ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

「春のワルツ」に癒される

2016-04-30 17:40:13 | 日記
 

「冬のソナタ」のチェ・ジウとパク・ソルミさんのことを書いたら、「春のワルツ」がみたくなり、
ビデオを見直してみた。タイトルバックの音楽がなにか、癒される感じがした。同じユン・ソクホ監督の作品だ。
彼の四部作は有名だが、私は、この「春のワルツ」が好きだ。出てくる人物が多くなく、また、自然の
中に役柄が入り込んでいるような感じがする。島で育った貧しい環境の幼馴染が幼い恋心を持ちながら
心臓病の少女の手術のことからある事件が起こり、別れてしまう。何年もたって、偶然に出会って、
その事件の真相がわかる。そして、そこに恋愛が絡んでいく。

ユン・ソクホ氏の才能だと思うが、人物をながめているカメラが映す空気のようなものが情緒として
感じられる。静かなカメラの捕らえ方のせいなのだろうか。
島の屋根の色など、カメラに入る風景に現れるものは、自分の感覚で選んだ色に塗り替えたしている。
部屋の色の配置を観察してみると、確かに、バランスをとって色を選んでいるのがわかる。
地味な感じの場面でもその色の構成のせいか、すっきりした感じがする。
風景に主人公たちの感情をのせるように写して表現するというのを以前に淀川長治氏が本に書いていた。
確か、例として、北野武監督の作品「あの夏、いちばん静かな海。」の波への感情移入のようなことだったと
思う。ユン・ソクホ監督の作品にもそれがあるような気がする。この作品を見直していると気持ちが
安らぐ気がする。「トンイ」を演じたヒロインのハン・ヒョジュさんの自然な穏やかな魅力もあるだろう。
作品の内容は、主人公たちの感情の変化を描いているが、見慣れてくると、それを冷静に見つめながら、
画面全体を気を休めながら見ている・・・

騒がしい町の出来事ではなく、どこか、ローカルな地方の地域で起きている、静かなドラマだ。
私は、その雰囲気が味わいたくて、時々この「春のワルツ」を見直したくなる。