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ミレー 芸術家の気概

2016-04-15 18:05:17 | 知恵の情報
 

おばあさん子、というのがある。
孫を盲目的に可愛がるあばあさんが、幼少時代の
環境に影響して、わがままで無気力な子供にする。

フランスの近代絵画の巨匠もおばあさん子であった。
しかし、そのおばあさんは、偉かった。
熱心なクリスチャンで、ミレーを膝に乗せては、いつも聖書の
物語をして聞かせていた。
深い愛情をもって農民の生活を描いた数々の傑作は、この幼時の
祖母の感化によるもので、画家になったのもそうである。

ミレーの絵が本当に認められ少し生活が楽になったのは、晩年の
1867年パリの万国博覧会で受賞してからである。
それまでは、サロンの美術展には落選する、貧乏につぐ貧乏で
あった。その頃、パリでは、裸体画が流行していたので、ミレーは
売れない風景画を一時やめて生活のために裸体画を描いたことが
あった。そういうミレーを少しでも楽にしてやろうと思って親切な人が、
パトロンを連れて来たことがある。

「裸体画を専門にやるなら買ってあげてもよい。君は好んで貧乏ぐらし
の絵を描くが、共産主義にかぶれて金持ちへの反感を現すものではないか」
とその金持ちは言った。
ミレーは、これに対して物静かに
「芸術の本当の価値は愛の心です。私が田園の農夫ばかり描くのは、
私がそういう純真な勤労を愛するからです。べつに他意はありません。」
ミレーはそう言って、金持ちの申し出の裸体画をきっぱりと断った。
そして、食うや食わずの苦しい生活を続けながら、人間愛の絵を
描いていったのである。

─『一日一言・人生日記・古谷綱武』参照、参考

(エル・パヌルエラ─ジョット─シニョレリ─ミレー)

彼の空間の表し方が私は、好きだ。ダ・ヴィンチの空気遠近法というのが
あるが、それに近いような空気が感じられる。こういう捕まえ方は、
やはり、才能だろう・・・

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