臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

「角川『短歌』平成20年2月号」を読む

2017年04月14日 | 古雑誌を読む
 神作光一作「京都界隈ー『源氏物語』千年紀(ミレニアム)」を読む

○ 六条の御息所が幻に顕つかと思ふ雪の嵯峨野は
○ 黒木なる鳥居くぐるや簡素なる小柴垣にも雪降りかかる
○ 生き霊となりて取りつき本妻の葵の上を苦しめし女人
○ 「北山のなにがし寺」に擬す古注あるゆゑ立ち寄る大雲寺へと
○ それぞれが旅での無事を祈れるや街道沿ひの寺の鞋は
○ 姫君と共に明石の御方が移り住みしは此処ら辺りか
○ 嵐山は「絵合せ」以下の三巻に関はり深き地と知り歩む
○ 山裾にひそと建ちゐる石仏に霰たばしる容赦もあらず
○ 竹の幹に次々積もる雪を分け奥野の宮への細道たどる
○ 公園にあまた建ちゐる歌碑のなか紫式部の一基を探す
○ 紫の色にて石に彫られをり紫清ふたりの百人一首は
○ 「由良の門」の歌碑を見しのち二尊院前の茶屋にてひと休みする
○ 廬山寺の「源氏の庭」の白砂に桔梗咲く頃再び訪はむ
○ 境内を抜けて只管登りゆく小塩山への一筋道を



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