劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

2012年5大ニュース!

2012-12-31 08:44:25 | 演劇
大晦日です。
今日は、劇団ぷにぷにパイレーツの2012年を振り返っていきたいと思います。
様々な出来事があり、挙げていけばキリがないので、劇団の重大ニュース・ベスト5を選んでいきましょう。

まず、第5位!
3月17日(土)、僕は「春風の中で楽しむ世界の童話」に出演いたしました。
これは、品川区立図書館が主催する朗読会です。
僕は、吉田幸子さんのピアノ生演奏に乗せて、菊池寛作『アリババと四十人のどろぼう』を朗読しました。
『アラビアン・ナイト』を意識したエスニックな衣装を着て、大胆に動きながら読んでいきました。
この物語は、とても血なまぐさい凄惨な話です。
僕は、それをなるべくリアルに、臨場感いっぱいにパフォーマンスしていったつもりです。
そのせいか、聞きに来た子どもたちは恐怖に震えあがり、場内は異様な緊張感に包まれました。
乳児たちでさえ身動き一つせず、意味は分からない筈なのに、一所懸命聞き入っていました。
お陰様で、大変好評で、アンケートでもお母様方に絶賛して頂きました。
朗読でも、きちんと対策を練って演出を施せば、面白くなるのです。
12月23日(日)の「みんなのコンサートvol.5」でも、僕は朗読を行いましたが、お客様に大変喜んで頂きました。
僕自身は朗読をそれほど好きではないのですが、リクエストがあれば挑戦させて頂くつもりです。
なお、2013年も、3月2日(土)に、僕は品川区立図書館主催の朗読会に参加させて頂くことになっています。
よろしければ、聞きにいらして下さいね。

第4位!
新しいメンバーが、劇団に参加してくれました。
脇坂浩司君、文さん、三浦崇史君、城所暁子さん、伊東かおりさん。
こういった戦力が加わることで、劇団に新たなパワーや魅力が加わっていきます。
演劇の作法を一から説明していくのは大変ではありますが、楽しみでもあります。
新人さんたちの力を引き出せるよう、ますます、僕は頑張っていかなくては!

第3位!
9月8日、「オーガニックマイムな夕べ3」に出演いたしました。
僕は、ソロ作品『血塗られた石板』と、アンサンブル作品を上演いたしました。
これまた好評でしたね。
ストーリーがどうこうという作品ではないのですが、その迫力に満足して頂けたようです。
『血塗られた石板』は禍々しい不気味な作品なので、ご覧になった方の中には本当に気持ち悪くなった人もいたそうです。
内臓に手を突っ込まれて、かき回されているように感じたんですって!
最高の褒め言葉ではありませんか。
僕が変身した瞬間のあの異様な空気は、いまだに忘れられません。
これが舞台の醍醐味です!
マイムは難しいですけど、やりがいがありますね。
来年も地道に練習します!

第2位!
7月7日、「ぷにぷに!七夕祭り」を開催しました。
出演は、立川志獅丸君、脇坂浩司君、文さん、三浦崇史君が出演しました。
僕は一切出演せず、裏方に回りました。
すべて、過去に上演し好評だった作品の再演でしたが、改めて見ると面白かったですね。
演劇初心者中心の公演でしたが、まったく問題なく公演が開催出来ました。
ギャグもしっかり受けましたし、雰囲気も悪くなかったように思います。
もう少しお客さんが多ければ、言うことはなかったのですが…。

第1位!
7月16日(海の日)、「ぷにぷに!愛の劇場」を開催しました。
サックス奏者の田口雄太さんと二人きりで、約90分の公演を構成しました。
お陰様で、客席は、マチネ・ソワレともに超満員!
重苦しいアートなテイストの舞台でしたが、物凄い緊張感の中、一瞬たりともダレることなく進行できたように感じました。
『でぶっちょ人形』は、人形の不気味さに、お客さんが「うわー…」っという空気を出していましたね。
『水晶玉』では、落ちのセリフで、爆笑が巻き起こりました。
50分に及ぶ大作『貝殻』では、涙をこぼされた方も少なくなかったようです。
意外にも、女子高生を中心にした若いお客様が泣いていらっしゃいましたね。
丁寧に舞台を作り上げれば、難解かつ文学的な作品でも、十分お楽しみ頂けるんですね。
僕自身は、この路線を、より一層深めていきたいと考えています。
(勿論、軽いコントの公演も続けていきますけどね)

