[高野公彦選]
(可児市・三田村広隆)
〇 コンビニのフェンスに絡むひろがおの境涯といふ曖昧なもの
絡むにこと欠いて「コンビニのフェンスに絡むひろがお」の投企も亦、「ひろがお」なりの投企であれば、殊更に他所様から「曖昧なもの」であるなどと非難されるような筋合いのものではありません。
「可児市の桜ヶ丘ハイツの欅の枝に絡み付いたから確実な絡み方であった」とか、「川崎市多摩区内の尻手黒川道路沿いのコンビニのフェンスに絡み付いたから曖昧な絡み方であった」とかと評価するのは、あくまでも一面的な評価に過ぎなく、「昼顔の絡む所も好き好き」といったところでありましょう。
〔返〕 他所様の短歌に絡むともがらの境涯に見る悪戯ごころ
(福島市・美原凍子)
〇 ひたすらにむくげはむくげ人の世のいろいろいろに触れざるま白
「ま白」即ち「潔白・清潔・清純・純粋」という、従前よりの常識に寄り掛かって詠んだ作品である。
美原凍子さんくらいのベテランになりますと、心の中の抽斗が多いので、ややもするとその分だけ、常識に寄りか掛かった作品を詠みがちなのでありましょうか?
〔返〕 振り返り見れば全てが歌になる財政破綻も原発事故も
この度は木槿を詠んでいるけれど何を詠んでも被害者意識
人の世の色さまざまに触れぬまま馬に喰はれし木槿ぞ哀れ
(ホームレス・宇堂健吉)
〇 よりどなく電車の床を転がれる空き缶も拾う生くる糧のため
作中の「よりどなく電車の床を転がれる空き缶」とは、ご自身のホームレス生活を比喩的に表現したものでありましょうが、「ホームレス」とは、住所を示している訳でも無く、かと言って職業を示している訳でも無く、ましてや身分の証しとして名刺に書けるような代物ではありません。
作者の宇堂健吉さんには、ホームレス生活から解放される為の手間暇を惜しんだりせずに、一日も早く市民生活に復帰されんことを要望致します。
また、朝日歌壇の選者の方々には、「ホームレス」を所書きとした投稿者の作品をそのまま入選作として紙面に掲載したりせずに、確かな居住地を確かめた上で入選作として紙面に掲載することを要望致します。
〔返〕 コロコロと電車の床を転がれる空き缶も拾うアルミ缶なら
殊更にホームレスなること誇示するも食う寝るところ住むところ無し
壜缶は空洞をもて用を為す夜汽車の床に転がれる缶
(草津市・山添聖子)
〇 梅雨寒に子のぬくもりがやさしくて抱いているのか抱かれているのか
昨日の午後のこと、私は外出先の宮前平から川崎市営バスに乗って帰宅しようとしたのであったが、その途中のバス停から、車内の通路を通り抜けることが不可能なほどの大きなベビーカーに乳児を乗せた30才前後の女性が二人、他の乗客に手伝われながらもバスに乗り込んで来たのでありました。
幸いなことに、件のバスはそんなにも混雑しては居なかったので、どうにかこうにか乗車することが出来たのでありましたが、実の事は、それからが大変であって、次のバス停で他の乗客の一人が下車しようとしても、出口の扉が開かなかったので、運転士の方は「ベビーカーが出口の黄色い線の外側にはみ出しているので出口の扉が開きませんから、ベビーカーを黄色い線の内側に入れて下さい!」と、二度、三度と連呼しているのであったが、件の母親たちは二人ともそれを気にもして居ないといったホーズで、ベビーカーの中の乳児たちの頬を撫でたり話し掛けたりしているのでありました。
幸いなことにその一件は、件の母親たちの隣に立っていた男性の手に拠って、ベビーカーが黄色い線の内側に入ったので無事に解決を見たのでありましたが、それも束の間、次の一瞬、何かの拍子にバスが急停車したところ、ベビーカー同士が正面衝突してしまったので、二人の乳児が大声を上げて泣き出してしまったのでありました。
