Rainbow*Heart

ヤプログさんからのお引越し私的な記録である。

「映画で親しむ発達障害」へ行ってきました。

2011-01-09 12:05:18 | AutismSpectrum





ご訪問ありがとうございます。

広島ブログ





かなり前に告知しておりましたイベント (記事は こちら




「映画で親しむ発達障害〜地域で支える発達障害児・者〜」 へ行ってきました


もう駐車禁止除外車の該当から障害階級が外れたので(悪魔の法改正私の障害は変らないのに


渋々~旦那に車で送り迎えをしてもらいました


道中で スコッティから「席取っておこうかぁ~」とメールが入り


初めて、ああ参加するのねっと思った次第ですが(笑)


お姑さんと同行する彼女と


私は端の席が良いってことで、若干離れて座りました


座って開始を待っていると


目の前の通路に、Agの担任一家が歩いていて


ご挨拶しーの(休憩の時に、担任がまた私の席まで話しをしに来てくれました



12:50~ 主催の 自閉症協会広島支部 の会長さんのご挨拶から始まりました。


当事者の親である会長の小野塚さんが


申し込みとともに寄せられるトーク内容について


「15年前(自分の子供が)診断を受けた頃に感じた思いや悩みと


(近年では発達障害の研究や支援も進んで、日本は世界1の水準だと思うのに)


親や支援者の古典的な悩みが、変っていないことを寂しく思う・・・


もしかしたらまだ日本は発展途上なのかもしれません・・・」というようなことをおっしゃりました。



広い意味では、やはり広島はまだ発展途上だと思うし


公共の施設なんかも、いわゆる構造化やペクスなんかの取り組みは遅れていると思われます。


でも・・・こういう取り組み(イベント)に参加すると


みなさん熱心に参加されていたりと、なかなか捨てたものではないなぁ~と感じるし


やはり一保護者としては、これからもっと良くなると信じたい


そんな思いで聞いておりました。



そして間もなく始まりました・・・映画上映



「音符と昆布」 



主演 池脇千鶴 市川由衣 石川伸一郎 ( 「娼婦と淑女」 の藤堂役の子です!) 宇崎竜童


早々たる俳優陣です


ここからは映画の感想やネタバレも入るので、知りたくない方はスルーくださいませ・・・。




ストーリーのあらすじは、映画の特設サイトをご覧いただければ分ると思いますので割愛しますが


池脇千鶴のアスペルガー役は、なかなか素晴らしかったと思います。


冒頭の妹(嗅覚がないのにフードコーディネーター)の


「人は欠けていることを違うもので補うのだ」という心の声?ナレーターが入ります。


それこそ、自閉症(スペクトラムもアスペも含みます)のこととリンクすることだと思いました。


金魚の育て方について、アスペのお姉さん(池脇)が妹(市川)にダメ出しするのですが


「(うんちくを述べて)金魚には拷問だ!」的な台詞を言います。


正しく育てないから大きくならない金魚のことが


奇しくも自閉症の子どものことと、ここでもリンクします


正しい理解で支援されない(育てられない)子どもにとっては拷問に等しい・・・。


監督はそういうことが言いたかったのではないでしょうか?



お姉さん(池脇)のパニックの中でフラッシュバック(色んな過去の苦痛が蘇える)する様子


その姿を見て、妹(市川)が自分を癒すためにビタミンカラーのレモン(だったかな?)を食べるシーンもあったり


冒頭のナレーション(心の声)で妹自身が癒しを求める時は


ビタミンカラーを見るって言ってたし(うろ覚え・笑)


みんな・・・同じ


弱みは誰にだってある。


そういう風に私にはメッセージが伝わりました。


存在すら知らなかった姉に


ましてやアスペルガーでもある姉に戸惑いながら


一風変った姉を、葛藤しながらも受け入れ


愛おしさを感じるまでになるお話です。


発達障害の映画と思わなくても


どこかスタイリッシュでお洒落な映画を観ているような感覚もあり


なかなか良かったです。


洋服提供がSM2だったり・・・個人的には池脇千鶴の着ている服が好きでした(笑)


なんといっても彼女は演技派だわっ


そんな感想の第一部でした。


続いて第二部は 


山梨県中央児童相談所医師の本田秀夫先生


広島市こども療育センター発達障害部外来教室主査の角野直美先生のトークセッション



まずは本田先生のお話からでしたが


「やる」「やらない」「目に見えない」発達の異常について話され


親は「やらない異常」が気になり(人と比べる上での発達の遅れ?)


