ま,ね,たまにはいいでしょう,アニメの心理学なんつうのも。テレヴィジョンに出て,テケトー極まりない犯罪者のシンリブンセキを嬉々として披露するよりもずっと健全ですよね。
まあでも,こういうの,学問的にだとか理論的にどうだこうだというのも詮ない話だと思いますので,今日は,ズヴァリ! 「私が面白いと思ったかどうか」の印象批評を語ることにしましょうか。別にpsy-pub,自分の好き嫌いが最大多数を獲得するなんて不遜な考え毛頭ありませんから,百聞は一見に如かずと申しますから,一聞は〇.〇一見に如かない,そんな一聞に過ぎません。興味あったら皆さんも御自分で読んでみてくださいネ。
というわけで,まずはこれからイッテミヨ。
ウン,これね。著者の横田先生,統合失調症の認知障害が御専門で,大学院時代は映像理解の認知心理学的研究に取り組まれていたそうであります。というわけで,丹念は丹念なんですが……「で?」っていうのがイナメナイんです。まあ,「で?」って言い出したら,すべてにおいて何も始まらないんですが,エンターテイメントは,「で?」っていうのを如何に意識の隅っこに追いやるか,が眼目なわけですな。
その意味では,前半は,やや生真面目的,正面からぶち当たりすぎてる感もあり。後半が,ややポップになるのですが,実はむしろ作者が熱心にやってるのは前半部なわけでして,そこらへんの,1冊に仕上げる時のコンセプトの噛み合わなさがやや残念な気がしました。
アニメと精神分析,と言えばもうこの人は外せないわけですが,やはり,ダントツで巧い。何が巧いって,やっぱね,「読者が書いてあって欲しいなと思うことが,やや小難しい言葉で書いてある」感が抜群なんですよね。その感が抜群であるがために,読者に「これまで思ってもいなかったことをさも前から薄々は気づいていたと錯覚させる」作用が強烈に働くわけでして,すると,読了後「この知識をぜひとも知り合いどもにひけらかしてみたい」欲求を引き起こすわけで,かくして,斎藤環式のアニメ分析が流布することになるのでありますた。
上記,斎藤環先生はラカン派アニメ解釈をするわけですが,物語解釈なら,伝統あるユング派も負けてないぞと,アニメ論と思春期論のミックス技で挑みます。ま,そういう意味では,アニメを深く追求するというよりは,思春期論のひとつの媒介としてアニメがあるという感じなんですが,実は,ユング派分析だって,思春期論の媒介なわけでして,別にアニメと絡ませる必要がないんじゃないか,「思春期のこころ」でいいんじゃないか,そんなみもふたもないこと思っちゃいました。ごめんなさい。
でも,ちょっと懐かしい言葉になるけど「セカイ系」つうのとユング派理論つうのは相性がいいのかな,などと思ったりもしましたね。
大部分が完全なる学術書・専門書なのですが,後半の6章が「千と千尋の神隠し」,7章が「海辺のカフカ」の精神分析的考察になってます。対象関係論派では比較的こういう文芸批評が少ないような気がしますが,あまり力は入っておらず,あくまでオマケ的な感じですかね。個人的には「千尋の心的発達は特定の発達段階の固着点に留まることなく,健康なものと判断される」っていう記述の,折り目正しさがなんかおかしかったです(ごめんなさい)。
アニメじゃない! そうです,これはマンガです。ちょっとズレますけど,サブタイトルに「マンガによるマンガのためのマンガ理論」ってあるんですが,そうすると,その体裁は……当然,マンガです! つまり,メタマンガなんです。これねえ,今まであげた中で一番面白いね。さすがだよ。マンガを知ることができて,かつ面白く読めるマンガ。やっぱ餅は餅屋だよ。
もう次は,メタアニメ,に期待。
ところで!
今回いろいろ調べてたら,こんなん出てるのを知って大興奮。思わず2回クリックしそうになりながら,粟喰って稗喰って注文したのさ!
もうタマラン!