件の二台のベビーカーが車内に入って来た時、運転士の方は「ベビーカーを補助ベルトで固定して下さい」と注意したのでありましたが、母親に当たる二人の女性たちは、それを気にもしていないといった感じで比較的に空いている出口付近にベビーカーを止めて立ち話をしていたのでありました。
我が国が老人大国に成り果ててしまった今日、乳幼児を持った母親たちには、行政当局を肇としていろいろな方面から子育て援助の手が差し伸べられている、という事でありますが、いくら何でも、バスの通路に入る事が出来ないほどの巨大なベビーカーを無理矢理バスに入れて外出する事はあまりにも他人様の迷惑を考えない行いでありましょう。
本作の詠い出しが「梅雨寒に子のぬくもりがやさしくて」となっていたので、つい、うっかり、余計なことを言ってしまいましたが、近頃の母親たちの中には、乳幼児を抱いていても「抱いているのか抱かれているのか」分からないなような母親が居ることも確かな事実ではある。
〔返〕 この頃の母親とても子供っぽく子供に抱かれていそうな感じ
(東京都・上田結香)
〇 絶え間ないフラッシュライトの中歩くスーパーモデルの気分だ雷雨は
という事になると、一週間に一度くらいは、東京都内に「雷雨」が降り荒れてくれればいい、という事になりましょうか?
〔返〕 絶え間なくフラッシュライトを浴びようが君の容姿じゃモデルになれぬ
(福山市・武暁)
〇 生ハムを紫蘇でくるんでかぶりつき冷酒で洗う口中の爽
「冷酒で洗う」と四句目にあり、この一句が本作の利き目とも思われる。
だが、屁理屈を言わせで頂きますと、「口中の爽」を「冷酒」で洗ってしまったら、せっかくの「口中の爽」が台無しになってしまいましょう。
私が思うに、本作の作者・武暁さんの意図としては、「生ハムを紫蘇でくるんでかぶりつき冷酒を飲めば口中の爽」といった趣旨の一首を思い付いたのであるが、それを気の利いた一首に仕立て上げようとした余りに、「冷酒を飲めば」を「冷酒で洗う」としてしまったのでありましょう。
こうした失敗は、相撲の決り手で言えば「勇み足」のようなものであり、よく云う「相撲に勝って勝負に負けた」とはこうした事態を指して云うのでありましょう。
話は変わりますが、夏の酒の肴として「生ハムを紫蘇でくるん」だ如き一品が、この頃の我が家の食卓にも上るのであるが、私が新米教師からやっと脱出仕掛けた、昭和四十年代の終り頃、新学年が始まったある春の日の一夜、「公務分掌」の「立ち上げ会」と称する宴会が、その年の進路指導部の主任であったY教諭の自宅で行われたのであるが、その折、酒の肴として出されたのが「竹輪の穴に胡瓜を詰めた一品」であった。
ところがあろう事か、その一品が参席者全員に行き亘る前に無くなってしまい、末席を穢していた私と私の隣に座って居たコケシとの渾名を奉られていた女性教諭の食べる分が無くなってしまったのである。
私としては、そんな珍しくも無い肴は食べたいとも思わなかったのであるが、しかしながら、当夜の宴会の主宰者であった進路指導部の主任のY教諭は、何かに就けても配慮が行き届いているが故に「キーマン」という渾名を奉られていた程の男性ベテラン教師であったので、目敏くその事態を目にして、参席者全員に向かって「誰か、胡瓜の竹輪巻(もしかしたら、竹輪の胡瓜巻と言ったのかも知れませんが)>を二人分食べてしまった人は居ないか?新参加者の鳥羽さんとコケシさんの食べる分が無くなってしまったから!」などと大声を上げて叫んでしまったのである。
そう言えば、近頃はあの肴、「胡瓜の竹輪巻」という肴を目にすることも無くなってしまったのである。
〔返〕 生ハムを紫蘇に包めば一品だ酒の肴は手造りが佳し
仙台の笹蒲鉾は生のままで食べても旨く揚げても旨い
(アメリカ・郷隼人)
〇 酷暑日の独立祭の夕食の年に一度の西瓜がうまい
私は刑務所暮らしをした事がありませんから詳しい事は分りませんが、我が国の刑務所に於いても、正月の元旦にはお雑煮を食べさせるなどの配慮が為されているとか?
