森岡正芳先生を忘れておりました。
ナラティヴといえば,この方を忘れてはならじ。
謹んでお詫びいたします。ついでに,『うつし 臨床の詩学』も紹介しておきまふ。みすず書房さん(!)から出ました。これだけですごい。中井大先生クラスということでありますよ。
それに,この本,なかなか面白そうです。
森岡先生は,今後の臨床心理学の思想的中心であるような気がします。コレマジ
あんま知られてないですけど,今年出た『臨床心理学』の5巻4号で,「痛みとそのケア」なんていう特集の,編集をやっているんですね,森岡先生が。
この特集のメンバー,ものすごかったりします。
特集にあたって:森岡正芳
痛みとは何か:岸本寛史
「痛み」を捉えるための観点:青木 聡
慢性疼痛:痛みは語りうるのか?:斎藤清二
痛みと文化:江口重幸
痛みへのアプローチ:心療内科と認知行動療法:有村達之
痛みへのアプローチ:プロセス指向の「痛みのワーク」:藤見千雅子
痛みと臨床動作法:吉川吉美
痛みへのアプローチ:ブリーフセラピー:津川秀夫
終末期がん患者の苦痛:安藤満代
トラウマと痛み:田澤安弘
これって密かに,ナラティヴ特集では……でも……売れるのか……他人事ながら心配……森林で聞いたらやっぱ今ひとつだって……痛みって,ねぇ。
でも,痛みというのは,ホント,ナラティヴなんですね。
他人の痛みが理解できるのか,というのは,哲学的な「理解」の問題であり,臨床心理学で言えば,「共感」の問題であります。医学的に「痛い」原因がわからないとき,その痛みは,すでにナラティヴの世界にあるのだというのです。語りの世界にしかないのですね,「痛み」が。そして,「理解」できずに「共感」は可能なのか。そういう問題も絡んできたりして,ひじょーに複雑です。
難しいことを書いていたら,頭痛がしてきた……
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