劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

アートマイム

2013-06-30 07:48:52 | 演劇
昨日、日本アートマイム協会の旗揚げ公演「INICJACJE(イニツィヤーツィエ)」に行ってきました。
凄かったですよ!
僕は、結構舞台を見に行く方ですが、こんなとてつもない公演は滅多にありません。
今年前半のナンバーワンだと断言いたします。

行ってみたら、あの大きなシアターXの客席は、ほぼ満員!
日本アートマイム協会への期待の高さを伺わせます。
開演時間には、あらかた席は埋まっていました。

第一部は、JIDAIさんによる公開マイムレッスンです。
このレッスンは、開場した時点から始まっています。
開演時間までの30分間はスケッチ可ということだったんです。
本当にスケッチをしている人が周りに沢山いて、僕は、驚きました。

第二部は、実際の作品の上演です。
これが、本当に素晴らしかった!
こんなに良いとは!
予想を遥かに上回っていました。
とても言葉に出来ないぐらいです。

前半は、JIDAI ORGANIC MIME COMPANY「j.o.m.c. 丹」によるアンサンブル作品です。
タイトルは、『雨の森で影をすくう』です。
僕は、毎週、この作品の稽古に立ちあい、一緒に稽古してきました。
(僕は、スケジュール等の都合で、今回は参加出来ませんでした)
完成に至るまでの過程をつぶさに見て、体感してきたのです。
それだけに思い入れが強いのかもしれません。
でも、そんな個人的感情を抜きにしても、最高としか言いようがありません。
4人の人間の動きだけで、こんなに物凄い世界が表現出来るんですね。
本当にカッコ良かったです!
約20分程の作品ですが、一瞬たりとも緩むところはなく、緊張感に満ち満ちています。
濃厚な夢を見ているような舞台です。
「j.o.m.c. 丹」の上演を見たら、「その辺の劇団は何をやっているんだ?」と思う筈です。
それぐらい充実した作品を見せてくれました。
改めて、拍手を送ります。
ブラボーーーーー!

そして、この公演のハイライトにあたる、JIDAIさんのソロ・マイムです。
『牛』と『痛み』の2作が上演されました。
これこそ筆舌に尽くしがたい圧倒的な演技でした。
あれだけの肉体コントロールが出来る人間が、この世にいるとは!
(皆さんには意味が分からないかもしれませんが)肉体が凄過ぎて肉体が消える!
動きが素晴らし過ぎて、動きが消える!
生命、情念、エネルギー…、そんな本来目に見えないものが可視化し、舞台上に姿を現したようにしか思えませんでした。
うーん!これが、アートマイムなんですね!
僕は、とんでもないものを練習しているんですね…。
心して臨まなければ…。

第三部は、アートマイムの源流にあたる、ステファン・ニジャウコフスキ先生の映像上映です。
これまた、圧倒的なもので、素晴らしかったですね。
マイムって、映像で見ると、イリュージョンが消えて、みすぼらしく見えるモノです。
でもステファン先生のレベルになると、映像の断片からも、その凄さが十分伝わってきます。
また、アートマイムが目指すことも、言葉ではっきり語られていました。
皆さんに、アートマイムの理解を深めて貰うには、最適な映像だったように思います。

トータルの感想としては、ズバリ、もっと実演が見たいですね!
やはり、舞台で演じられる作品が最高です。
今回の公演では、ソロもアンサンブルも、見足りないぞ!
もっと、アートマイムを見せろ!
そうだ、そうだ!
もっともっと、アートマイム作品を見せろ!
もっともっと、アートマイムの公演を増やせ!
世間には、アートマイムが足りないぞ!
全然足りないぞ!
そりゃあ、演劇もいい!
ダンスもいい!
様々なパフォーマンスもみんないい!
でも、アートマイムはもっといいぞ!
みんな、アートマイムを見るべきだ!
アートマイムをやるべきだ!
アートマイム、万歳!