是は、かつて塀の中で暮らしていた経験を持つ、元民主党衆議院議員の山本譲司氏の著書から仕入れた知識である。
〔返〕 酷暑日の独立祭に西瓜食うひやっとしてて気持よかった
(神奈川県・九螺ささら)
〇 救急車のサイレンがミの♭(フラット)に聴こえる誰が苦しんでいる
神奈川県にお住いの九螺ささらさんは、「絶対音感」の持ち主でありましょうか?
〔返〕 救急車のサイレンの音が聴こえてる何処かの辻で人身事故が
「ドレミファ」の「ミ」の音ぐらいは聴き分ける極めて普通の耳ではあるが
(富山市・松田わこ)
〇 今日からは夏服風が吹くたびにゆれて楽しいプリーツスカート
富山市にお住いの松田わこさんの得意芸の一つは、ご自身や松田家のご家族の季節季節の服装を題材にして、巧みに一首を仕立て上げることである。
〔返〕 今日からは夏服風が吹いてたらプリーツスカート揺らし魅せたる
これでは、松田わこさんもマリリン・モンローさながらではありませんか?
(豊明市・杉山菜々美)
〇 カーテンがふわりふくらみまたもどる一瞬だけの草木のかおり
窓外の庭園より一瞬の間の風ありてやがて已むか?
〔返〕 カーテンがふわりふくらみ薫り来るこの夏だけのカサブランカの香
(可児市・三田村広隆)
〇 コンビニのフェンスに絡むひろがおの境涯といふ曖昧なもの
絡むにこと欠いて「コンビニのフェンスに絡むひろがお」の投企も亦、「ひろがお」なりの投企であれば、殊更に他所様から「曖昧なもの」であるなどと非難されるような筋合いのものではありません。
「可児市の桜ヶ丘ハイツの欅の枝に絡み付いたから確実な絡み方であった」とか、「川崎市多摩区内の尻手黒川道路沿いのコンビニのフェンスに絡み付いたから曖昧な絡み方であった」とかと評価するのは、あくまでも一面的な評価に過ぎなく、「昼顔の絡む所も好き好き」といったところでありましょう。
〔返〕 他所様の短歌に絡むともがらの境涯に見る悪戯ごころ
(福島市・美原凍子)
〇 ひたすらにむくげはむくげ人の世のいろいろいろに触れざるま白
「ま白」即ち「潔白・清潔・清純・純粋」という、従前よりの常識に寄り掛かって詠んだ作品である。
美原凍子さんくらいのベテランになりますと、心の中の抽斗が多いので、ややもするとその分だけ、常識に寄りか掛かった作品を詠みがちなのでありましょうか?
