考える

 2017年8月のブログです

     *

 北海道東川町にいます。

 朝夕、散歩をしています。

 今日の夕方は、久しぶりに大雪山旭岳がきれいに見えて、十勝岳もその噴煙がよく見えます。

 さらに散歩を続けていると、何やら音楽演奏が聴こえてきました。

 そういえば、北海道新聞に、明日、東川町でアマチュアバンドの音楽祭・羽衣音楽祭(町の羽衣公園という音楽堂もある広い公園で行われます。先日の大黒摩季さんの無料コンサートもここで行われました)と書かれていました。

 練習風景とはいえ、生の演奏はいいものです。

 しばし、聴き入ってしまいました。

 近くの保育園の子どもたちも散歩にやってきて、音楽にあわせて(?)、元気に走り回っています。 

 新潟にも日本海夕日コンサートという大きな野外コンサートがあって、じーじも若い頃はビールを持って、家族と聴きに行ったものですが、最近はご無沙汰でした。

 ちなみに、じーじはロックのようなにぎやかな音楽は、なぜか耳が痛くなるので苦手で、いつもお世話になっている精神科デイケアでも、ロックの音楽鑑賞の時はお休みをせてもらって、読書をしたりしていますが、しかし、生の演奏はやはり違いますね。

 明日の演奏会はどうしましょうか。

 大黒さんの時はたいへんな人混みをおそれて東川町を逃げ出しましたが、明日はどれくらいの人になるのか(?)迷っています(アマチュアバンドのみなさん、ごめんなさい)。

 いずれにしても、散歩をしながら、人の集まり具合を見て、考えたいと思います。

 東川町で、ワイルドなじーじがさらにワイルドになるかどうか、楽しみです。     (2017.8 記)

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小倉清『子どもの精神科医50年』2012・論創社-その2・ていねいで「熱い」子どもの精神科医に学ぶ

2025年08月03日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2016年ころのブログです

     *  

 小倉清さんの『子どもの精神科医50年』(2012・論創社)を再読しました。

 2012年11月のブログでもご紹介させてもらっていますが、かなり久しぶりです。

 じーじの場合、なぜかいい本は4~5年ごとに読みたくなるようです。

 前回もふれていますが、とにかく「熱い」です。

 その「熱さ」は本当にすごいです。

 熱いことで有名な山中康裕さんもびっくりかもしれません(山中さん、ごめんなさい)。

 特に、医学生時代の「熱さ」のエピソードは痛快です。

 こういう情熱があるからこそ、すばらしい実践ができるのかもしれません。

 今回、勉強になったのは、ひとつは、現場でのやりとりをていねいに検討することの大切さということ。

 じーじも2カ月に一回、新潟の研究会で事例をていねいに検討させてもらっていますが、ひとつの事例を深く検討するということは、本当の意味でエヴィデンスを高めることにつながるような気がします。

 もうひとつ勉強になったのは、現在の認識が変われば過去の認識や事実が変わる、ということ。

 心理臨床の実践の現場では時々出会う現象ですが、現在の時点での認識の変化によって、過去についての認識だけでなく、過去の記憶や過去の物語、あるいは、過去の事実そのものが変わるという不思議な現象が確かにあるような気がします。

 フロイトさんのいう事後性ということはこのことかな、と少しだけわかるような気もします。

 今後もていねいな臨床でクライエントさんにより添いたいと思いました。          (2016?記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

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藤原伊織『テロリストのパラソル』1998・講談社文庫ー元東大全共闘のくたびれたアル中中年が小さな女の子のために走りまくる

2025年08月03日 | 小説を読む

 2023年7月のブログです

     *

 藤原伊織さんの『テロリストのパラソル』(1998・講談社文庫)を久しぶりに読む。

 1995年江戸川乱歩賞受賞作で、1996年の直木賞受賞作。

 東大全共闘で学生運動を闘った主人公が、今はアル中の中年バーテンダー。

 真昼の公園でウィスキーを楽しんでいたところ、偶然、爆弾事件に巻き込まれ、その直前に知り合った小さな女の子のために(?)、真相解明に走りまくる。

 いろんな登場人物が出てくるが、じーじには、主人公がただ小さな女の子のために走るまくる小説と読める。

 この小説については、特に、あらすじを書くのは「犯罪行為」(?)だと思うので、いつも以上に気をつけたい。

 描かれるのは、学生運動と個人、学生運動と恋愛、学生運動と暴力、暴力と警察・国家権力、やくざと警察、組織と個人、お金の魔力、人間の弱さ、などなど。

 それらが、主人公の飾らない生き方とともに、対比的にあぶりだされる。

 決してスマートではなく失敗だらけの中年男子。

 ただ、一本筋が通っているというか、頑固なところが魅力的だ。

 じーじの大好きな男性像。

 いい小説だ。

 途中から仲間になる、警察をくびになったやくざ屋さんの中年男子とともに、真相解明に走りまくる姿はまったくのハードボイルド小説だ。

 ハラハラ、ドキドキの連続で、小心者のじーじには少し心臓に悪い。

 しかし、とても良質で、後味のよい小説を楽しませてもらった。      (2023.7 記)

 

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今年もじーじの夏休みが始まりましたーじーじの2025北海道の旅

2025年08月02日 | ひとり旅で考える

 今朝の北海道東川町の気温21℃。涼しい!