ちょっと冷静になりましょう。
舞台には辛口の僕が手放しで絶賛するこの公演を、一人でも多くの方にご覧頂きたいと思っています。
今日、もう1回だけ、公演が行われます。
お時間のある方は…、いや、時間なんかなくても絶対に見に行くべきです。
特に、舞台に携わっている人は、見逃す手はありません。
当日券も出る筈です。
改めて、詳細をお知らせしておきますね。

▼日時:6月30日(日)15時開演(上演時間110分) 

▼劇場: シアターX(カイ)

▼出演:JIDAI / j.o.m.c. 丹(寧呂 与儀真理子 芦田達也 松沢玲子)

▼観覧料:当日 3,500円 高校生以下 当日 3,000円(ご来場時に学生証をご提示下さい。)

始動

2013-06-29 07:41:48 | 演劇
いよいよ、今日から、日本アートマイム協会の旗揚げ公演「INICJACJE(イニツィヤーツィエ)」が始まります。
僕のパントマイムの先生であるJIDAIさんと、同門の仲間たちによる公演です。
初期の段階から、僕は、その稽古に立ち会っているので、はっきり断言出来ます。
これは、絶対に見るべきです!

自分も練習している身なので、逆に、アートマイムを上手く説明出来ません。
とにかく、見て頂かない限り、いくら言葉で説明しても伝わらないことが分かっているからです。
是非是非、多くの方にご覧いただきたいと思っています。
勿論、僕も、今日は劇場に足を運びますよ。
歴史的瞬間を見逃すわけにはいきませんからね。

公演の詳細を掲載しておきます。
お時間のある方は、直接、劇場にお越し下さい。
当日券も出るようなので!


●日本アートマイム協会 旗揚げ企画
【INICJACJE(イニツィヤーツィエ)】(ポーランド語で「始動」の意。)

日本アートマイム協会は、現代人が忘れかけている人間的身体を取り戻すため、共鳴し合う身体としての表現であるアートマイムを、心と身体の繋がりに目を向けるあらゆる方にお届けします。
本公演では、JIDAIによるレッスンの模様と作品をご覧いただくとともに、ステファン・ニジャウコフスキを映像で紹介していきます。

▼日時:6月29日(土)14時~/18時~ 
     30日(日)15時~ 開演 

▼劇場: シアターX(カイ)

▼出演:JIDAI / j.o.m.c. 丹(寧呂 与儀真理子 芦田達也 松沢玲子)

▼観覧料:当日 3,500円 高校生以下 当日 3,000円(ご来場時に学生証をご提示下さい。)
     未就学児不可/団体様はご相談下さい。

▼プログラム 
・JIDAI公開マイムレッスン
 (最初からご覧いただく場合は、開演30分前にご来場下さい。)

・JIDAI ソロ『牛』『痛み』
 JIDAI ORGANIC MIME COMPANY〜j.o.m.c. 丹〜『雨の森で影をすくう』

・ステファン・ニジャウコフスキの映像 『Actor of Silence』などの紹介(日本初公開)

▼指導・作品:JIDAI(ジダイ)
日本アートマイム協会会長/「JIDAI ORGANIC MIME」主宰
長年の独学パントマイムの後、アートマイムと出会い「マイムこそ人生」と活動を本格化。
ステファン・ニジャウコフスキの右腕であったテリー・プレスからアートマイムを受け継ぎ、ORGANIC MIMEの名で独自に発展させている。
叙情的でありシュールでもある舞台作品の発表を続けながら、後進の指導に当たっている。
日本舞踊16年、ブレイクダンス9年、武術、各種ボディワークの研究を活かした理論に裏打ちされた指導が好評。
2010,12年ステファン・ニジャウコフスキ主催の「ポーランド国際マイム芸術祭」にゲスト講師として招聘される。
国内外の大道芸フェスティバルでも活動。
北京オリンピック、ボローニャ歌劇場に出演。

