楽天経営主義

経営コンサルタントが経営とは関係なく
日常を気ままに綴ります。

スゴイ中小企業

2011年07月12日 | 日記
先週末、大学時代の友人と飲む機会がありました。
その時聞いたお話です。

彼の実家は電機部品を作っている中小企業です。
長男である彼は電子部品の大手メーカーに大学卒業後就職し、
今でも81歳になる父上が社長として経営しています。
彼が学生の時に手伝っていたいた時よりも規模はさらに
小さくなりパートのおばちゃんと高齢者の集まりだそうです。

でも、良く聞くとその会社がすごいんです。
ボーイングの旅客機が装備するオーディオのメンテナンスを
一手に引き受けていると言うのです。
もちろん直接ではなく、大手のメーカーが間に入っている
ということです。(彼の実家は元々パナソニックとのつながりが
強かったので、パナソニックかなと思っています。)

旅客機のオーディオシステムは複雑らしく1機種に
3000枚ぐらいの図面があるらしいのです。
それを、パートのおばちゃんや高齢者の工員が読みこなして
修理をするというから、これぞ日本の中小企業という感じですね。

他にやれるところが無いために、値段は言い値だそうです。
そういった複雑で量をこなせない仕事はがたいの大きな
大企業では利益をだすことができません。

高度な技術を要するような製品を、「まさか!」と思う
ような規模の中小企業が作ったり、修理できる。
この高い知識資産の裾野の広さが日本の中小企業の
最大の強みです。
でも、その高い知識資産を持つパートのおばちゃん達が
辞めてしまったらどうなるんでしょう。

彼の父上にも、受注先である大企業から「後継者を2年以内に
育てないと、今後取引はできない」といってきたそうです。
彼の父上は「どうぞ御勝手に!後継者はいないし、自分も
高齢だから、いつでもやめるよ。」と簡単に断ると、
大企業の方が「頼むから後継者を育ててください。」
といってきたそうです。(笑)
困るのは大企業の方なんですよね。

一方で、このように優れた中小企業が後継者がいないというだけで
無くなっていくことが日本にとって大きな損失になることが
残念でなりません。