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人間の値打ちは何によって判断すべきか──ラ・ロシュフコー

2016-07-23 18:00:54 | 知恵の情報
或る人間の値打ちは、彼の大きな長所によって判断すべきではなく、彼がその
長所をいかに用いているかに従って判断すべきである。


─『箴言と省察』市原豊太、平岡昇訳「世界教養全集2」平凡社より

人の気持ちを察するというのも長所、短所があるだろう。すぐに相手の気持ちが
わかる人と、どうしてもわからず、違った話になったり、そこへ集中できない人もいる。
察することのできる人は、先生や医者になったり、カウンセラー、なってほしいもので
ある。
父がかかっていた医者で、薬をあまりに多く出すので、それを相談したら、「じゃもう
私は見ないぞ来なくていい」と脅してきた医者がいた。私は、あきれてしまった。
実際に薬は多いし、医原病という問題もある。先の記事で紹介した先生は、薬の飲みす
ぎを心配している。当然、減らすなり、うまく、説得するなりが必要なのにそうではなかった。
これは、この医者が医者になる資質があってもその長所を生かしていないという
ことだ。医者になれたのは、やはり、その方の長所があったからだろう。しかし、人間
性を養うことができていない状態のままだった。

短所、長所は、どちらも、自分の個性であり、短所もうまく、使えば長所になると
言う教えもある。
たとえば、自分が何事にも心配性で、びくびくしているとする。車の運転を考えて
みると、堂々と自分の運転に自信をもつことより、この欠点の心配性をうまく使って
車は、凶器にもなる、だからたえず、人を傷つけないか、気おつけるようにびくびく
する気持ちを人への安全のために向けていく。自分の欠点を責任においてすると
変えていけるのではないか。私の場合、車に乗るときは、緊張している。人を
傷つけないか、事故をおこさないか、いつも念頭にある。車が大好きな人にとっては
なにいっているんだ、と憤慨するかもしれないが。

谷沢永一氏は、吉田松陰を例に出して、彼は、謙遜家でありながら強烈な自尊心の
持ち主であり、それが無類の人へ感化力を発揮できたといい、「長所を生かす方途の
手探りが人生の秘訣であろうか」とおっしゃっている。




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