心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

NIGOのゴカン~神・心理学の基本五書を妄案するの巻

2008-04-21 12:27:38 | 心理書一般向け
反省しております! 心を入れ替えました!

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最終回にヤラレタ。DVD買います!

……マチガエタ!(意図的に!)


というわけで,前回,真・心理学基本五書を妄案したわけですけど,なんだかアレなラインナップだなと思い直し,まあ基礎といえなくもないけど,21世紀は心の時代,にアレはアレでしょう,ねえサイパブさん? と懇ろに昵懇に一献かたむけながらやんわり諭された僕ちん,まあそれだったらこちらもこちらでアレしますわ,ということで,今日がある!

まあそれで前回から少しつなげる形でいきたいわけですけど,個人的な好き嫌いでいえば,ヘーゲルさんが一番好きなわけですけど,今日の哲学,というか,自然科学も含めたその応用範囲を考えた場合,一番影響がデカイMetaPhysicsのひとつ,といえば,まあフッサールさんに始まる現象学ということにならざるを得ないかと思うわけですよ。

じゃあ現象学ってなんじゃらほい? となりますが,これ,うろ覚えだけど,フッサール(たぶん)がサルトル(たぶん)に「目の前にあるひと瓶のワインからでも哲学できる」とかなんとかいったばっかりに,ソムリエ業界がポエム合戦になったと聞いておりますが(嘘です),それが現象学というヤツ。

まあ現象学は別にワインポエムを晒すためにあるんじゃないですが,でも自然科学のみならず,心理学にしろ,これが19世紀的自然科学の基本的態度でありまして,すなわち,観察ベースと換言できるわけですな。19世紀的というとなんかアレですけど,気にすんな,われわれの日常生活,サイパブ調査によると,95%が19世紀的なんであります。すなわち,19世紀的はいまだ有効ってこと。

まあ20世紀的には,これが統計の導入によって,山で木が倒れて海彦・山彦がどーしただとか,猫とどら焼きのキメラがどーしただとか,ベッカムの髭剃りがキレテナ~イがどーしただとか,よくワカラン話になるわけですけど,それは今日は割愛。暇な人はこれ読んでちょうだいhttp://blog.goo.ne.jp/psy-pub/e/16fab2c6d07786b97200c3554cc00c90

まあそれにしたって,観察できるものはそら観察ベースでいったほうがよく,言い方換えれば実証主義ってことでして,エヴィデンスなんとかじゃなくても,存在してるものを扱おうってのはまあ地に足の着いた態度といえましょうか。世界五分前説とかも今日はなし。

じゃあ観察ってなんですか,というところで,まあガイドスピリットからのスピリチュアルメッセージを受信できる方は別として,通常は,まあ五感でして,視覚聴覚嗅覚味覚触覚,メカが進歩したとはいえ,メカは五感を増強したものではあっても,五感を超えるものではありえようはずもなく,まあだから,観察とは五感である,といっても差し支えなく……って別にそこは誰もつっこまないか。

まあじゃあ観察とは五感であるとすると,その被観察を人間とすると,人間とは五感で表現しうる,というか,五感でしか表現し得ないし表現したってわからない,五感の限界が認識の限界,すなわち現象学的には,人間とは五感である で問題ないですね? わかります。

たとえば聴覚メインの遠距離恋愛よりも五感をフル活用できる近距離恋愛のほうが強いわけでして,then and thereがどうしたこうしたより,here and now,今を生きろ! ってことで,逆にいえば,その強みとやらは,五感に支えられたものであるということで,存在にしろ観察にしろ,そういう強みがあるわけですよ。Viva五感!

というわけで相変わらずのexcuse的ゴリ押しの意味づけをした上で,嗚呼,心理学が人間の科学というのなら! 心の時代に求められるのは人間科学というのなら! 心理学の基本五書は,文字通り,五感についての五書で決まりだ! と思うわけです。

というわけで,前回の反省をなんら生かしておらず,というかはなから生かす気がないなこの人,という飽きれ気分でRock'N Roll,よろしくてよ,神・心理学基本五書を以下に晒したいと思います。



●視覚
見えるものと見えないもの見えるものと見えないもの
M. メルロ・ポンティ 滝浦 静雄 木田 元

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●聴覚
「聴く」ことの力―臨床哲学試論「聴く」ことの力―臨床哲学試論
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●嗅覚
「におい」の心理学「におい」の心理学
足立 博

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●味覚
味と雰囲気味と雰囲気
フーベルトゥス テレンバッハ Hubertus Tellenbach 宮本 忠雄

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●触覚
ふれることの哲学-人称的世界とその根底ふれることの哲学-人称的世界とその根底
坂部 恵

岩波書店 1983-11
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メルロポンティはハッキリいって認知神経科学系の仮説の宝庫だと思う。だけどあんまり読まれてない気がするから,こっそり読んどけば生意気なライヴァルを出し抜けることウケアイ。

聴覚はやっぱり洗練されてる気がするけど,聴覚と触覚(身体感覚)って方向で行けばまだまだ宝庫,だと思う。

個人的なイチオシは,テレンバッハかな。クオリアうんぬん言う前にこれ読んどけって感じがしますよ,マジで。

あと,匂いもいい。匂いは今後くると思う。研究テーマにオススメ。マジで。

…………

まあある種前回にも増してアレな雰囲気もありますけどね,あとこのラインナップだと,自然科学的五書を挙げることも可能なんですが,自然科学的な五書だと最新成果ではあるけれど,その背景がいまいち見えにくいってこともあり,今回はこれらで。

まあ科学って結局は認識論というか,「何をみるか」あるいは「みようとするか」っていうのが問われてるわけで,方法は変われど,それはかわらない。というか変わりようがない。第六感が目覚めない限りは,ね。ゆえに,それだけは,誰も教えてくれないわけです。要は飯の種だから,ですけど,だから自分で考えないといけないわけですけど,考え方も教えてもらえない。自分で具体-抽象-具体の手続き踏めってことで,ゆえに現象学よ。

あと,背景? というところで,心理学が「人間科学」なら哲学いらんじゃないか,という直線的な人もいると思いますが,誠に残念ながら,そういう直線性で世界は成り立っておりませんのでして,たとえば,

■オッカムの剃刀
http://ccweb1.kek.jp/people/morita/phys-faq/ockham.html

このHP,科学史の一側面を鮮やかに切り取り具合が見事なのですが,これを読めば分かるとおり,科学史とは哲学論争あるいは宗教論争でもある,ということを考えるとき,出て来るものを即物的に見るだけでは,(嫌な言い方だけど)欧米の研究者に追いつくことすらできません。

彼らは巨大な知を背景にして即物してるわけで,そういう背景なしの即物とは同じ即物でも訳が違うのであります。ワインの知識を備えた真のソムリエとただのワインポエマーが全然違うように。もし,言葉は力です,というとすればそこだろうね。

ということで,次回は,その巨大な知とやら,を相手に,「元祖・心理学基本五書」を提示し,その次に,ようやく「臨床心理学基本五書」を提示したいわけですけど,いつになるかは分からない,とまあそんな感じでノンビリ参ります。


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