劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

レアチーズ

2015-06-30 07:24:50 | 演劇
きょうで6月も終わり。
ことしも半分が通り過ぎていってしまいました。
劇団ぷにぷにパイレーツは、この半年の間に3回の公演を行いました。
まずまずの成果を挙げたようにも思いますが、でも、もっと出来たはず!
2015年の後半は、さらに充実した時間にしたいと思います。

さて、先日、コンビニの前に、こんな看板が置いてありました。
「人気のレアチーズ 入荷しました!」
それを見た僕は、こんなことを考えてしまいました。
「へー、シェイクスピアって、コンビニのポップになるぐらい人気なのか…」って。
演劇バカ、極まれり!
それは、レアティーズだろ!
ギャフン!

カフカ

2015-06-29 07:29:05 | 演劇
「ぷにぷにパイレーツの作品は、カフカの世界観に良く似ていますね」
大勢の方から、こんなご指摘を受けます。

脚本を書いている僕自身からすると、意外な気がします。
僕の作品は、カフカの作品のように不条理なものではありません。
結末にどんでん返しを用意してありますから、ストーリーは明確に前に進んでいきます。
表面的には、全然似ていませんね。

しかし、改めてカフカの作品を読み直してみると、確かに共通点がありますね。
まず、カフカの主人公は、しばしば「K」という名前しか持っていません。
経歴も背景も性格も、はっきり説明されていません。
そこに、存在の不確実性が現れているようですが、僕の作品もそうなんですよね。
名前のある主人公はまず登場してきません。
バックボーンも、ほぼ明らかにされません。
舞台に登場するや、懊悩、苦悶するばかりの人物です。
最終的に、その状況から脱出できないばかりか、さらに絶望へと陥っていきます。
なるほど、根本はカフカの作品と共通していますね。

逆に、僕の作品は、オチがはっきりしているところが、安っぽく見えるのかもしれません。
どんでん返しのために緻密に伏線を張りまくっているのが、あざとく感じられます。
いっそ、カフカのように受けを取りに行かない方が、スケール感が出て余韻が残るのかもしれません。
ただ、ご来場頂くお客様のことを考えると、歩留まりの良いオチを付けておいた方が安心出来るんですよね。
実際、意表を突いたラストは、本当に評判が良いんですよ。

目先の高評を狙うか?
より深い芸術性を目指すか?
悩むところです…。

仏作って

2015-06-28 07:22:04 | 演劇
早起きして良かった!
日本時間のけさ、サッカー女子W杯カナダ大会・準々決勝で、連覇を狙う「なでしこジャパン」と豪州代表が対戦しました。
後半42分、セットプレーからの混戦の末、途中出場のFW岩渕真奈が右足シュートを決め、日本が1−0で勝ちました。
日本は、2大会連続の準決勝進出です。
面白かったですねぇ。
あっという間の90分でした。
「なでしこジャパン」は、試合を重ねるごとに、どんどん連動性が高まってきているように思います。
前評判はあまり高くはありませんでしたが、今回も、十分優勝が狙えると思います。
日本の準決勝の相手が開催国・カナダになるのか?
はたまた、前回W杯で敗れたイングランドになるのか?
こちらの準々決勝にも注目しましょう!

さて、昨日、「ぷにぷに in 人形の家」の稽古を行いました。
参加者は、緒方君1名。
一人芝居の「絵の中の少女」を、2時間かけて稽古していきました。

僕は、凄く緻密に稽古を進めるため、なかなか前に進まない傾向があります。
それだと、出演者に、極度のプレッシャーを与えることになってしまいます。
そこで、きのうは、普段より大雑把に捉えて、とにかく最後まで動きを付ける稽古にしてみました。
演技の質にはこだわらずに、どういう芝居をするのかをただ覚えてもらう形です。
まずは、仏の形を彫っておいて、後で魂を入れようという計画です。
紆余曲折はありましたが、なんとか、ラストシーンまでたどり着くことができました。

自分で言うのもなんですが、「絵の中の少女」は面白い作品ですね。
最後まで動きを付けてみて、改めて、そう思いました。
ストーリーが良く出来ている!
展開が大胆でダイナミック!
動きを見せるシーンが、バランス良く配置されている!
セリフがいちいちカッコいい!
そして、何より、どんでん返しが効いていて、見事なオチになっている!
脚本と演出は、我ながら見事だと思います。
あえて欠点を挙げれば、演技がとても難しいことだけです。
それは、緒方君に頑張って貰うしかありません。
作品を生かすも殺すも、彼女次第!
精一杯、努力して頂きましょう!

