今日は自己心理学やりましょうか。自己心理学といえば,ハインツ・ホワイトソースならぬハインツ・コフートですが(ツマンネ),まずはその人となりから。
1802~1894年
民族解放と急進民主主義の運動を推進したハンガリーの政治家。国民党の機関紙「ペスト日報」を発行し,大きな影響を与えるなどし,1848年に,憲法改革と責任内閣の実施を要求し,その後成立したハンガリー初代内閣において,大蔵大臣に就任し,実権を握った。
その後,彼の大マジャール主義は,オーストリアの後押しをうけたクロアチア総督イェラチチのハンガリー攻撃を招くなど,周辺諸民族の反発をうけた。1848年10月6日,オーストリアもハンガリーに宣戦したため,臨時革命政府を設立して抵抗したが,ロシア軍の介入によって降伏した。以降,トルコに亡命し,各地で独立運動を続けたが,1894年,トリノで没する。
……はい,ごめんなさい。これ,コッシュートでしたね。
研究も盛んですよね~。
関心ある事項へ曝露した集団と曝露していない集団の2つの患者集団を同定し、これらが関心ある転帰を示すまで追跡する研究様式。
……はい,これコホート(研究)でしたね。
細かいことにグジグジうるさいですよね~
……はい,それ小姑ですね。
三遊亭ですよね~。
……はい,それ小遊三ですね,もういいですね。
ってことで,そんなこんなで85歳,こういう本が出ておりました。
自己心理学って何? 自我心理学とは違うの? って言われると,まあ違いますと応えますが,誤解を恐れまくって言えば,自己は構造,自我は機能ってことにしておきましょうか(間違ってたら教えて下さい)。
まあこのコフートさん,いろいろ功績はあるのですが,米国精神分析の二者心理学への移行ってことにおいて,最大の功労者といっても過言ではないと思います。いろいろあるけど,「共感」っていうのを精神分析に持ち込んだりして,その意味では,ロジャーズ派の方には比較的シンパシーを感じやすい存在かもしれません。禮子タンなんかは,「コフートの理論形成には矛盾がある」なんて仰ってますが,どちらかというと,ガチガチの理論家というよりは,臨床に基づいて,精神分析への批判的検討加えていくなかで,徐々に理論形成していったという感じで,まあしょうがないのかもしれません。
したがって本書のように,「臨床実践」を考える際には,まだまだ古びない,一定の有効性があろうものかと推察しますね。
まあコフートじゃなくても,なんか自己愛の時代だなあ,なんて素人的に日常レベルで思ったりもするわけで,まあやはり慧眼はあったと思います。
というところで,そこらへんの嗅覚は優れてるのが和田先生。受験のことは知りませんが,オグデン訳したり,結構冒険してますよねえ。あまりアカデミックなレベルでの評価を得ているわけではない和田先生ですが,本質を見抜く力はあり,これだけ噛み砕いて説明できる人もそうはいないでしょうね。まあ本当は,その先があれば,というところですが,まあ臨床やってる風には見えないからしょうがないでしょう。これだけ読むんじゃ困りますが,手始めにザラっと読む分には,問題ないです。
これも,この分野には珍しい,ですます調で,コフートとそれ以降の発展が概観できます。とりわけ,『自己の分析』,『自己の治癒』,『分析的治療の機序』といったコフートの主要著作を解説してくれてるところが,入門書として,適当であるといえましょうか。症例もあるしね。
これもいいね。とくに実践編のところで,自己心理学の本領である,臨床への適用の上での諸問題が議論されます。
他にもいい本あるにはありますが,ほとんど品切ですね……。人気ないのかあるのかよくワカランですな,コフートさん。
あ,オリジナルね,オリジナル。難しいし,骨があるけど,ガッツのある方は是非。笠原嘉先生を中心に(すべて監訳),名古屋の精神科医の先生方が訳されてますね。
てなわけで,今日はこれにてドロンしますよ……。
1802~1894年
民族解放と急進民主主義の運動を推進したハンガリーの政治家。国民党の機関紙「ペスト日報」を発行し,大きな影響を与えるなどし,1848年に,憲法改革と責任内閣の実施を要求し,その後成立したハンガリー初代内閣において,大蔵大臣に就任し,実権を握った。
