楽天経営主義

経営コンサルタントが経営とは関係なく
日常を気ままに綴ります。

成長する企業になるために必要なこと③

2015年05月15日 | 日記
「ビジョンを持つこと」

「経営ビジョン」とは企業の将来のある時点での「あるべき姿」を
具体的イメージとして表した物と言われています。
私自身、自分のビジョンを持つことに大変難しさを感じていた経験があり、
コンサルタント初期の頃は“ビジョンは必要ない!”なんて言って
いた頃もありました。
でも、色々な会社とおつきあいさせていただくと、しっかりした会社、
伸びていく会社は「ビジョン」もしくは「ビジョンらしきもの」を
持っていることに気がつきました。
そこで、今ではビジョンを持つことの大切さを説くようにしています。
今現在ビジョンを持っていなくても良いと思います。
でも、ビジョンを持つことの大切さをわかっている事が大事だと思い
ます。
ビジョンを探すために経営に邁進することも一つのあり方だと思う
からです。

正直言って、中小企業の多くは、「ビジョン」として文章化している
ケースは少ないように思います。
ただ、「ビジョンらしきもの」というのは、経営者の話を聞いていると
伺い知ることができます。

ある顧問先の社長は「10年後、年商100億円」と4年くらい前に私に
宣言しました。
その時(平成22年3月期)年商は33億円ぐらいでしたが、4年後の
今期の売上高は51億円です。
「10年後、年商100億円」というのは長期的目標ですね。
「ビジョン」というのであれば、その時に会社がどのような状態に
なっているのか、会社の取り扱い商品は?、お客様は?、従業員数は?、
組織は?等々が具体的に見えていなければなりません。

社長にその事を伺うと「全然見えていないけれども、そのぐらいの規模
になれば、従業員が安心して働くことができるし、私も安心して後進に
会社を譲り、引退できるような気がする。」と言う回答でした。
漠然とではありますが、社長には100億円規模になった会社で従業員が
安心して仕事をする姿が見えているのだと思います。
「ビジョンらしきもの」ですよね。

昨年はビジョンを明確にする第一歩として、経営理念を一緒に作り上げ
ました。

作り上げた経営理念は「価値創造」です。

「従業員、従業員の家族、お客様、商品、社会にとっての価値を考え、
創り上げていこう」というものです。

一方、他の顧問先は製材卸売業です。
この会社のことはこれまでにも何回かブログで紹介してますよね。
そこの社長は「無垢材の素晴らしさを、できるだけ多くの人に伝える」
という「ビジョンらしきもの」というか、「社長自身の理想とする生き方」
と思われる事をいつも言っています。

「無垢材の素晴らしさを、できるだけ多くの人に伝える」ために、
この会社ではこれまでの取引先や新規に取引をしてくれたお客様に
ニュースレターを配信しています。
そのニュースレターは今月で109号になります。10年近く毎月送り続けて
いる訳です。
送り先も1,500件を超えています。
さらに、年一回から二回「製材勉強会」を開き、参加者をニュースレター
で募りますが、多いときには50人から60人の参加者が来られます。
無垢材の市場は年々縮小傾向ではありますが、この会社、社長の支持者は
年々増えており、業績は堅実なものとなっています。

やっぱりビジョンを持つことは大切だと思います。

成長する企業になるために必要なこと②

2015年05月14日 | 日記
GWもあっという間に終わってしまいました。
ゆっくり休むことができなかったせいか、休み明けから背中
の痛みが続いています。
身体の一部にでも不都合があるとなかなか積極的になれない
ですね。

さて、表題の「成長する企業になるために必要なこと」に
ついて考えてみたいと思います。

これまでの経験から、これからの時代に生き残り、成長する
企業であるために経営者が持つべき素養、条件として次の
4項目をあげました。

1.ビジョンを持つこと
2.信じたことをやり抜く気持ち
3.経営計画を立てていること
4.環境変化に対する危機感を常に持っていること

本当は5つめとして「従業員を大切にすること」も考えましたが、
確信を持って言い切ることができません。
優秀な企業は間違いなく従業員を大切にしています。
私の関与先でも優秀なところは従業員を大切にしていますし、
社長の気遣いは相当なものだと思います。
でも、それだけ大切にしているのに従業員の方では簡単に辞めて
しまったり、経営者の思いを感じていない人が多かったりという
のが実感です。
そういったケースを見ていると、もっとドライに付き合った方が
良いのではなんて思うことがあるからです。


成長する企業になるために必要なこと①

2015年05月01日 | 日記
ゴールデンウィークですね。
3月の終わりから4月の中旬過ぎまで雨、風等の不安定な天候が続いて
いましたが、やっと春らしい天気・・・というよりも、春を飛び越えて
初夏のようになってきました。

コンサルタントの立場では、この時期は多くの3月決算の企業が、
一年間の成果・・決算書ができてくる頃です。

アベノミクスのおかげで、上場企業は増収増益となったところが多いと
聞きます。

私の顧客の中で3月決算の企業は決算の大まかな数字が見えてきました。
昨年度比で約10%の増収を達成した企業がありました。
その企業は、先日設立51年、売上高51億円達成パーティを全社員参加の
もとで行いました。

また、昨年度8月主要取引先であり、大株主でもある会社の倒産により、
別会社を作り、再起せざるをえなかった会社は11月から3月の5ヶ月決算
で、最終利益を3,000万円計上することができました。
この会社の場合、再起前よりも収益性が非常に良くなり、災い転じて
福となったようです。

私としても、昨年7月に株主である会社の危機の影響が避けられないと
社長に相談を受けてから、再起策を提案し、指導をする中でいろいろと
気をもみましたが、思っていた以上の結果になり一安心です。

困難な状況の中、取引先と従業員を守るために奮闘した社長の姿をずっと
見てきましたが、本当に頭が下がります。

この企業の再起の経緯はまた機会を見て書きたいと思います。

しかし、良いことばかりではありません。

事業再生を目的に指導していた会社の業績回復が思わしくなく、資金
繰り悪化による倒産が避けられそうもなくなりました。
そのため、第二会社による再起を提案しましたが、会社側に受け入れ
られませんでした。
その後、他の事業再生専門弁護士の提案で、再起を図るようです。
私の提案は受け入れられなかった訳ですが、うまく再起して欲しいと
願っています。

私の指導、支援する内容は会社によって変わることはありません。
私の指導、支援で企業が成長、繁栄する訳ではありません。
企業が成長する、繁栄する、生き残るのはあくまで企業の自助努力
です。

おそらくほとんどの会社は成長するために一生懸命努力されている
ことは間違いありません。
でも、結果で大きな差が出てきます。
それは何故でしょう。

私の数少ない経験ではありますが、21年になる私の企業観察から考えて
みたいと思います。

量が多くなりそうなので、幾日かに分けて書いてみます。
これで少し続けることができそうですねw