ココロの居場所

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太宰治作品を読み解く。(GHQの検閲ニュース含む。)

2009-08-02 12:04:12 | 言葉
「作家の太宰治が終戦直後の45~47年に出版した4冊の中の7作品が連合国軍総司令部(GHQ)の検閲を受け、大幅に内容を修正されていたことがわかった。検閲関連の資料を多く保存する米メリーランド大のプランゲ文庫からゲラなどが見つかった。太宰は今年で生誕100年。研究者は「戦後の太宰像を考えるうえで貴重な発見」と話している。」(asahi.comより引用)    まもなく終戦記念日ですが、終戦直後の日本はGHQに言論に関しても、検閲されていたとは驚きです。この時期は、米国の占領下にあった訳ですから、よく考えれば不思議ではないことかもしれません。左翼的な部分とも言えないようで、軍事国日本を想わせる記述に関してのようです。さて、太宰治の短編集(単行本)「ヴィヨンの妻」を、やっと、読み終えました。どの作品も、面白いのですが、社会常識を逸脱したものの考え方に正直に言って、ついていけないものを感じます。それは、社会常識を超えた、物事の本質を追求するがために、そうなってしまうのか、いずれににても、刹那的な表現力は、小説であるがゆえに許される表現の自由の境界線といえるものかもしれません。もっとも、象徴しているのが、「トカトントン」だと思います。この短編は、お勧めです。以下、亀井勝一朗氏の解説から引用します。「太宰は虚構の名人である。空想力の実に豊かな作家である。彼はつねに彼を描いた。作品のすべては告白の断片にちがいない。だが事実を事実として描いたものはおそらくただの一行もあるまい。....家庭のエゴイズムを憎悪しつつ、彼は新しい家庭の夢を追うたと云っていい。論理に反逆しながら、新しい論理を求めたと云っていい。その最大の証明は彼の抱いた罪の意識である。」

asahi.com
http://www.asahi.com/culture/update/0802/SEB200908010056.html