〔返〕 振り返り見れば全てが歌になる財政破綻も原発事故も
この度は木槿を詠んでいるけれど何を詠んでも被害者意識
人の世の色さまざまに触れぬまま馬に喰はれし木槿ぞ哀れ
(ホームレス・宇堂健吉)
〇 よりどなく電車の床を転がれる空き缶も拾う生くる糧のため
作中の「よりどなく電車の床を転がれる空き缶」とは、ご自身のホームレス生活を比喩的に表現したものでありましょうが、「ホームレス」とは、住所を示している訳でも無く、かと言って職業を示している訳でも無く、ましてや身分の証しとして名刺に書けるような代物ではありません。
作者の宇堂健吉さんには、ホームレス生活から解放される為の手間暇を惜しんだりせずに、一日も早く市民生活に復帰されんことを要望致します。
また、朝日歌壇の選者の方々には、「ホームレス」を所書きとした投稿者の作品をそのまま入選作として紙面に掲載したりせずに、確かな居住地を確かめた上で入選作として紙面に掲載することを要望致します。
〔返〕 コロコロと電車の床を転がれる空き缶も拾うアルミ缶なら
殊更にホームレスなること誇示するも食う寝るところ住むところ無し
壜缶は空洞をもて用を為す夜汽車の床に転がれる缶
(草津市・山添聖子)
〇 梅雨寒に子のぬくもりがやさしくて抱いているのか抱かれているのか
昨日の午後のこと、私は外出先の宮前平から川崎市営バスに乗って帰宅しようとしたのであったが、その途中のバス停から、車内の通路を通り抜けることが不可能なほどの大きなベビーカーに乳児を乗せた30才前後の女性が二人、他の乗客に手伝われながらもバスに乗り込んで来たのでありました。
幸いなことに、件のバスはそんなにも混雑しては居なかったので、どうにかこうにか乗車することが出来たのでありましたが、実の事は、それからが大変であって、次のバス停で他の乗客の一人が下車しようとしても、出口の扉が開かなかったので、運転士の方は「ベビーカーが出口の黄色い線の外側にはみ出しているので出口の扉が開きませんから、ベビーカーを黄色い線の内側に入れて下さい!」と、二度、三度と連呼しているのであったが、件の母親たちは二人ともそれを気にもして居ないといったホーズで、ベビーカーの中の乳児たちの頬を撫でたり話し掛けたりしているのでありました。
幸いなことにその一件は、件の母親たちの隣に立っていた男性の手に拠って、ベビーカーが黄色い線の内側に入ったので無事に解決を見たのでありましたが、それも束の間、次の一瞬、何かの拍子にバスが急停車したところ、ベビーカー同士が正面衝突してしまったので、二人の乳児が大声を上げて泣き出してしまったのでありました。
件の二台のベビーカーが車内に入って来た時、運転士の方は「ベビーカーを補助ベルトで固定して下さい」と注意したのでありましたが、母親に当たる二人の女性たちは、それを気にもしていないといった感じで比較的に空いている出口付近にベビーカーを止めて立ち話をしていたのでありました。
我が国が老人大国に成り果ててしまった今日、乳幼児を持った母親たちには、行政当局を肇としていろいろな方面から子育て援助の手が差し伸べられている、という事でありますが、いくら何でも、バスの通路に入る事が出来ないほどの巨大なベビーカーを無理矢理バスに入れて外出する事はあまりにも他人様の迷惑を考えない行いでありましょう。
本作の詠い出しが「梅雨寒に子のぬくもりがやさしくて」となっていたので、つい、うっかり、余計なことを言ってしまいましたが、近頃の母親たちの中には、乳幼児を抱いていても「抱いているのか抱かれているのか」分からないなような母親が居ることも確かな事実ではある。
〔返〕 この頃の母親とても子供っぽく子供に抱かれていそうな感じ
(東京都・上田結香)
〇 絶え間ないフラッシュライトの中歩くスーパーモデルの気分だ雷雨は
という事になると、一週間に一度くらいは、東京都内に「雷雨」が降り荒れてくれればいい、という事になりましょうか?
