珈琲もう一杯

3月6日、2010年Jリーグ開幕

全社準決勝NECトーキン-松本山雅

2008-10-22 02:24:31 | サッカー
いよいよ佳境に入った全社。これから感想を記しますNECトーキン-山雅は、21日準決勝の
第2試合でした。第1試合において、地域決勝行きをすでに決めている長野が勝利したため、
このトーキン-山雅の一戦の勝者がその瞬間に地域決勝への切符を獲得することになりました。
両チームとも第1試合の結果を受け、勝利への欲求がより高まったでしょうが、とりわけ山雅の
意識づけは格段に増したでしょう。長野の勝利に感謝するとは、立場上言えないとは思いますけど(笑)。
なお準決勝の会場は新潟市陸上競技場(以下市陸)。

一つ下のエントリーでも記しましたが、僕は山雅を応援されている方と親しくさせてもらっており、
その影響から、僕も山雅を応援する意識はあります。ただこの試合のトーキンは素晴らしかった。
結果を先に記せばトーキン2-1山雅でトーキンが地域決勝への切符獲得となりましたが、
この結果は全くもって正当なものだと思います。それぐらい、トーキンの選手全員の頑張りは
素晴らしいものでした。

試合はいきなり動きます。キックオフ2分に山雅が右サイドを突破、これをトーキンDF
2番上田大貴が紙覚悟であろうファウルで止めFK、実際に紙をもらいます。このFKからの流れで
今度は左サイドからFK、それに山雅10番柿本がピンポイントでアタマにあわせゴール。
4分(時間は全て僕の手元の時計、以下も同じ)トーキン0-1山雅。またその後9分にも
DF・22番坂本史生がスルスルとトーキンゴール前まで進出、クロスにボレーシュートを合わせるなど、
立ち上がりは山雅の勢いを感じさせる流れでした。

しかし10分過ぎあたりからは、トーキンのボール支配が高まります。僕はこの試合を
地域リーグに詳しいお二人の方とご一緒させていただいたのですが、当初は山雅がトーキンに
ボールを回させているのでしょうという見解だったのが、いつの間にか山雅マズイぞに
変化していったと申しましょうか。ご指摘があったことですが、ボールを回させるという意識で
いたであろうわりに、どこで相手ボールを奪いに行くのかといった約束事が徹底されておらず、
エリア内にボールを持ち込まれシュートを許す場面が目立ったんですね。また12分には山雅の
キャプテンでチームの要でもあろうDF28番・矢畑智裕が紙をもらうシーンもありました。
これは後に大きな意味を持つことになります。

25分過ぎからはトーキンのボール保持の際に、山雅がエリア前でプレッシャーをかけるという意識が
生まれてきたなと感じさせるところはありましたが、結局トーキンが押し込む場面が多い構図は
前半終了まで続きます。山雅1点リードで前半を終えたものの、山雅にとって楽な内容では
全くないと言うしかない展開でした。

後半も大まかな構図は変わらず、山雅にとって気の抜けない内容が続きます。そして53分、
結果的にはこの試合を大きく左右した交代策を山雅が選びます。絶対的な存在であるはずの柿本を
休ませる。彼に負傷やアクシデント等があったとは特に思えなかったのですが。これについては
僕も試合を見ながら、「そうですかぁ…」と呟いてしまったのですが、市陸にいたほぼ全ての人が、
同様の思いを持ったのではないでしょうか。

柿本はさすがにこのクラスだと入ったボールに対し絶対的なタメを作れますし、彼が持った際には
複数の相手DFがどうしても柿本に意識を向けざるを得ないため、彼がDFを引き付けたうえで
周囲の選手を使うといったプレーも見られていました。つまり、彼自身のシュートはもちろん、
彼がシュートをうたない状況においても、彼の存在はトーキンに脅威を与えていたわけです。
さらに山雅DFがボールの出し所に苦慮した際には、彼が中盤の位置まで引いてボールを受け、
DFの負担を軽減するという動きもとっていた。そこまで柿本の存在が大きかっただけに、
柿本が下がった後のトーキンDFは、明らかに脅威から解放されたという感じでしたから。
連戦による柿本の体力面を考えての交代とは思いますが…。

