劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

パインズ 美しい地獄

2015-04-02 07:36:55 | 
奇妙な小説を読みました。
ハヤカワ文庫から出ている、クラウチ・ブレイク作「パインズ 美しい地獄」という作品です。
この小説を原作に、「シックス・センス」のシャマラン監督が、「ヴィレッジ」というタイトルでTVシリーズ化しています。
あらすじをご紹介しましょう!

川沿いの芝生で目覚めた男は所持品の大半を失い、自分の名さえ思い出せない。
しかも全身がやけに痛む。事故にでも遭ったのか…。
やがて病院で記憶を回復し、みずからが捜査官だと思い出した男は、町の保安官や住民に助けを求めた。
だが、この美しい町パインズはどこか狂っていた。
住民は男が町から出ようとするのを執拗に阻み続け、外部との連絡にも必ず邪魔が入る…。

「絶対予測不能の衝撃のラスト」という宣伝文句ですが、確かに、このオチは予測出来っこない!
サスペンスでもなければ、SFでもない!
ジャンル分けも難しい作品です。
読んでいるととても面白いのですが、薄っぺらい感じが拭えません。
衝撃のラストもお見事ではあるのですが、アイディアが先走っていて、厚みがないんですね。
要は、最初から最後まで、妙に違和感のある作品なのです。
このしっくりこない感じは何なんでしょう?
感覚的に、新しいということなんでしょうか?
恐らく、文章の組み立て方が、僕の感性と合わないのでしょうね。

皆さんにとっても、多分、これまで体験したことのないような小説だと思います。
(ストーリー展開には、既視感があると思いますが…)
面白いことは間違いないので、是非、騙されたと思って読んでみて下さい。

「パインズ 美しい地獄」は、ハヤカワ文庫から972円で発売されています。