劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

そろそろ選曲を!

2012-05-31 07:08:27 | 演劇
「ぷにぷに!愛の劇場」の脚本が、大体、固まりました。
勿論、まだまだ直しは入ると思いますが、構成そのものを大きく変更することはなさそうです。
そろそろ、劇中にしようする曲を決めなくてはなりません。
候補曲はいくつかあるのですが、それがサックスで演奏出来るものなのか、僕では判断がつきません。
また、芝居と芝居の間に演奏して貰う曲も、プランを練らなくてはいけません。
近々、サックス奏者の田口雄太さんと打ち合わせを行わなくては!
演劇において、選曲は本当に大切な作業なんです。
しっかり吟味していきたいと思います。

フランクを始末するには

2012-05-30 07:07:29 | 
今日は、お薦めの本をご紹介させて頂きます。
アントニー・マン著、玉木亨訳の、『フランクを始末するには』という短編集です。
まずは、内容から!

フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。
殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され……。
二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞の表題作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など、多彩な12作で構成されています。

日本のミステリ雑誌にいくつか作品が紹介されたことはあるようですが、アントニー・マンの作品がまとまって本になるのは、本邦初のことだそうです。
実際、これまで、日本でブレークしなかったのも頷けるところがあります。
なんとも、奇妙な味わいを持った作品ばかりだからです。
推理小説でもなければ、スリラーでもない。
手に汗握る緊張感もなければ、強烈などんでん返しもない。
あえて言うなら、ユーモア小説の範疇に入るのかもしれませんが、その割りには不気味なんですよね。
こういった、ジャンル分け出来ない小説って、日本では人気が出にくいようなんですよね。

ただ、マンの作品には、他の作家では絶対に出せない、独特の旨みがあるんですよ。
訳の分からない設定ではあるのですが、まるでそれが当たり前であるかのようにストーリーを進めていくと、実に不可思議な結末を迎えることになります。
読後のモヤモヤした感覚は、初めて体験するものかもしれません。
きっと、「何じゃ、こりゃ!」とお怒りになる方も多いことでしょう。
(万人にお薦め出来る本ではありません)
でも、珍しい小説、ユニークなスタイルを求めている新しモノ好きな方なら、きっとご堪能頂けることと思います。

『フランクを始末するには』採録作品の中で、僕が最も気に入ったのは、「買いもの」という小品です。
”お買いものリスト”だけで、進行していきます。
メモを書いている人がだんだん変な物を買うようになっていき、それで、この人物に起きていることや精神状態が全て分かるというものです。この手法を思い付いたマンは、本当にカッコいい!
僕も、こんな作品をやってみたかったです。
でも、同じことをやると二番煎じになってしまいますから、実に悔しいですね。
何かしら作品を作っている人なら、きっと地団太踏むような作品が沢山詰まっている筈です。

『フランクを始末するには』は、今年のミステリランキングの上位に食い込むことは間違いありません。
「自分の趣味は、ちょっと変わっている…」という自覚のある方は、是非、ご一読下さい。
ただし、あなたのお好みに合わなくても、当方は一切関知いたしませんので、そのおつもりで…。

『フランクを始末するには』は、創元推理文庫から発売されています。
価格は、880円(+消費税)です。




殺人狂時代

2012-05-29 07:09:29 | 演劇
「人を殺しすぎじゃないですか?」
「人が死なない作品を書けないんですか?」
昨年末に開催した”ぷにぷに!放送禁止コント祭り”をご覧になったお客様に、こんなことを言われました。

申し訳ありません。
無理です!
(劇中で)人を殺さない訳にはいきません。
なぜなら、僕は、人が死ぬ作品が大好きだからです。
舞台上の僕は、まさに、殺人狂です。

作品を構想する段階で、僕はいつも、こんなことばかり考えています。
「どうやって人を殺すストーリーを作ろう?」
「殺人シーンを、どんな演出で見せよう?」
「死体をどう処理したら、面白いだろう?」

(架空の話ではありますが)殺人プランを練るのは本当に楽しい作業です。
演劇作品を作る為に人殺しを考えるというよりは、殺人シーンを演じたいが為に芝居を上演していると言っても過言ではありません。
やっぱり、舞台では、現実と非現実が混然一体となっている不思議な世界をお見せしたいですからね!