先生は「やる異常」が気になる(逸脱行為など)


医学の見地からは「目に見えない異常」が最も大事だとされる(内面に着目)


と説明され、どんなお子さんにだって目に見えない異常というのはある。とのことでした。


そしてASD=自閉症スペクトラムの


いわゆる三つ巴の特性を挙げられ


①対人交流の質の異常

②コミニケーションの質の異常

③著しい興味の限局と反復的行動パターン



今回上映の映画の場面に基づいて一つ一つ説明されました


おそらく、発達障害のことを何もご存知ない人には


この説明なんかはすごく分りやすかったのではないかと思います


いやっ知っていても分りやすかった(いわゆる解説のような感じ)


後、私が感じた冒頭の台詞のことも


自閉症の人と同じことだとおっしゃられました(私もまんざらじゃないなぁ~笑)



それから時間になって


角野先生のお話になりました。


まずは療育センターの概要などを話され


やはり映画の話と、先生の働く現場(外来療育)でのお話を絡ませて進められました。



映画の中でお姉さん(池脇)が、蛍光灯が目にチカチカと突き刺さる・・・と言って割り捨てるシーンのことを


自閉症の人は感覚の過敏(または鈍麻)があり


実際の例として、プール好きだった子どもが


シャワーだけは肌の感覚過敏で「突き刺さるように痛い」と感覚過敏を訴えているにも関わらず


小学校の先生が色々と手をつくしてはくれたのでしょうが


何とかシャワーを浴びれるように指導していたことにより


結局、その子はシャワーはおろか、プールも嫌いになってしまった。


という


特性を理解せず子どもに無理強いしてしまう悪い例(とはおっしゃられなかったけど)などもある切なさについて


本人が辛いことは辛いと理解することが一番大事だとおっしゃりました。



日本人の悪い癖で


みんな一緒・・・一緒の行動こそが推奨され


逸脱したものを何とか矯正しようとすることが「支援」だと勘違いされては困ります



行動問題と感覚異常(過敏・鈍麻)は全く別の問題なので



その辺もよく理解していないと子どもの心は育たない・・・。



行動問題は支援方法がたくさんありますが


ほとんどの感覚過敏には無理強いは禁物。



ちょっと怒りとも悲しみとも混じるような複雑な気持ちになりました。



例えば、自閉症の支援に協力的な先生であったとしても(小学校など専門分野ではないところ)


その子にとって良かれと思って指導してくださっていても


全くお門違いだったりすることもあるわけで


そういった軌道修正を、果たして親が介入してもいいものか?


いやっ介入せずにはいられませんが


どう説得力ある介入ができるのか?


それを教えてくれる機関はどこにもありません


突き詰めて考えるに、コーディネーターみたいな人って居ないの?


学校と親との橋渡しじゃないけど


知識のちゃんとある人が、親に代わって学校と交渉するまたは要望する


今はモンスターペアレントとか言われるので


ワンクッションおける機関や人が必要だと思うのは


親の怠慢でしょうか?


あと2年もない未来には、そういったことでかなり悶々としそうです(就学問題)


それまでに行政を変えるか?


無理ですよねきっと・・・


やっぱり自分がコーディネーターのごとくわが子の為に奮起するしかなさそうですねっ



そう思うと・・・肩の荷が重くのしかかるなぁ~


まぁ~ある程度の覚悟はしているのですが・・・。



と話しが反れてしまいましたが


角野先生のルール説明のビデオは圧巻でした!


ムカデ歩き?のやり方を説明(教える)する時に


視覚的に教える(説明)ビデオを見せるだけで


見せる前と後での落差の素晴らしいことこの上なく


本田先生も感心されてました。


流されはしませんでしたが、他のビデオの中で暗黙のルールも説明したようで


子どもたちはムカデ競争の時、同じチームを応援し


そして対抗チームの応援をも繰り広げます


素晴らしいです


特性に応じて分るように教えてもらい


それを忠実にこなす子どもたち


こんなにも純粋で素直な子どもたちの素晴らしさを、みなさんにも感じて欲しいです。


角野先生は「そんな子どもたちに魅了されている一人です」と自分のことを


おっしゃっておられました



それからディスカッションに流れ込み


小野塚会長からのお題(質問)にお二方が応えるというスタイルになりました。


偉人にも自閉症の人は多いが何が大事か?(だったかな?)という質問に対し



「社会に適応している人の全てに

側に理解してくれる人が居た!