その後,彼の大マジャール主義は,オーストリアの後押しをうけたクロアチア総督イェラチチのハンガリー攻撃を招くなど,周辺諸民族の反発をうけた。1848年10月6日,オーストリアもハンガリーに宣戦したため,臨時革命政府を設立して抵抗したが,ロシア軍の介入によって降伏した。以降,トルコに亡命し,各地で独立運動を続けたが,1894年,トリノで没する。
……はい,ごめんなさい。これ,コッシュートでしたね。
研究も盛んですよね~。
関心ある事項へ曝露した集団と曝露していない集団の2つの患者集団を同定し、これらが関心ある転帰を示すまで追跡する研究様式。
……はい,これコホート(研究)でしたね。
細かいことにグジグジうるさいですよね~
……はい,それ小姑ですね。
三遊亭ですよね~。
……はい,それ小遊三ですね,もういいですね。
ってことで,そんなこんなで85歳,こういう本が出ておりました。
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自己心理学って何? 自我心理学とは違うの? って言われると,まあ違いますと応えますが,誤解を恐れまくって言えば,自己は構造,自我は機能ってことにしておきましょうか(間違ってたら教えて下さい)。
まあこのコフートさん,いろいろ功績はあるのですが,米国精神分析の二者心理学への移行ってことにおいて,最大の功労者といっても過言ではないと思います。いろいろあるけど,「共感」っていうのを精神分析に持ち込んだりして,その意味では,ロジャーズ派の方には比較的シンパシーを感じやすい存在かもしれません。禮子タンなんかは,「コフートの理論形成には矛盾がある」なんて仰ってますが,どちらかというと,ガチガチの理論家というよりは,臨床に基づいて,精神分析への批判的検討加えていくなかで,徐々に理論形成していったという感じで,まあしょうがないのかもしれません。
したがって本書のように,「臨床実践」を考える際には,まだまだ古びない,一定の有効性があろうものかと推察しますね。
まあコフートじゃなくても,なんか自己愛の時代だなあ,なんて素人的に日常レベルで思ったりもするわけで,まあやはり慧眼はあったと思います。
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というところで,そこらへんの嗅覚は優れてるのが和田先生。受験のことは知りませんが,オグデン訳したり,結構冒険してますよねえ。あまりアカデミックなレベルでの評価を得ているわけではない和田先生ですが,本質を見抜く力はあり,これだけ噛み砕いて説明できる人もそうはいないでしょうね。まあ本当は,その先があれば,というところですが,まあ臨床やってる風には見えないからしょうがないでしょう。これだけ読むんじゃ困りますが,手始めにザラっと読む分には,問題ないです。
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これも,この分野には珍しい,ですます調で,コフートとそれ以降の発展が概観できます。とりわけ,『自己の分析』,『自己の治癒』,『分析的治療の機序』といったコフートの主要著作を解説してくれてるところが,入門書として,適当であるといえましょうか。症例もあるしね。
自己心理学入門―コフート理論の実践アーネスト・S. ウルフ Ernest S. Wolf 安村 直己 金剛出版 2001-10売り上げランキング : 162936Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これもいいね。とくに実践編のところで,自己心理学の本領である,臨床への適用の上での諸問題が議論されます。
他にもいい本あるにはありますが,ほとんど品切ですね……。人気ないのかあるのかよくワカランですな,コフートさん。
あ,オリジナルね,オリジナル。難しいし,骨があるけど,ガッツのある方は是非。笠原嘉先生を中心に(すべて監訳),名古屋の精神科医の先生方が訳されてますね。
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自己の修復ハインツ コフート Heinz Kohut 本城 秀次 みすず書房 1995-10売り上げランキング : 299402Amazonで詳しく見る by G-Tools |
てなわけで,今日はこれにてドロンしますよ……。
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