劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

2013年を振り返る②

2013-12-31 08:56:56 | スポーツ
大晦日ですねぇ。
僕は、昨日髪を切り、新しい下着や靴下等を買ってきて、新年を迎える準備をしましたよ。

さてさて、劇団ぷにぷにパイレーツの2013年を振り返る続きです。
今年8月には、2つの公演を実施しました。
まず、8月4日(日)に、「ぷにぷに!夜想曲集」を開催しました。
これは、吉田幸子さんのピアノ生演奏と僕の一人芝居のコラボレーションです。
この公演では、様々な作曲家による夜想曲に乗せて、芝居を上演していきました。
会場も、クラシック音楽専用の"糀ホール”!
キャパが150席を超える大ホールです。
しかも、本格的なグランド・ピアノを使っての公演となりました。
この公演は、本当に評判が良かったですね。
過去20回の公演の中でも、最高の評価を頂戴したのではないでしょうか?
かなり実験的な脚本、演出だったにもかかわらず、皆さんに「大変分かりやすかった」と思われたようです。
上演時間が30分を超す大作「夜間飛行」「恋に恋して」のいずれも、愛をテーマにしたのが良かったのでしょう。
また、例によって、ラストの意外などんでん返しが、大変喜ばれましたね。
真相が明らかになった瞬間、場内から「あ~!」というため息が一斉に聞こえてきたのが、印象に残っています。
ピアノとの組み合わせも良く、演奏も素晴らしかったので、我ながら大変面白く出来た公演だったのではないかと思っています。
来年は、これを上回る公演を作っていかなくてはなりません。
うーん、プレッシャーがきつい…。

さらに、8月18日(日)には、「Endless Summer`64」と題した朗読会を実施!
3人の女性アナウンサーが、僕のオリジナル台本を朗読してくれました。
会場として、武蔵小杉で人気のカフェ”64Cafe+Ranai”をお借りしました。
こちらも、客席は超満員で、凄い熱気に包まれました。
朗読した4作品すべてが愛の物語でしたが、泣いているお客様も多かったですね。
僕のそばにいらしたフランス人の男性は、号泣されていましたよ。
朗読会を開催するなら、そのために台本を用意しないとダメですね。
改めて、そう思いました。

今年は、それ以外にも、朗読のワークショップを開催したり、マイム作品を発表する場があったり、色々な活動を行いましたね。
新しい出会いが沢山あった一年でもありました。
観客の動員数も、ほんの少しだけアップした印象があります。

振り返ってみれば、今年開催した4公演中3回は初めての会場でした。
劇場を変えてみると、様々な新機軸が展開出来るものです。
難しい面もありますけど、常に挑戦する姿勢は忘れたくないですね。
劇団運営の面では、とても楽しい一年となりました。
(赤字に関しては、諦めの境地に達しました…)

こうして、今年、無事演劇公演が続けられたのも、ひとえに応援して下さっている皆様のお陰です。
この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
皆様、誠にありがとうございました!

さあ、明日、新しい年を迎えます。
来年は、劇団に、また新たな魅力を加えていきたいと思っています。
2月には、強烈にグロテスクな社会風刺コントの公演を実施します。
3月には、僕の朗読の公演も開催されます。
夏には、アートな作品を揃えた公演を企画します。
それ以外にも、様々な形の舞台を実現していくつもりです。
2014年の劇団ぷにぷにパイレーツに、どうぞご期待下さい!

それでは、皆様!良いお年を!

2013年を振り返る①

2013-12-30 08:43:04 | 演劇
2013年も、明日で終わり。
皆さんにとって、今年はどんな年でしたか?
僕にとっては、サンフレッチェのJ1リーグ2連覇や、カープの球団史上初のCS進出などがあり、大変良い年だったと感じています。
それはさておき、今日と明日の2日間は、今年の”劇団ぷにぷにパイレーツ”の活動を、少し振り返ってみたいと思います。

