劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

星めぐりの歌

2013-02-28 07:10:30 | 演劇
3月2日の「星空の下の朗読会」では、最後に、宮澤賢治の詩「星めぐりの歌」を朗読します。
黒澤明子さんと一緒に読んでいきます。
この詩は、3つのパートに分かれていますので、それぞれの特長を生かしながら読んでいく予定です。
しかし、残念ながら、二人揃って練習する機会がありません。
当日、本番前に合わせるしかないのです。
ごく短い詩ではあるのですが、やはり、二人の呼吸を合わせるのは難しいことです。
公演のエンディングなので、ビシッと決めたいですよね。
カッコ良く読めるように、気合いを入れて、頑張ります!

●星めぐりの歌

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。

朗読会の衣装

2013-02-27 07:10:09 | 演劇
僕は、3月2日に「星空の下の朗読会」に出演します。
会場は、五反田文化センター・プラネタリウムになります。
当然、上演中、星空を上映すため、会場は暗黒に包まれます。
しかも、座席は、ベッドのように平らになって、寝転がって真上を見上げる形になります。
つまり、開演中は、朗読をしている人の姿は、まったく見えないのです。
とは言え、登場する時や、退場する時は、僕の姿はお客様に見えてしまいます。
そこで、僕が悩んでいるのが、衣装です。
朗読する作品「杜子春」の雰囲気に合わせても、上演中は見えないのですから、あまり意味がありません。
しかし、本当の普段着では、わざわざ朗読を聞きに来た有難味が感じられませんよね。
スーツだと堅苦しいでしょうし、アーティスト然とした服装はそもそも持っていません。
うーん、どうすれば良いのでしょうね?
演劇の公演でも、いつも衣装に頭を悩ませていますが、朗読となると尚更難しい!
結局、冴えない格好になってしまいそうで、心配です…。

「杜子春」は難しい!

2013-02-26 07:38:00 | 美術
3月2日(土)の「星空の下の朗読会」に向けて、「杜子春」の稽古を重ねています。
文量が多いので、それだけでも大変です。
しかし、それ以上に、内容的に、朗読が難しい作品ですね。

まず、芥川龍之介の文章が難しい!
一文が、やたらに長いのです。
なかには、200字を超えるような長文があります。
ここまで長いと、文字を目で追う分には付いていけますが、耳で聞くと意味が分からなくなりがちです。
主語がどれで、修飾語がどういう掛かり結びをしているか、きちんと伝えられるように読まなくてはいけません。
ましてや、使われている単語が古い言葉なので、スラスラ読んでしまうと絶対に意味が分からなくなります。
しつこいぐらいリフレインするのも、大きな特長です。
その辺りをきちんと理解して、とにかく分かりやすく読んでいく必要があります。
かなり緻密にプランニングして、朗読に当たらなくてはいけません。

また、登場人物の演じ分けも、ポイントになっています。
セリフのあるキャラクターは左程多くはないのですが、後半に、似たような性格の人物が立て続けに登場してきます。
要は冥界の魔物なのですが、聞き手が混乱をきたさないよう工夫しなくてはなりません。
ちょっと”くさい”ぐらい特長を付けて、演じ分けていくつもりです。

そして、なにより、クライマックス・シーンの母親(馬)のセリフが、信じられないほど難しい!
たった一言なのですが、それだけに、絶望しそうになるほど難しく感じます。
このセリフが決まらなくては、「杜子春」を読む資格はありません。
すべては、このセリフに掛かっています。

技術的なプランは既に立ててありますが、あとは、本番時のテンションです。
これは、当日のお客様の空気に合わせるしかありません。
しかも、プラネタリウムでの上演ですから、読み手の僕にはお客様の顔が見えないのです。
うーむ、これは厳しい条件です。
集中力を最大限発揮して、作品の世界を体現していきたいと思っています。

朗読というメディアは、視覚を封じられている以上、そもそも難しいものです。
ましてや、芥川龍之介作品という高いハードルが掛けられています。
なんとかそれを乗り越えて、「面白い!」と思って貰える朗読に出来るよう、最後まで考えていきますね。