ただ生きるのではなく、よく生きる

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苦しみはなぜ生まれるのか    ジェームズ・アレン

2016-10-12 18:15:20 | 知恵の情報
悲しみや不安、恐れや厄介ごとは、なぜ生まれるのでしょう?
それは、ものごとが自分の思い通りにならないからではないでしょうか。
また、欲望がたくさんありすぎてものごとを正しくみることができず、ものごと
の軽重を正しく見ることができないからではないでしょうか。

悲しみに打ちひしがれているときは、自分が失ったものしか見えなくなってしま
います。悲しみが目の前に立ちふさがっているので、人生の全体像が覆い
隠されてしまうのです。それ自体は小さなことであっても、苦しんでいる本人に
とっては大事なことで、人生のほかのできごとと比べたときの正確な重要度が
わからなくなってしまいます。

三十歳を過ぎると、時々自分の過去を振り返ることがあるでしょう。かつては、
不安に駆られたり、悲しみに打ちひしがれたり、あるいは絶望の淵に立たされ
たりしていたできごとも、いまならそれがどれくらいのことなのかを客観的に見る
ことができ、「取るに足りない小さいことだったな」とわかります。

今日、自殺しようとした人も、自殺を思いとどまって十年後に振り返れば、
「何と小さなことを理由に、つまらないことをしようとしていたのだろう」と驚く
かもしれません。

心が感情に支配されたり、悲しみに暮れていたりすると、判断力が失われて
しまいます。そして、ものごとの軽重をはかったり、塾考することができなくなり
ます。心がかき乱されてしまって、ものごとの相対的な価値やバランスがわから
なくなってしまうのです。ちょうどそれは、目を覚まして活動していても、縛られて
自由に行動できない悪夢の中にいるようなものです。

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「ものごとをゆがめないで見る能力」は、「ものごとのありのままの姿を見る
能力」と言い換えることができます。この「ありのままに見る能力」は、養成
していかなければならないものです。

こうして養った力を働かせて世の中を観察するならば、あらゆる知性が会得
でき、品性も磨かれていきます。しかし、世の中だけではなく、精神世界にも
目を向けるなら、まだまだありのままに見る能力は足りません。、だから、
もっと訓練する必要があります。そして、精神の世界にあるものをありのままに
見るなら、嘆き悲しんだり、悲鳴に暮れたりする必要はないことがわかります。

─『「意志」と「人生」の法則』 Light on Life's Difficulties ジェームズ・アレン
  松永英明訳 KKベストセラーズより

心が未熟だと、自分の身にふりかかったことを大げさに考えてしまいます。
一つの対象と他の対象との関係を正しく見ることができません。そのために、
周囲にあるものごとが美しく調和を保っているということにも気づかないのです。

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