▼主催・企画・制作:日本アートマイム協会  

▼提携 :シアターX 

▼後援 :ポーランド大使館

*公演NOTE

言葉にしたとたんに、こぼれ落ちるものがある。
言葉が生まれる前、すべてがあった。

ダンスでも無言劇でもないアートマイム。

... 歓びも悲しみも  永遠も一瞬も  夢も現も

自分の中の闇を見るかもしれません。
あるいは、自分の中の聖なるものを見るかもしれません。

心の色、身体の音・・・
目に見えないものを聞き、耳に聞こえないものを見る。

それが、ポーランド人間国宝ステファン・ニジャウコフスキによって創り上げられたアートマイム。



【日本アートマイム協会】

『マイムから心と身体の平和を』
「日本アートマイム協会」は、芸術創造集団NPO法人シアターコレクティブ(劇場シアターX)内に、2012年8月に創立されました。

本協会は「オーガニックマイム」主宰のJIDAIを中心とする、これまでの日本のパントマイム界の流れとは異なる、ポーランドを発祥とするアートとしてのパントマイムによる団体です。

芸術としての真のパントマイム(アートマイム)はその技術を身につけ、表現していく中で、肉体と精神を何ものでもないものにしていき、翻って全てになっていきます。その過程で行なわれる自身の心と身体との対峙が、生きる力、生きる技術になると信じます。 このマイムを一部の表現者だけでなく、あらゆる人の元に届け、多くの人が自らの心と身体に平和を感じられるようになることを願うものです。

日本アートマイム協会はこのようなアートマイムの普及発展のみならず、様々な分野の身体表現芸術の普及啓発活動を通じて、アーティストの成長を促し、また一般の方の身体表現芸術に対する理解を深めてまいります。

糀ホールについて④

2013-06-28 07:17:27 | 演劇
8月4日の「ぷにぷに!夜想曲集」でお借りする”糀ホール”を見学して、驚いたことがあります。
お客様が使用されるトイレが、男女別々なんです!
これは、劇団ぷにぷにパイレーツの本公演史上、初めてのことです。
しかも、劇場にロビーがあるんですよ!
なんという贅沢!
それにどんな意味があるかは分かりませんが、お客様にゆったりお過ごし頂けるという意味では悪いことではない筈です。
劇団の規模からすると背伸びし過ぎではあります。
でも、こんな一流の会場で公演を行うのも、たまには良いではありませんか?
是非、皆様!遊びにいらして下さいね!

糀ホールについて③

2013-06-27 07:04:59 | 演劇
8月4日(日)の「ぷにぷに!夜想曲集」でお借りする”糀ホール”は、使い勝手が良さそうなんです。
利用者は、ほとんど何の準備もしなくていいんですよ。
座席は、すでにセットされています。
受付周りも整備されています。
ピアノのセッティングも、やって頂けます。
建物の入り口に、看板まで設置して下さるそうです。
照明も、凝ったことは出来ませんが、素人でも簡単に扱えます。
終演後、片付けをする必要もありません。
とにかく、我々は、上演と演奏の内容に集中すれば良いのです。
これは有難い!
いつも、僕は、開演前にクタクタに疲れていますが、今回はそんなこともなさそうです。
その分、演劇の中味を向上させないといけませんね。

糀ホールについて②

2013-06-26 07:08:15 | 演劇
8月4日(日)の「ぷにぷに!夜想曲集」でお借りする”糀ホール”は、本来、音楽専用ホールです。
ピアノ、弦、管などの発表会・演奏会に多く利用されているそうです。
ですから、本当に音響が良いんです。
東京近郊の劇場で、これだけ音の良い所はないと思います。
「ぷにぷに!夜想曲集」は生ピアノとのコラボレーションです。
こんな音の素晴らしい劇場を発見出来て、ラッキーでした。

先日、下見に行きましたが、驚きましたね。
小さな声でも、暖かく響くんです。
それも、ただ無機質に反響するのではなく、優しく音に包みこまれる感じです。
僕のように、繊細なお芝居を追求しようとする方には持ってこいだと思います。
特に、アコースティック楽器なら、最高でしょうね。
ただし、PAを使ったり、電子楽器だったりすると、残念な感じになる筈です。
舞台面も左程大きくないので、セットや大道具のある普通の演劇には向かないでしょうね。
実際、お芝居で糀ホールを利用するケースは稀だそうです。

「ぷにぷに!夜想曲集」では、かつてない程繊細な演技をやるつもりです。
”糀ホール”にピッタリな内容になると思います。
是非、その音を聞きに来て下さいね!