 ん? 東川? 21℃?

 そう!今年もじーじの夏休みが始まった。

 予定では、7月31日に新潟から小樽行きのフェリーに乗るはずだったが、まさかの津波警報で欠航。翌日は満席という。

 それでじーじにしてはめずらしく冒険、とりあえず青森まで行ってキャンセル待ちをすることに。

 夕方、タフトくんと青森に到着。

 キャンセル待ち293番(?)の切符をもらって待機。

 夜中の2時の臨時便にようやく乗船、1日朝6時に函館に上陸した。

 函館からはのんびりとドライブ、午後3時過ぎに東川に到着した。

 そして、昨夜は車中泊。

 夜中は涼しく、久しぶりにタオルケットを掛けた。贅沢!

 貧乏だけど、贅沢な、車中泊の旅が始まる。

 今年はさらにどんな冒険が待っているのか、ドキドキわくわくのじーじだ。    (2025.   8記)

 

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小倉清『子どもの精神科医50年』2012・論創社-その1・子どもへの愛情で「熱い」精神科医に学ぶ

2025年08月02日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2012年11月のブログです

     *

 小倉清さんの『子どもの精神科医50年』(2012・論創社)を読みました。

 小倉さんはじーじの尊敬する幼児児童精神科医で、これまでにもすばらしい本を何冊も出しておられますが、今回の本もすばらしいです

 今回の本は、小倉さんの人生を回想しながら、幼児児童精神医学を語るという形ですが、とにかく「熱い」です。

 幼児や児童への愛情がほとばしっています。

 あえてたとえるなら、本の中にも登場しますが、河合隼雄さんの「熱さ」に共通する「熱さ」、情熱、やりぬく意欲、といったものでしょうか。

 先駆者としての意欲にあふれた姿が示されていて、感動的です。

 学問に裏付けられた熱意に触れられて、少し疲れ気味だった自分も少しだけ元気になれました。        (2012.11 記)

     *

 2023年秋の追記です

 初めて小倉さんのお話をお聞きした日のことを思い出します。

 じーじが家裁調査官言になって間もなくの頃、東京であった研修会。

 名前も知らない小倉さんでしたが(小倉さん、ごめんなさい)、その「熱い」お話に魅せられました。

 新潟に戻って、本屋さんで小倉さんの本を探し求めたことを思い出します。

 あれから50年近く、小倉さんは今もお元気で活躍中。

 すごい先生です。         (2023.10 記)

     * 

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com  

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じーじ、露天風呂でねこちゃんに見つめられる(?)-じーじの2018北海道の旅 

2025年08月01日 | ひとり旅で考える

 2018年7月のブログです

     *

 事件(?)は昨日の夕方に起こりました。

 いつものように東川の隣り町の東神楽町の露天風呂に行くと、大雪山がきれい。

 久しぶりに全体がきれいに見えるな、と感心をしていると、そこに一匹のねこちゃん。

 え!ねこちゃん!

 そうなんです、黒いねこちゃんが露天風呂にやってきて、こちらを眺めています。

 なんで、ねこちゃんが露天風呂にいるんだ!

 長く生きてきたじーじも、露天風呂でねこちゃんに会うのは初めて、びっくりです!

 ねこちゃんはこちらの驚きにもかまわず、悠々とこちらを眺めています。

 メタボ気味のじーじはちょっと恥ずかしくなり、思わず湯船に沈みます。 

 ねこちゃんは慌てず、さりとて抗議もせず、大きな目でこちらを見ています。

 めすねこちゃん、なのでしょうか?

 湯船に沈んだじーじがだんだんのぼせてきて、困っても、ねこちゃんは平気です。

 じーじはいつものように湯船のそばの大きな岩に腰かけたいのですが、じっと見つめられているとそれもできません。

 じーじ、ピンチ!

 と、その時、ねこちゃんは女湯のほうに去っていきました。

 やれやれ、北海道での大冒険が始まりました。

(そういえば、去年は露天風呂であぶくんとの闘いがありました。北海道の露天風呂はなかなかワイルドです)       (2018. 7 記)

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