〔返〕 絶え間なくフラッシュライトを浴びようが君の容姿じゃモデルになれぬ
(福山市・武暁)
〇 生ハムを紫蘇でくるんでかぶりつき冷酒で洗う口中の爽
「冷酒で洗う」と四句目にあり、この一句が本作の利き目とも思われる。
だが、屁理屈を言わせで頂きますと、「口中の爽」を「冷酒」で洗ってしまったら、せっかくの「口中の爽」が台無しになってしまいましょう。
私が思うに、本作の作者・武暁さんの意図としては、「生ハムを紫蘇でくるんでかぶりつき冷酒を飲めば口中の爽」といった趣旨の一首を思い付いたのであるが、それを気の利いた一首に仕立て上げようとした余りに、「冷酒を飲めば」を「冷酒で洗う」としてしまったのでありましょう。
こうした失敗は、相撲の決り手で言えば「勇み足」のようなものであり、よく云う「相撲に勝って勝負に負けた」とはこうした事態を指して云うのでありましょう。
話は変わりますが、夏の酒の肴として「生ハムを紫蘇でくるん」だ如き一品が、この頃の我が家の食卓にも上るのであるが、私が新米教師からやっと脱出仕掛けた、昭和四十年代の終り頃、新学年が始まったある春の日の一夜、「公務分掌」の「立ち上げ会」と称する宴会が、その年の進路指導部の主任であったY教諭の自宅で行われたのであるが、その折、酒の肴として出されたのが「竹輪の穴に胡瓜を詰めた一品」であった。
ところがあろう事か、その一品が参席者全員に行き亘る前に無くなってしまい、末席を穢していた私と私の隣に座って居たコケシとの渾名を奉られていた女性教諭の食べる分が無くなってしまったのである。
私としては、そんな珍しくも無い肴は食べたいとも思わなかったのであるが、しかしながら、当夜の宴会の主宰者であった進路指導部の主任のY教諭は、何かに就けても配慮が行き届いているが故に「キーマン」という渾名を奉られていた程の男性ベテラン教師であったので、目敏くその事態を目にして、参席者全員に向かって「誰か、胡瓜の竹輪巻(もしかしたら、竹輪の胡瓜巻と言ったのかも知れませんが)>を二人分食べてしまった人は居ないか?新参加者の鳥羽さんとコケシさんの食べる分が無くなってしまったから!」などと大声を上げて叫んでしまったのである。
そう言えば、近頃はあの肴、「胡瓜の竹輪巻」という肴を目にすることも無くなってしまったのである。
〔返〕 生ハムを紫蘇に包めば一品だ酒の肴は手造りが佳し
仙台の笹蒲鉾は生のままで食べても旨く揚げても旨い
(アメリカ・郷隼人)
〇 酷暑日の独立祭の夕食の年に一度の西瓜がうまい
私は刑務所暮らしをした事がありませんから詳しい事は分りませんが、我が国の刑務所に於いても、正月の元旦にはお雑煮を食べさせるなどの配慮が為されているとか?
是は、かつて塀の中で暮らしていた経験を持つ、元民主党衆議院議員の山本譲司氏の著書から仕入れた知識である。
〔返〕 酷暑日の独立祭に西瓜食うひやっとしてて気持よかった
(神奈川県・九螺ささら)
〇 救急車のサイレンがミの♭(フラット)に聴こえる誰が苦しんでいる
神奈川県にお住いの九螺ささらさんは、「絶対音感」の持ち主でありましょうか?
〔返〕 救急車のサイレンの音が聴こえてる何処かの辻で人身事故が
「ドレミファ」の「ミ」の音ぐらいは聴き分ける極めて普通の耳ではあるが
(富山市・松田わこ)
〇 今日からは夏服風が吹くたびにゆれて楽しいプリーツスカート
富山市にお住いの松田わこさんの得意芸の一つは、ご自身や松田家のご家族の季節季節の服装を題材にして、巧みに一首を仕立て上げることである。
〔返〕 今日からは夏服風が吹いてたらプリーツスカート揺らし魅せたる
これでは、松田わこさんもマリリン・モンローさながらではありませんか?
(豊明市・杉山菜々美)
〇 カーテンがふわりふくらみまたもどる一瞬だけの草木のかおり
窓外の庭園より一瞬の間の風ありてやがて已むか?
〔返〕 カーテンがふわりふくらみ薫り来るこの夏だけのカサブランカの香