2013年、ぷにぷにパイレーツは、4回の公演を行いました。
まず、1月20日(日)に、亀戸ハードコアで、「ぷにぷに!没作品供養祭」を開催しました。
社会風刺コントのオムニバス公演でしたが、これは受けましたね。
爆笑に次ぐ爆笑で、笑いが途切れることがありませんでした。
ブラックユーモアがきつすぎて怒って帰っていったお客様もいらっしゃいましたが、それは我々からすれば、むしろ名誉なことです。
どす黒い内容を、エンタテインメントに昇華できたように思っています。
客席は、マチネ・ソワレともに超満員だったのも嬉しかったですね。
補助席を出さざるをえない盛況ぶりでした。
この公演を最後に亀戸ハードコアがクローズしてしまったのは、本当に惜しまれます。
駅から近く、利用料金も手ごろで、音響・照明も凝ったことが出来ただけに残念です。

3月2日(土)には、五反田文化センター・プラネタリウムで、「星空の下の朗読会」が行われました。
プラネタリウムの満天の星の下、僕は芥川龍之介作「杜子春」を朗読しました。
こちらも、予約の受け付け開始と同時にすぐに満席!
客席は、比較的ご高齢の皆様で埋め尽くされました。
ただ、せっかくのプラネタリウムでの開催だったにもかかわらず、僕が朗読を始めると皆さん体を起して僕の姿を見つめるようになりました。
一所懸命演出した星空より、僕が読んでいる姿の方が面白かったのかもしれませんね。
どちらにせよ、お客様が楽しんで下されば、僕は満足です。
お陰さまで朗読は大好評で、終演後多くのお客様に呼び止められ、お褒めの言葉を頂戴しました。
クライマックス・シーンでは、涙を溢された方が少なくなかったそうです。
何度も言っているように、僕は体を使った表現を追求していきたいと思っているので、朗読という上演形態はあまり好きではありません。
しかし、毎年、これだけ高い評価を頂けるということは、ニーズがあると考えるべきなのでしょう。
来年以降も、いわゆる”演劇”と並列して、”朗読”にも精進していかなくてはならないと考えています。

続きは、また明日!

赤字は必然

2013-12-29 07:54:25 | 演劇
劇場費について、具体的なお話をしたいと思います。
各劇場ごとに条件がまちまちなので、一概には言えないのですが、あくまで参考まで…。

東京のまあまあの劇場で金曜から日曜にかけて使おうとすると、劇場費は最低でも30万円から50万円かかると考えて下さい。
都内の私鉄沿線にある、キャパ100人以下の、知名度の低い劇場のイメージです。
HPには安い料金が表示されているかもしれませんが、実際にはもっと高い値段を請求されることになります。
普通は、劇場レンタル代に、照明や音響機器利用費、暖房・冷房機器使用費、電気・ガス料金、時間外利用費等が乗せられます。
劇場が指定する照明や音響のオペレーターを雇用しなくてはならない場合も少なくありません。
さらに、シーズン料金や、公演回数に応じた追加料金が発生することもあります。
受付で使う長机さえ、お金を取られることもあるのです。
そもそも、ほとんどの劇場が1日貸しをしておらず、最低4日以上連続しないと借りられないものです。
「小さな公演を企画した筈なのに、気が付けば50万円以上かかっていた」というのが現実ではないでしょうか?
(50万円は最も安い例だと考えて下さい。30万円だと相当条件を落とした劇場になり、お薦め出来ません)

例えば、木曜仕込み、金~日で4回公演を行うとしましょう。
土曜日は、マチネ・ソワレの2回公演。
日曜日の夜は劇場を撤収する作業があるので、公演が出来ないことが多いものです。
100人のキャパが4回とも満員になったとして、計400人。
その400人の入場料で50万円の劇場費を賄うとなると、一人当たり1250円になります。
チケット料金のうち、1250円は劇場に払っているわけです。
2500円の入場料金を設定すると、その半分は劇場代なのです。
しかも、それは、400のキャパがすべて埋まった場合の話です。
(あなたの人脈次第ですが)金曜、土曜のソワレ公演は、ビックリするほどお客さんは来ないと思って下さい。
実際には、観客一人当たり、2000円以上の劇場費がかかる覚悟をしておいた方が良いでしょう。

あくまで、この値段は、劇場費のみを計算したものです。
衣装、小道具、大道具は勿論、稽古場代、交通費、通信費、宣伝費、交際費等は一切含んでいません。
受付などのスタッフの費用もバカになりません。
芝居で黒字を出そうとすると、チケット代がとんでもなく高額なものになってしまいます。
こんな現実を知ると、演劇の公演なんて怖くて出来なくなりますよね。
芝居で赤字が出るのは、必然なのです!

