楽天経営主義

経営コンサルタントが経営とは関係なく
日常を気ままに綴ります。

東北ゼネコン談合

2011年05月31日 | 日記
先日紹介した東北に出張した専務から、こんな話を聞きました。

「取引先の企業は宮城、岩手の2県に倉庫、加工場を分散していましたが
岩手の越前高田市に集約するそうです。」
その理由は、宮城県はゼネコン三社の綱引きが大変で、早く着工したい
のに、話が前に進まないからだそうです。

この大変な時期に「?」ですよね。

公共工事も、同じ理由でなかなか進まないらしいですよ。
東北のゼネコン談合については、昔から色々な形で噂されていました。
私も詳しいことは知りません。専務の言うゼネコン三社というのも
どこのことか知りません。
これまで鹿島建設が中心に談合組織を作っているとか、そこに企業舎弟
のドンがいるとか言われてきました。
とにかく強力な組織で、業界、行政、政治が強く結託して、その組織外の
業者は東北で受注することは不可能という噂です。
だから、小沢氏の献金疑惑がおきたときも、「やっぱりね」という感想を
持ちました。

取引先が越前高田市に集約するのは、市長がそういった既得権を取り
除こうとしているからだそうです。
(これは、あくまで取引先の社長の話なので、真偽はどうかわかりません)
小沢さんの足下の岩手県なのにスゴイですね。
というよりも、こんな国難に直面しながら、まだ談合体質を引き継ごう
とする業界体質とそれをどうすることもできない宮城県の行政なのか
政治なのかわかりませんが、がっかりします。

東北大震災2ヶ月

2011年05月29日 | 日記
私の顧客である魚の仲卸会社の専務から、震災後2ヶ月たった
気仙沼の様子を聞くことができました。

やはり、テレビのフレームの中で見るものと、全視界の中で
見る惨状とは、言葉に表せないぐらいの差があるそうです。
被災地全体に漂う臭気やほこりが五感を嫌な気持ちにさせるの
かもしれないともおっしゃっていました。

今回の気仙沼訪問の目的は、取引先であった水産加工会社の
お見舞いと出荷可能性について確認にいったとのことです。
取引先の水産加工会社は複数ある冷蔵倉庫と加工工場の
ほとんどを津波にさらわれ、被害総額は約30億円になると
いいます。しかし、幸いに従業員には死者がいなかった
らしく、震災後は設備の惨状を見て廃業を考えた社長も
従業員を飢えさせるわけにはいかないと、再起を決意したと
聞きました。
当然、津波前の借金がありますから、今後の会社再建に
かかる費用も借金になります。
でも、意外と社長の顔は明るかったそうです。
「命があっただけでも、めっけもの。設備や商品は流されて
損をしたが、そんなものはいくらでも取り返す気になれる。
でも、従業員が一人でも欠けてしまっていたら、その人を
取り返すことはできない。幸いにも、当社は従業員が残った
ので、その人達のためにも働く場所を確保しなければと
思っています。金の工面?そんなものは、後から考えます。」
と、サラッという言葉に、社長の責任の重さを感じたそうです。

実際は、その後に「それに比べて、うちの社長は・・・」と
続くんですけどね(笑)。

「金の工面は後から考える」と言いながら、前向きに進んで
いける社長はまれだと思います。被災地の企業の多くは、
まだ、再建の目処どころか、存続すべきかどうかの決断も
下せない状態のところが多いと思います。
でも、企業が復活しないことには被災者に仕事がありません
から、企業の早急な復活が望まれます。

企業の再建を妨げている一番の問題は、やはりお金でしょうね。
何とか企業家達にお金が早急に回る仕組みを作り上げて
欲しいと思います。

我々が、被災者の方達に少しでも役立てて欲しいと思い
急いで銀行や募金箱のに入れたお金はまだ数%しか、現地の人
達に渡っていないといいます。

非効率な行政組織や日本赤十字に義援金を出すよりも、地元の
企業に直接出資や出捐した方が被災地の役に立つかもしれません。

孤宿の人

2011年05月27日 | 日記
先週たまたま選んで読んだ「孤宿の人」(宮部みゆき著)の解説を
みると、先日亡くなった児玉清さんが解説を書いていました。

それまで、多くの人と同じように、アタック25の司会者だったり、
エリート上司を演じる俳優ぐらいのイメージしかなかったのですが、
あまりにタイムリーだったので驚いています。
大変な読書家であったとテレビで紹介していたり、22日付の日経の
コラムでも、児玉さんの本好きについて書かれていました。
調べてみると、たくさんの書評や本に関するコラムも書かれていたん
ですね。不勉強でした。

児玉さんは本は「大切な友人」とおっしゃっていたらしいのですが
同感です。
最近、私の場合は友人は本だけといった感もありますが・・・(笑)

さて、孤宿の人ですが、本の雑誌が選ぶ第1位と帯に書かれていた
という理由だけで選び、どんな内容かも知りませんでしたが、
本当に読み進めるほどに内容に引き込まれてしまいます。
丸海の自然と主人公である「ほう」の無垢さと危なっかしさ、
「加賀様」の隠された人間性の描写に引きつけられました。

まだ読んでいない方におすすめです。