こうして振り返ってみると、今年も、様々な活動を行ってきたんですね。
弱小劇団ではありますが、密度においては、メジャー劇団に負けない充実ぶりだったように思います。
これも、すべて、劇団ぷにぷにパイレーツを応援して下さっている皆さんのお陰です。
実際に観劇して下さった方、劇場には来られなかったけどブログ等で活動を見守って下さった方、その他色々な方がいらっしゃいますが、僕の思いは一つです。
今年も一年間、本当にお世話になりました。
2013年も、よろしくお願いいたします。
では、良いお年を!

『罪悪』

2012-12-30 07:13:15 | 
2012年も、残すところあと2日。
今日は、僕が選んだ、今年発行された書籍のナンバー1をご紹介します!
文句なし!ダントツの良さで、今年のベスト1は、フェルディナント・フォン・シーラッハの『罪悪』です。

罪人になるのは簡単なのに、世界は何も変わらない。
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。
秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。
何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。
弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す…。

昨年「このミステリーがすごい!」第2位など、年末ベストを総なめにした『犯罪』に比肩する傑作です。
作者は、1964年ドイツ、ミュンヘン生まれで、ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫に当たります。
1994年から、ベルリンで、刑事事件弁護士として活躍しています。
処女作であるVerbrechen(2009)がドイツで大ベストセラーとなり、クライスト賞など多数の文学賞を受賞しました。
2010年には、第二作Schuldを刊行しました。

『罪悪』に収められた15篇はどれも、”罪悪”のそばに居合わせてしまった人々を、ヴィヴィッドに描きだしています。
その姿は醜く、無力で、どうしようもなく愚かです。
でも、同時に、とても美しく感じるのです。
荒れ果てた廃墟の中に美を見出すのと同じ感覚です。

たとえば冒頭の『ふるさと祭り』では、祭りで、若い女性が酒に酔った楽団員たちに輪姦されます。
(その描写の生々しさったら…)
黙秘する八人の楽団員のうち、一人が通報しますが、結果的に何も立証されず、被疑者たちは元の良き夫・良き父親に戻っていきます。
ここでの”罪悪”の焦点は、楽団員ではなく、彼らを弁護した若き弁護士に置かれています。
初仕事を成功裡に終わらせた彼は、もはや自分が罪なき身でなくなったことを悟るのです。
 
『家族』の依頼人・ヴァラーも、“罪悪”を肌で感じる一人です。
父と幼いヴァラーを捨てて再婚した母は、アルコール依存症で早死にします。
母の生んだ異父弟も、酒を飲んでは、犯罪を重ねています。
会ったことのない異父弟の弁護を依頼してきたヴァラーは、あるとき、父にも盗みや強姦の犯罪歴があったことを明かします。
ヴァラー自身は、きわめて優秀な成功した人間です。
「私たちで終わりにしたほうがいい」と言う彼の憂鬱、顔のよく似た亡き父への言いしれぬ思い…。
ごく短い小品ですが、圧倒的な感動と余韻をもたらしてくれます。

日本ではミステリーとして扱われてはいますが、僕の感覚からすると、カフカやカミュの作品をイメージした方が近いかもしれません。
普遍的なスケールを持った作品集です。
是非、『犯罪』とともに、この年末年始にご一読頂きたいと思います。
出版社は、東京創元社。
価格は(税別で)1800円です。

12月29日(土)のつぶやき

2012-12-30 01:48:39 | スポーツ

ああ、また政局に動きが出てしまいました。 「ぷにぷに!没作品供養祭」の脚本を書き直さなくては! 一体、いつになったら完成稿が仕上がるやら…。


ブログを更新しました。 『また政局に…』 amba.to/12UNZwc