心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

心理学・臨床心理学「わたしのこの五書」をまとめるのPART1

2008-05-08 20:44:11 | 特集・シリーズ
どうもこんにちは! psy-pubです!

えー先月末から進行しておりましたアンケトin progressすなわち

【緊急アンケート】心理学・臨床心理学「わたしのこの五書」【投稿ウェルカム】

でございますが,おかげさまにて! 37もの方から投稿があり! 200冊ほどの本が挙げられ! 左団扇でガッハッハ状態なのでございます! 皆様,ありがとうございました!

で,こういう「たいへん美味しいおかず」を手に入れてしまうと,それで飯を何杯も食いたくなるのが,メタボ心というもの! 

ということで,協力してくださった皆様に感謝の意を捧げつつ,しばらくこれのマトメ的エントリを展開していきたいと,こう思っておるわけです。それで,まずてはじめに,協力してくださった皆様をあらためてご紹介(HPあるかたはそれも紹介)したいと思うわけでございます。五十音順(?)で,レッツラゴン!

浅木さん,犬飼ぽちこさん,witty flickaさん,OTBさん,カカさん,鏡スコットさん,がちゃさん,グっちょんさん,さんgestaltgeseltzさん,sigmaさん,しまりすさん,すえぞうさん,Takashiさん,つなでさん,Decoさん,teto2005さん,でんきちさん,匿名の3名様,nanaさん,nocteさん,Hansさん,ピュアリーさん,Prof. O-NAさん,米藤村さん,ぽっきさん,まつしマンさん,mavin-segundoさん,もなりささん,mooさん,mochiさん,Y..さん,さん,ゆいのさん,ロテ職人さん,ハァハァ,皆様ほんとうにありがとうございました! このご恩は一笑忘れます! もとい一生忘れません! いつかどこかで何らかの形できっと恩返しいたします!

……

というところで,マトメに入っていきたいと思うわけですが,のべ195冊をリンクつきでまとめるとなると,そら一覧したほうが爽快には違いないのですが,字数がね,gooブログのバカヤローというべきか,悲しいかな字数制限にひっかかってしまうわけで,こちとら脱腸もとい断腸の思いで,質問別にまとめていきたいと思います。

それとは別に,このアンケートについては,回答者別・質問別・著訳者別に分類したファイル(エクセルおよびPDF)を作成中で,たぶん一連のエントリが終わる頃には,回答者の皆様にメール添付でお送りできると思います。回答してないけど見たい! という方は,ちょっと面倒くさいですけど,psy-pub@goo.jpまでご相談ください。

なお一応ここでまとめますが,アンケト自体はin progress,この先このブログが続く限り,投稿はいつでもOK,そこんとこヨロシクなのでございます。

それでは! とその前に,簡単に総評をさせて頂いてよござんすか。ってことで,質問項目を改めて再掲いたします。


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■「心理学・臨床心理学「わたしのこの五書」」■
名前(URL(あれば)):
Q0.あなたの現在の専門領域ないし現在最も関心のある事柄を教えてください (差しさわりのない範囲で構いません):
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■Q1.あなたの現在の専門領域ないし現在最も関心のある事柄に関する至高の一冊(あるいはこの領域において普遍的に価値があると思う自分にとっての絶対的名著を一冊)を挙げてください(マニアック可。和書でも洋書でも可)。
■Q2.あなたにとっての,心理学・臨床心理学の専門書以外で,人生で至高の一冊を挙げてください(異分野の専門書,マンガ,小説,エッセイ,映画,TV,アニメなんでも可)。
■Q3.あなたが,いまの専門分野に入ったきっかけになった・転機となった(大げさにいえば運命を変えた)一冊,あるいは,これから入ってくる人たちにお薦めしたい一冊を挙げてください。
■Q4.心理学ないし臨床心理学に関連する諸分野(精神医学,身体医学,脳科学・神経科学,生物学,社会学,哲学,宗教学などなんでもOK)において,この分野に必須の知識を提供する,あるいは広く読まれるべきと思う,あるいは純粋に面白いと思う,一冊を挙げてください。
■Q5.心理学ないし臨床心理学の研究を学ぶ上で役に立つ,論文の執筆,研究法,統計学,研究計画,倫理,語学などについての,これはと思う一冊を挙げてください。
-------
最後に一言(あれば):

===============


まあということでね,いったいこれは何を意図してたのか,というのはまあ察しの良い方ならお分かりと思いますが,テーマはズバリ「誰でもみんな最初は初心者だった!」ということでしてね,誰でもみんな初心者だったけどみんなそれを忘れてるわけで,いや別に,「初心わするるべからず」なんて説教したいわけでなく(そんな不遜なこと致せませぬ!),まあ単純に初心だったことを思い出してもらえればそれは現行の初心の方に非常に参考になるところがあるのではないか,とそう思ったわけでして,まあそういうことであります。などというイッチョマエの意図がありつつも,結局,psy-pub的には,オモロイ本オセーテ! という欲望丸だしでもありましてね,そういう意味では非常に面白く楽しませていただいたな,と思います。

全体的には,もっとヘンテコリンな奇書愚書珍書悪書が集まるかと思っていたのですが,いやはや,思ったよりもずっと端正なリストになりまして,結構このまま,臨床心理の基本書リスト名乗ってもおかしくないどころか,宝島社あたりに売りつけたい気すらしてくる(自分でやれという話もある)すごいリストに仕上がっておりまして,これもひとえに投稿された皆様の実力というか底力というか,そういうものの結集的なサムシング,きっと読まれる方々に伝わるに違いない! と思うのです。いやほんと果報者ですよ,ワタクシ。