まあでも,こういうの,学問的にだとか理論的にどうだこうだというのも詮ない話だと思いますので,今日は,ズヴァリ! 「私が面白いと思ったかどうか」の印象批評を語ることにしましょうか。別にpsy-pub,自分の好き嫌いが最大多数を獲得するなんて不遜な考え毛頭ありませんから,百聞は一見に如かずと申しますから,一聞は〇.〇一見に如かない,そんな一聞に過ぎません。興味あったら皆さんも御自分で読んでみてくださいネ。
というわけで,まずはこれからイッテミヨ。
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ウン,これね。著者の横田先生,統合失調症の認知障害が御専門で,大学院時代は映像理解の認知心理学的研究に取り組まれていたそうであります。というわけで,丹念は丹念なんですが……「で?」っていうのがイナメナイんです。まあ,「で?」って言い出したら,すべてにおいて何も始まらないんですが,エンターテイメントは,「で?」っていうのを如何に意識の隅っこに追いやるか,が眼目なわけですな。
その意味では,前半は,やや生真面目的,正面からぶち当たりすぎてる感もあり。後半が,ややポップになるのですが,実はむしろ作者が熱心にやってるのは前半部なわけでして,そこらへんの,1冊に仕上げる時のコンセプトの噛み合わなさがやや残念な気がしました。
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アニメと精神分析,と言えばもうこの人は外せないわけですが,やはり,ダントツで巧い。何が巧いって,やっぱね,「読者が書いてあって欲しいなと思うことが,やや小難しい言葉で書いてある」感が抜群なんですよね。その感が抜群であるがために,読者に「これまで思ってもいなかったことをさも前から薄々は気づいていたと錯覚させる」作用が強烈に働くわけでして,すると,読了後「この知識をぜひとも知り合いどもにひけらかしてみたい」欲求を引き起こすわけで,かくして,斎藤環式のアニメ分析が流布することになるのでありますた。
アニメと思春期のこころ西村 則昭 創元社 2004-08売り上げランキング : 253070Amazonで詳しく見る by G-Tools |
上記,斎藤環先生はラカン派アニメ解釈をするわけですが,物語解釈なら,伝統あるユング派も負けてないぞと,アニメ論と思春期論のミックス技で挑みます。ま,そういう意味では,アニメを深く追求するというよりは,思春期論のひとつの媒介としてアニメがあるという感じなんですが,実は,ユング派分析だって,思春期論の媒介なわけでして,別にアニメと絡ませる必要がないんじゃないか,「思春期のこころ」でいいんじゃないか,そんなみもふたもないこと思っちゃいました。ごめんなさい。
でも,ちょっと懐かしい言葉になるけど「セカイ系」つうのとユング派理論つうのは相性がいいのかな,などと思ったりもしましたね。
こどもの精神分析―クライン派・対象関係論からのアプローチ木部 則雄 岩崎学術出版社 2006-10売り上げランキング : 27403Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大部分が完全なる学術書・専門書なのですが,後半の6章が「千と千尋の神隠し」,7章が「海辺のカフカ」の精神分析的考察になってます。対象関係論派では比較的こういう文芸批評が少ないような気がしますが,あまり力は入っておらず,あくまでオマケ的な感じですかね。個人的には「千尋の心的発達は特定の発達段階の固着点に留まることなく,健康なものと判断される」っていう記述の,折り目正しさがなんかおかしかったです(ごめんなさい)。
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アニメじゃない! そうです,これはマンガです。ちょっとズレますけど,サブタイトルに「マンガによるマンガのためのマンガ理論」ってあるんですが,そうすると,その体裁は……当然,マンガです! つまり,メタマンガなんです。これねえ,今まであげた中で一番面白いね。さすがだよ。マンガを知ることができて,かつ面白く読めるマンガ。やっぱ餅は餅屋だよ。
もう次は,メタアニメ,に期待。
ところで!
今回いろいろ調べてたら,こんなん出てるのを知って大興奮。思わず2回クリックしそうになりながら,粟喰って稗喰って注文したのさ!
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もうタマラン!
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