さあ、あなたは、それでも演劇公演を実施しますか?
チケット料金を、いくらに設定しますか?
それで、何人動員できると判断していますか?
お客様は、その価格で満足してくれるでしょうか?
雑費をいくらで計算していますか?
あなた自身、赤字はいくらまで耐えられますか?
そういった現実を踏まえた上で公演を作っていかないと、劇団はすぐに空中分解してしまいます。
覚悟をもって、劇団運営に取り組んで下さい。

オーナーのポリシー

2013-12-28 07:29:25 | 演劇
我々のような弱小劇団は、背伸びして、知名度の高い劇場を使ってみたいと思うものです。
しかし、そこには、とんでもないハードルが存在しています。
誰もが知っているような歴史ある名門劇場は、いくらお金を積んでも貸して貰えないものなのです。

そんな劇場の場合、劇場主やオーナーに確たるポリシーがあります。
そのオーナーが認めた劇団以外には、絶対に劇場を貸さないのです。
公演の企画書は当然として、脚本や、過去の公演のVTRの提出を求められたりします。
(過去の公演が存在しない以上、旗揚げ劇団は使えないですね)
酷い劇場だと、脚本の修正を求められたりするとも聞いています。
さらに、制作スタッフの能力まで審査して、レンタルするかどうかを決める場合もあるそうです。
よほどのコネがない限り、借りることは出来ないと思っていた方が良いでしょう。
それ以外にも、信じられないような制約が課せられる劇場があります。
(契約した時間を1分でも過ぎると強制的に電源を切られてしまい、場内が真っ暗になる劇場とか…)

あなたが借りたいと思っているところは、実は、オーナーが趣味でやっている劇場なのかもしれません。
それだけに、利用する劇団側には注意が必要です。
十分、下調べした上で、レンタルの問い合わせをした方が賢明です。
さもないと、とんでもなく不愉快な思いをすることになりますよ…。

2&8

2013-12-27 07:30:13 | 演劇
なかなか空いている劇場が見つからない、あなた!
今日は、効率の良い劇場の探し方をお教えしましょう。
ここは思い切って、探す時期を限定して下さい。
それも、ズバリ、2月と8月だけを検索して下さい。
そうすれば、案外、空き劇場を発見出来ますよ。

行楽と同じように、演劇にもトップシーズンがあります。
春は、4月から5月。
秋は、10月から11月。
まさに、旅行シーズンと一緒ですね。
暑くもなく、寒くもない、過ごしやすい気候。
祝日が多く、連休になることも少なくない時期ですね。
年度の上半期・下半期がスタートしたばかりで、精神的にも前向きになれますよね。
当然、多くの劇団が、この4カ月を軸に公演を企画してきます。
まともな劇場なら、この時期に予約を取るのはかなり難しいと考えて下さい。

逆に、明らかに、劇場から客足が遠のく月があります。
それが、2月、8月です。
2月は一年で最も寒くて、外出を嫌がる人が多いですね。
都心でも大雪が降ったりします。
受験シーズン本番で、その親御さんも気が気ではありません。
また、8月は酷暑で、日中出歩くのは危険とまで言われています。
暗い劇場にいるよりも、海や山などアウトドアで涼をとりたいと思う方も多いことでしょう。
お盆の時期などは都心の人口が減少し、電車がすいていることさえあります。
人気劇団なら、絶対に2月、8月の公演は避けるでしょうね。

だからこそ、我々のように人気のない劇団は、2月、8月を選ぶべきなのです。
うまくいけば、劇場費の値引き交渉が出来るかもしれません。
こんなことを言っては失礼ですが、来ないお客さんは、いつ公演をやっても来てくれません。
逆に、来てくれるお客様は、どんな時期でも、劇場に駆け付けて下さいます。
演劇公演に来て下さる皆さんは、たまたま暇だから来場されるわけではありません。
あなたを見たいから、万難を排して、お越し下さるのです。
安心して、2月、8月に公演を企画して下さい。

そういえば、「ぷにぷに!夜想曲集」や「Endless Summer`64」も、今年8月に開催しましたっけ…。