トーキンが追いついても決して不思議ではないと考えていたところ、65分に同点ゴールが生まれます。
この試合で前半から視野の広さと正確なキックで大きな存在感を見せていたトーキンDF・5番
キャプテンの大橋良隆が左サイドで粘った末に入れたクロスに、昨日も大活躍だった
FW・11番佐藤幸大があわせゴールに流し込む。トーキンがこの試合でゴールをあげるなら、
このかたちしかないだろうなと思っていた大橋-佐藤のホットラインで実際にゴールを奪ってしまう。
したたかなチームだと感じましたよ。

時間経過につれ両チームとも疲労が感じられる展開となりますが、これは当然のこと。
その中でトーキンがゴールを揺らす場面が訪れますが、これはオフサイドの判定。 一方山雅も73分、
右CKからヘッドを放ちますが、トーキンGK・30番佐藤友宜が一旦弾きながらキャッチする。
そしてロスタイムに入った81分、山雅のキーマンであろう矢畑がこの日2枚目の紙を貰い、退場に。
昨日も山雅は退場者を出したのですが、2日続けてこれはどうなのか。レフェリーの判定が
やや厳しかったと見ることもできるでしょうが、それでもねぇ。

決着は前後半80分では決せず、10分ハーフの延長戦へ。94分に山雅のクロスがトーキンDFの
ウラに流れ、山雅がシュートするも、トーキンDF・2番上田がゴールをカバーしクリア、
この場面に象徴されるように、トーキンのチーム全体としての集中力が凄かった。
なかでも驚かされたのが、MF14番・小笠原正樹の運動量。ご一緒させていただいた方は
学生時代の彼をよく見ていたそうですが、学生時代のプレーからはとても想像できないほどの
献身的な動きだそうで。実際、延長後半に中盤の位置から山雅ゴール前まで飛び出し、
GKにプレッシャーをかける場面も見られるなど、本当に素晴らしい頑張りでした。

PK突入かという雰囲気が色濃くなってきた延長後半ロスタイム、最後のドラマが生まれます。
5番大橋のFKに11番佐藤がアタマであわせ、ゴール。トーキン2-1山雅。またしても、
このホットラインからゴールが生まれたわけです。

山雅としては、このかたちは絶対に警戒という意識はあったでしょう。それなのにという
失点ではありますが、これはもうトーキンを褒めるべきでしょう。自分たちの強みの部分を
最大限に活かしきったのだから。

その後ほどなくして試合は終了。トーキン2-1山雅という結果で、トーキンが地域決勝枠を
獲得したのでした。山雅がトーキンに破れるという字面のみを見れば、番狂わせという捉え方も
できるでしょう。しかしながら、この試合内容の末のこの結果は、間違いなくトーキンの
正当な勝利でした。この試合におけるトーキンのサッカーは称えられて然るべきものでした。
山雅に驕りがあったとは必ずしも思いません。そういうことによってこの結果が生まれたのではなく、
あくまでトーキンのこのサッカーが素晴らしかったのです。繰り返しになりますが、
トーキンの勝利は全くもって正当なものでした。

4日間連続の試合、さらに選手は全員が言ってみれば普通のサラリーマン(のはず)で、
疲労の極地にあったでしょう。それでも、これだけの集中力を保ち続け、チーム全体として
勤勉な姿勢を貫いた。この日のトーキンに対して、僕は賞賛を惜しみません。実際、試合終了後に
僕はトーキンベンチそばのスタンド最前列まで駆け寄り、選手や監督に「見事なサッカーだった」と
いう言葉をかけずにはおれなかった。また気づいてみれば、ご一緒させていただいた方も
同じ行動をとっていましてね(笑)。さらにスタジアムに駆けつけていた10名足らずの
トーキンサポーターにも、あなた方の勝利は正当なものだ、なんて声をかけたりしてね(笑)。
ホントに、こう言わずにはおれないだけのサッカーを彼らは見せてくれました。

前述しましたが、キャプテン5番の大橋は、本当にいいプレーを見せていました。前登録チームが
ベガルタ仙台とのことですが、このレベルの選手が4部リーグでプレーしているとは、
日本サッカー界の底上げを感じますね。

改めて、NECトーキンに拍手を。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 全社準々決勝JAPANサッカーカ... | トップ | 全社3位決定戦ホンダロック-... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

サッカー」カテゴリの最新記事