それでは,今回はQ1のマトメをオトドケいたします! ご覧あれ~!(著者別50音順です)。


■Q1.あなたの現在の専門領域ないし現在最も関心のある事柄に関する至高の一冊(あるいはこの領域において普遍的に価値があると思う自分にとっての絶対的名著を一冊)を挙げてください(マニアック可。和書でも洋書でも可)。

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アタッチメントと臨床領域:遠藤利彦・数井みゆき
発達障害の早期支援―研究と実践を紡ぐ新しい地域連携:大神英裕
新・心理診断法―ロールシャッハ・テストの解説と研究:片口安史
治療のこころ1-12:神田橋條治
追補 精神科診断面接のコツ:神田橋條治
児童の精神分析―メラニー・クライン著作集第2巻:クラインM
意識の探求―神経科学からのアプローチ:コッホC
心理療法入門―初心者のためのガイド:ザロJS
A Process Model:Gendlin ET
脳の心理学 臨床神経心理学入門:島田睦雄

まなざしの誕生:下條信輔
ロールシャッハ・テストの体験的基礎:シャハテルE
Modern Psychoanalysis of the Schizophrenic Patient:Spotnitz H
感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ:ダマシオA
学校と社会:デューイJ
経験と教育:デューイJ
分裂病―中井久夫著作集《精神医学の経験》1:中井久夫
障害児の心の臨床:中沢たえ子
解決のための面接技法:バーグIK
いやな気分よさようなら:バーンズDD

Clinical Neuropsychology, 3rd ed.:Heilman KM他
ビオンの臨床セミナー:ビオンWR
セラピスト入門─システムズアプローチへの招待:東豊
Interpreting Disability: A Qualitative Reader:Ferguson PM他
知の考古学:フーコーM
フロイト著作集 第9巻 技法・症例篇:フロイトS
精神分析入門:フロイトS
認知療法―精神療法の新しい発展:ベックA
治療に生きる病の経験:マクダニエルS他
分析空間での出会い―逆転移から転移へ―:松木邦裕

Human Change Processes: The Scientific Foundations of Psychotherapy:Mahoney MJ
フィールドワークの技法と実際―マイクロ・エスノグフラフィー入門-:箕浦康子
心理療法―その基礎なるもの:ミラーS他
神経心理学入門:山鳥重
Pet-Oriented Child Psychotherapy:Levinson BM他
分裂病と家族の感情表出:レフJ,ヴォーンC
カウンセリングと心理療法:ロジャーズCR
変化の原理―問題の形成と解決:ワツラウィックP他

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ま,このQ1は,「現在最も関心のある事柄」に関する一冊ということで,あがってくる本の統一性はあまりございませんが,主に臨床心理学を中心とした心理学の射程をだいたい表現してるのではないか,と思うわけですね。無論,このブログは通常,臨床系の本を中心にしているため,臨床のほうに偏ってはいますが,それでもだいたいこのくらいの幅は出てくるのだな,という印象であります。

少し特徴的だなと思うのは,神経心理とか脳科学・認知神経科学系の本がいくつか挙がっているというところで,ここら辺は今後,臨床含めいかなる心理学の分野であれ,この観点をはずすことは出来ないと思われますし,そういう現況を現わしているのではないかと思いましたね。それでなくとも,コッホダマシオあたりは教養として抑えておきたいところですね。

一方で,やはりさすがに臨床心理系の専門書というべきか,古典的名著から,定番のベストセラーから,ややマニアックなニューウェイヴまで,幅広く出揃っており,神田橋條治先生は当然としても,ミラーらの『心理療法―その基礎なるもの』が二票(全体では三票)入っており,むべなるかな,むべなるかな,とひとりごちたい気分でございます。

ここで,意表を突かれつつも,個人的にナルホド! と思わされた一冊つうか二冊をあげたいと思うのですが,それは,


学校と社会 (岩波文庫)学校と社会 (岩波文庫)
デューイ John Dewey 宮原 誠一

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経験と教育 (講談社学術文庫)経験と教育 (講談社学術文庫)
ジョン デューイ John Dewey 市村 尚久

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デューイ!(浅木さんありがとうございました)。恥ずかしながら久しぶりに思い出したわけですが,なんでこれかというと,臨床心理士,特に若い臨床心理士は,スクールカウンセラーやってる人も多いと思うのですが,個人的な印象では,臨床心理学のことは一生懸命勉強されていても,教育学のこと,あんまりご存知でないような気がするのですが(気がするだけかもしれませんが),それってどうよ? と思うわけで,学校で働くなら,学校のこと知るべきだし,教育のこと知るべきだろうと思うのですね。ゆえにレッツ・デューイ,ナウ・プラグマティック! マジメな話,ルソーとかペスタロッチとかよりは,心理よりだし(当たり前!),なじみやすいと思います。

今度,当ブログでも,教育本特集でもやろうかしら? なんて思ったり。

というところで,紙幅(?)も尽き,こんな調子で次回以降も,Q2~Q5とやって,最後に著者・ジャンル別にグワッとやって,そんな感じでしばらくやってく所存でございます!


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2 コメント

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Unknown (gestaltgeseltz)
2008-05-08 21:31:17
おつかれさまです。
ふんどしの多さに、どれで相撲を取って良いかさぞかし迷われている事でしょう

頑張ってください。
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Unknown (psy-pub)
2008-05-09 10:17:48
gestaltgeseltzさま

どうもです! 

>>ふんどしの多さに、どれで相撲を取って良いかさぞかし迷われている事でしょう

いや,ほんと仰るとおりでしてw 人のふんどしは重いですよ。

本当はテキストもかなりの宝庫なので,個別に扱いたいんですけどね,とりあえず,無難に,全体のマトメから,ということで。

下手するとこれだけで半年くらいひっぱっちゃいそで……。
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