僕の(作品中の)殺人なんて、大したことはありません。
シェイクスピアの悲劇をご覧になってみて下さい。
例えば、“ハムレット”!
どれだけ沢山の登場人物が死ぬか!
生き残る人の方が少ないくらいです。
ギリシャ悲劇にせよ、ラシーヌの作品にせよ、偉大な戯曲では大勢の人が、死んで死んで死にまくります。
だから、過去の演劇界の巨人たちに近付く為には、もっともっと(作品中で)人を殺さなければ!
僕の殺人のペースは、まだまだ甘いのです。

勿論、この夏に開催する本公演、新人公演ともに、人が死ぬ作品を中心にお送りしていきます。
殺人ファンの皆さん、ご期待下さいね!

三歩進んで二歩下がる!

2012-05-28 07:04:56 | 演劇
さあ、そろそろ、「ぷにぷに!愛の劇場」3本目の作品のセリフを覚え始めなくてはなりません。
前の2本が完璧に入っている訳ではありませんが、そんなことを言っている場合ではありません。
同時並行で、ガンガン、暗記していかなくては!

「水晶玉」は、原稿用紙にして約15枚の超短編です。
ショートショートのような味わいのある作品です。
短い分、単語一つ一つにまで、こだわっていかなくてはなりません。
当然、暗記が進むにつれ、台本を手直ししていくことになると思います。
覚えては直し、覚えては直し…。
三歩進んで二歩下がる!

文さんが!

2012-05-27 08:44:08 | 演劇
昨夜は、新人公演の稽古でした。
志獅丸君は、落語会のため欠席。
参加者は、3人でした。

トップバッターは、文さんです。
稽古を重ねる度に、着実にステップアップしているので、とても頼もしいですね。
特に、昨日は、その成長ぶりに驚いてしまいました。
人間って、僅か1週間で、こんなに変われるものなんですね。
演技は勿論ですが、文さん自身が、キラキラ輝いて光を放つようになっていました。
稽古を見ていた男性全員が、口を揃えて、「文さんが綺麗になった!」と言っていました。
内面が充実してくると、見た目も美しくなるんですね。
文さんのレベルが上がってきたので、僕の要求もますます厳しくなります。
本番では、新人公演の域を超えた演技を見せてくれること、間違いありませんね。

続いて、三浦君!
相手役の志獅丸君がお休みだったので、ワッキーに代役を務めてもらいました。
逆に、徹底的に、三浦君の演技を磨いていくことが出来ました。
僕は、俳優に、体をフル稼働することを要求します。
三浦君はボクサーだから、体力には自信がある筈なんですが、相当辛そうでしたね。
すぐに、汗だくになっていました。
ただ、気を抜くと、安定した姿勢になりがちです。
ちょっとでも楽をすると、一瞬にして芝居がつまらなくなってしまいます。
(周りで見ているみんなには、それが良く分かったようです)
自分から、出来るだけ辛い姿勢を取れるようになると良いですね。
体の奥の筋肉を使えるよう、日々、練習して頂きましょう。

最後は、ワッキー!
徐々に、落ち着きが出てきました。
雰囲気に慣れてきたのでしょうか?
また、普段、きちんと練習しているのも良く分かりました。
確実に良くなってきています。
ただ、まだ頭だけで演技をやろうとしているので、体をもう少し使えるようになるといいですね。
稽古場で、苦しんで貰うしかありませんね。

3人とも、まったくの演劇初心者なのに、ここまで出来るのは素晴らしいことです。
でも、まだまだ出来る!
今後は、もっと厳しく指導していきますよ!