そういう人との出会いは誰にでもあることではないので

親や地域の周りがそういう人になってあげることが大事」と角野先生談でした。




本田先生からは


「幼児期からケアしている人は本人が主観的に充実して生きている。


中には、ケアされずに大人になる人もいる(主にアスペ)」


「大事なのは


①自分に自信が持てるかどうか?

②相談相手が居るかどうか?


この二つが満たされていると安心感が持てる大人になる」でした。



そして・・・アスペの子が主になると思うのですが


「ハンディを持っているが強みもあるという自負」が大事とも言われました。



面白かったのが


たぶん発達障害の偉人(ビルゲイツ・トムクルーズ・エジソンなど)もそうでしょうが


「自閉症の特性を持っていることを


一般人に合わせて生きない方が良い・・・


人に左右されずに仕事や趣味に生かし


アスペの良い大人になることを目標に生きる」


って感じのことを言われました。


普通の子になろうとせず(違いを認め)


違う育て方で適切に育てることが大事(支援)


適切な支援がどんなに大事なことか・・・また再認識致しました。


また決して障害特性を無くして


一般に近づけようとするだけの支援はNG・・・みんなと一緒でなくて良い。


特性を強みに変えて生きるということなんだと思います。



私自身もハンディがあります(足)


でも、決して自分のことを他の人と劣っているとは思わない。


確かに障害は、日常生活の中で制約がたくさんあったり


我慢したり諦めたりしなければならないこと


人の手を借りなければできないことがたくさんあり


そんな自分が情けなく感じることもあります。(してはいけない、もどかしさなど)


でも、人として


周りの人より下かというとそうではない。


決して上でもないけど、下でもなくて同列


同じ人間として何も変わりないということ


そういった心の問題で


Agにもその他の、なんらかの障害のある子にも卑屈になって欲しくありません。


自分で自分のことを否定して生きることは


誰しも辛いこと


障害はあるけれど、みんな大事な1人の人間であって


その中でも私にとってAgは


かけがえの無い大事な宝物


そういったことを言葉だけじゃなくて、視覚的にも示してあげて


私の思いなんかもゆくゆくは分ってもらえたら良いなぁ~と思っています。


今は寝かしつけの時に「Ag、大好きよ・・・ママの宝物よ」と言ってギューっと抱きしめています。


そうするとAgも


「ママ、大好き・・・たかまもの」って同じく抱きついてくれます


振り返れば私も


親に抱きしめられた経験がなく奴隷のように育てられたので


こんな自己肯定感の薄い大人になってしまっているのだと思います。


今は大分ましになりましたが・・・


まぁ~グレなかったのは、いつも友達が支えてくれたから


ありがたいなぁ~と感謝してます。



あっまた話が逸れちまった



セッションは何項目がありましたが


最後に地域の人々へのメッセージを・・・


本田先生は、最近は地域の力が弱くなってきている


人と人とのつながりが薄くなっているので


人と繋がるということにおいては


好きなこと、趣味などを通じて友達が出来るので


そういった部分で人と繋がることが大事。というようなことをおっしゃられました。



角野先生は・・・興味の深さや好奇心や好きなことに対する集中力は素晴らしい


そういったプラス面を生かして


苦手なことも時には長所になるのでポジティブに


また成功体験を積み重ねて、できた!やった!という気持ちを大事に育て


次へのやってみよう!の力を育てたり


自己肯定感を育てていく


そういった部分を一緒に味わって欲しい(だったかな?)と、締めくくられました。



今回のイベントはかなり良かったと思います(趣旨も趣向も)



まだ先の日程でも、講師は異なりますが開催されますので


気になった方は申し込み参加をしてみてくださいねっ


各方面で開催される予定です

「映画で親しむ発達障害〜地域で支える発達障害児・者〜」







いつものように脱線だらけの長文

読んでいただきありがとうございました

スルーの方もそうでない方も

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