ハッピーエンド

2015-06-27 07:25:16 | 演劇
「ぷにぷにパイレーツの芝居はハッピーエンドじゃないから、見たくない」
そうおっしゃる方が、少なからずいらっしゃいます。
人には好き嫌いがあるものですから、そのお好みをとやかく言うつもりはありません。
しかし、ハッピーエンドの作品しか見ないというのは、あまりにも勿体ないように思います。

演劇史をひも解いてみますと、傑作中の傑作は、ほとんどハッピーエンドではありません。
「オイディプス王」にせよ、「ハムレット」にせよ、「桜の園」にせよ、みんな不幸なラストです。
「ベニスの商人」はハッピーエンドということになっていますが、後味の悪い結末ですよね。
シェイクスピアには「夏の夜の夢」など喜劇の名作が沢山ありますが、皆さん、ストーリーをちゃんと思い出せますか?
喜劇王のモリエールの作品は、今年、日本で何回上演されているでしょうか?
要は、ラストでハッピーエンドを迎えてしまうと問題が解決してしまうので、観客の印象に残りにくいのです。
劇世界が実世界に開いていかないのです。
一瞬の爽快感は得られるけれど、それで終わってしまうように思うんですね。
悲劇は、見た直後は気分がどんよりするかもしれません。
しかし、その余韻は、かなり長く続きます。
ハッピーエンドでは味わえない、深い感動が得られるはずです。

もちろん、ハッピーエンドにはハッピーエンドならではの素晴らしさがあります。
ハッピーエンドが、僕の特性と合わないというだけです。
でも、動員のことを考えれば、ハッピーエンドの作品を書かなくてはいけません。
出来れば、ハッピーエンドなのに、心の奥底に沈潜するような作品を追求していきたいと思っています。
かなり、ハードルが高い…。

怒りのデス・ロード

2015-06-26 07:14:42 | スポーツ
出た出た出た!ついに出ました!
今年の映画ベスト1の最有力候補が!
少なくとも、今年前半のナンバーワンです!
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」という作品です。

1979年に制作された『マッドマックス』は、低予算ながらも、改造車をふんだんに使い、カーアクション映画の金字塔となりました。
また、メル・ギブソンを一躍スターダムに押し上げた作品としても知られています。
「怒りのデス・ロード」は、「マッドマックス」シリーズの、30年ぶりの最新作となります。
本作ももちろん、シリーズすべての監督と脚本を務めたジョージ・ミラーがメガホンをとっています。
また、主演を務めるのは、『ダークナイト ライジング』などで活躍するトム・ハーディ!
女戦士役を、シャーリーズ・セロンが演じています。

先に言っておきます。
かなり、好き嫌いの分かれる作品だと思います。
はっきり言って、ストーリーはないに等しい!
ただ、主人公のグループと悪の軍団がひたすら戦い続けるだけです。
それがいい!
それがいいんです!
とにかく、絵の面白さだけを追求しています。
純粋に映像の美学を楽しむべき作品となっています。
それを、ストーリーが邪魔していないのが素晴らしいですね。
上映時間のほとんどが、カーアクション!
それ以外は何もありません。
セリフも、極端に少ないんです。
主人公のマックスは、何回、言葉を発したんでしょう?
映画のセリフは、少なければ少ないほど良い!
「セリフで言わなくても、絵を見りゃわかるだろ」っていう映画の方が、断然カッコいい!
映画は、絵で勝負しなきゃダメなんです!

その絵が、本当に素晴らしいんですよ。
これは、もう、見て頂くしかない!
色、造形、カメラワーク、どれを取ってみても、秀逸の美しさです。
そして何より、スタントの美学が最高です!
役者さんたちの動きが、なんて綺麗なんでしょう!
まるで、ダンス作品を映画館で見ているような気になりました。

実は、音楽も面白いんですよ。
映画のBGMって、どこからともなく流れてくるものでしょ?
しかし、この作品には、BGMを演奏する人が、ちゃんと登場してきます。
悪の軍団の中に音楽担当者がいて、カーチェイスをする車の上で演奏を繰り広げているんですよ。
この絵を見るだけでも、お金を払う価値があります!

もしご覧になるのなら、少し料金が高くなりますが、3D版をお薦めします。
3Dで映えるように、最大限の工夫をしてありますので…。