劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

ショボく見える…

2012-04-11 08:20:59 | 演劇
セリフの暗記を始めると、急に、その作品がショボく見えてきます。
まあ、実際にショボいのかもしれませんが、少なくとも執筆した時のスケール感は感じなくなります。
なんともちっぽけで、つまらないモノに思われるんですね。
「こんなの上演して、みんな退屈しないかな…」なんて、不安になったりもします。
それは、今回に限った話ではなく、これまで上演した数十本の作品すべてにおいて起こった現象なんですね。
自作だから、その脚本が良いモノなのかどうか、上演してみないと分からないという部分があるのかもしれません。
(「リア王」や「桜の園」のように歴史的な評価が定まった作品なら、そんな感覚は覚えないんでしょうか?)
そんな訳で、僕は、セリフを暗記しながら、脚本を修正しまくってしまうんです。
毎日、改訂版を印刷しなくてはならないぐらい、赤が入るんですよ。

脚本を暗記する時は、作品全体ではなく、一つの文章、一つの単語に意識を集中させます。
そのキャラクターの小さな心理変化を丁寧に拾っていく感じです。
当然、世界観は小さくなりますよね。
”木を見て森を見ず”という状態なのですから…。
ですから、最近は、「ショボく見えるのは、作品作りにおいて、もっとも重要な過程だ!」と思うようにしています。
自分では「ショボい!」と思っていても、舞台に掛けると好評を博することの方が、圧倒的に多いのですから…。