ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

夏目漱石(1867~1916)慶応3年1月5日生まれ (1867年2月9日)

2017-01-05 18:52:37 | 知恵の情報
     
この日生まれた。明治大正期の文豪。当時の自然主義運動の外にあり、
余裕派と呼ばれた。『坊ちゃん』『明暗』『こころ』『文学論』他多数。


日本の現代の開花を支配している波は西洋の潮流で、その波を渡る日本人は
西洋人ではないのだから、新しい波が寄せる度に自分がその中で食客(いそうろう)
を気がねをしているような気持ちになる。新しい波はとにかく、今しがた漸(ようやく)
の思いで脱却した旧い波の特質やら真相やらも弁える(わきま)ひまのないうちに、
もう棄てなければならなくなってしまった。・・・・こういう開花の影響を受ける国民
はどこかに空虚の感がなければなりません。またどこかに不満と不安の念を
いだかなければなりません。・・・我々のやっていることは内発的でない、外発的
である。これを一言にして言えば、現代日本の開化は皮相、上滑りの開化である。
(現代日本の開化)

─『一日一言 -人類の知恵ー』桑原武夫編 岩波新書から

■正月の特別番組で、「坊ちゃん」の映画を見た。本と解釈が違って描いて
いたが面白くみられた。ジャニーズの嵐のメンバーの二宮和也氏が坊ちゃんの
役をやった。このなかで、印象に残ったのは、「うそはきらいだ」ということの顛末。
赴任した先の生徒たちがいたずらをした。先生の寝床へいなごを入れたのだが
坊ちゃんは、入れたことをとがめることより、入れたことを問い詰めたとき、それを
認めずだんまりを通していることに腹を立てていた。また、先生を監視して、きのうは
フロで泳いじゃいけないのに泳いだ、とか団子何本食ったとか、朝黒板に先生が
来る前に落書きしておき、その犯人は申しでない。坊ちゃんは、いたずらは、やったことを
認めてこそ、また、いたずらをする面白さがある、というようなことをいっていた。
ものごとを行うことそれに責任が伴うこと、その責任もいたずら程度なら、それほど
の罪にならない。学生のうちに正直であること、責任を持つ行動、人間として
貫かなければならないもの、そういったことを学ぶのだ、と教えてくれているようだ。
赤シャツへの最後の一撃も小気味よかった。
ちなみにここでのマドンナは、見ていて気持ちがよかった。実際の本では、詳しく
書かれていないので、以前に見た映画では、よくわからなかったが、明治の個人の
意識の成長がわかる感じでよかった。 




(エル・ラファルライエル─曾子─豊臣秀吉─夏目漱石)

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