楽天経営主義

経営コンサルタントが経営とは関係なく
日常を気ままに綴ります。

自己破産者の再生は難しい?!

2011年10月31日 | 日記
最近よく過去自己破産をされた方が、再度事業を行いたいという
相談を受けます。
今月も2件ありました。

背景はよく似ています。
事業経営に行き詰まり自己破産後、生活の糧を得るために就職
しようにも正規雇用が難しく定職に就けない。
だから、昔の経験を活かして再起したいが、先立つもの(お金)が
無いので、事業資金を借りることができないかというものです。

相談を受けた方としても、非常に悩ましい問題です。
両者とも数年前に免責許可決定を受けているわけで、法的には
復権を果たしているわけですが、金融機関にとってはブラックで
あることに代わりは無いわけです。

確かに、一度破産をしている人が安易に借金を繰り返すことは
避けなければなりません。
相談者の中には生活に困窮して、事業をするという名目であれば
借入ができるのでは無いかという意図が見える人がいます。

しかし時と場合、その事業者、事業そのものによりけりだと思います。

今回の場合も、相談者2名の内の一人は、事業として成立する可能性
ありと私は判断しました。
破産後、細々と一人でやってきた事業に大きな契約が呈示され、
それを受注するための運転資金が必要というものでした。
もちろん既に金融機関には相談に行っているのですが、門前払い
だったと言うことです。

以前の借入が銀行プロパーだったと言うことで、信用保証協会なら
ブラックリストに載ってないのではないかと思い、その場で電話
しましたが、ダメでした。
多分プロパーではなく、保証協会の保証融資だったのでしょう。

結局他に手立てが無く、力になれないことをお伝えして、お引き取り
願いました。
やる気を持った方だけに申し訳なく、非常に残念でした。

ブラックの方にもお金を貸すという金融業者はいます。
でも、そんなところを紹介するわけにはいきません。

ただ、こういった相談を受ける度に、銀行の画一的な態度に憤りを
感じます。
自己破産をされた方でも、その経緯は様々です。事業者としての
未熟、失敗は多いでしょうが、その時の事業環境からやむを得ない
事情もあるでしょうし、中には自分の事業とは関係なく保証人に
だったからと言う人もいます。
それらを十把一絡げでブラックだからということで門前払いをする
一様な態度は、金貸し業である銀行が審査という重要な機能を放棄
しているとしか思えません。

もちろん、リスクを見込んで通常の事業者よりも高い金利をとれば
良いと思います。
ハイリスク・ハイリターンは当たり前のことですが、審査さえ
しっかりやれば、リスクは相当程度軽減することができると思います。
銀行にとっても、利益率の向上になると思うのですが、効率重視
なんですかね~。

お金さえあれば、私が破産者向けの金融業をやりたいぐらいです。
もちろん、誰にでもと言うわけでなく、審査はしっかりさせて
いただきます。
現在の銀行の審査よりは自信がありますから。

橋下徹ネガティブキャンペーン?

2011年10月29日 | 日記
木曜日の新聞の雑誌広告を見て驚きました。
週刊新潮、週刊文春共に橋本大阪府知事(今月末まで)の
出身や父親、親戚の事についての特集記事が組まれていました。

私は、大阪市民でも、大阪府民でもありませんし、橋下氏の
思想、信条、政策を支持するものでもありませんが、嫌な
気持ちになりました。

両紙とも読んでいませんし、読みたいとも思いませんが、
何故この時期にこんな記事が出てくるのかと思います。
広告を見る限りにおいては、ネットでも以前から出ている
事ばかりです。(従兄弟のことは初見ですが)

両紙が橋下氏の反対陣営からの意を汲んだネガティブ
キャンペーンをしてもメリットはないと思うので、そんな意図
はないと思いますが、大阪同時選挙の過熱に便乗して販売数を
伸ばそうとしているのでしたらどちらにしても、程度の低い話
です。

反対陣営がこの記事に便乗して、同様のネガティブキャンペーン
を展開しないことを望みます。
本人を責めるのであればまだしも、家族、親戚の行いを暴くのは
子供が「お前の母ちゃんデベソ!」と言っているのと同じです。

橋下氏は有名な子だくさんです。小さい子供達が望まれない
形で、知らなくても良いような話を知らされる事が気の毒です。

大阪市・府民はこんな記事に惑わされずに、政策を十分に
吟味して立候補者を支持して欲しいと思います。
人間的に問題のある立候補者であれば、政策をしっかり読み、
聞けば、それはやはりどこかに出てくると思うのです。

政策をしっかり検討せずに、世間の雰囲気で政治家を選んで
しまうことの危うさは2年前の衆議院選で学んだはずです。

それでも「日本は死なない」これだけの理由

2011年10月25日 | 日記
増田悦佐著 講談社刊

この本は6月に買って読んだ本です。
このころ東北大震災で気持ちが落ち着かず、気分が閉塞感に
陥りがちだったので、いくつか今後日本経済は大丈夫という
内容の本をいくつか読みました。
これはその中の一冊です。

内容は日本の国民の能力、技術力等を評価する一方で、欧米、
中国が今後どれだけ危ないかが描かれています。
当時は「日本は大丈夫」という内容ながら、あまりに日本を
過大に評価しているように思えて、「これは言い過ぎやろ~?」
と思った本です。

先週、何気なく読み返してみると、その内容の多くのことが
読んだときから4ヶ月の間に確認できたことが多くびっくり
しました。

日本の実力については、震災直後のサプライチェーンの崩壊が
世界の製造業に与えた影響は6月の時点でわかっていましたから
あまり驚くような内容はありません。
ただ、日本は指導者が無能だから、賢明な大衆が日本の経済を
支えざるを得ないという視点は新鮮でした。

アメリカの格差社会の悲惨さは、良く言われることです。
最近では全世帯の5%にアメリカの冨の60%が集中していると
言われています。
この本では、そのターニングポイントの年は1979年だったとし、
そうなった経緯をデータを基に紹介しています。
この年以降の景気政策が結局、金融業を潤すだけのものであり、
非金融業に従事する人達との所得格差を大きくしたということ
です。
データでは金融業と非金融業の平均年間所得は倍くらいの差に
なっています。
これを見るとウォール街でデモが起きるのもうなずけます。

ヨーロッパではギリシャをはじめとしたPIIGS(ポルトガル、
アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)よりも
イギリスの危うさについて、書いています。
イギリスはサッチャー首相の金融ビッグバンにより、金融の
中心シティを外国に開放しました。
外国の金融機関のおかげで、高成長率を得ることができた
イギリスの手法はウィンブルドン方式といわれ、一時期
成功モデルのように言われました。
しかし、金融に依存しすぎた経済政策は、国内産業を生まず、
若年層の失業率は非常に高いものになっています。
この不満はいつ暴動に発展してもおかしくないとあるのですが、
これも、8月に暴動が起こったことで予見していたのかなと
感心しました。

中国については、今更言わずもがなです。

これらの国々に比較すると確かに日本はマシです。
「マシ」なんですね。
明るい未来が見えるわけではないんですね。
著者も「死なない」と書いています。

結局、2回目の読後、内容的には良く理解でき納得できたものの、
日本経済の楽観的な将来を期待した私の思いは余計に不安が
募るものになりました。

絵心

2011年10月12日 | 日記
一眼レフカメラを買いました。

使ってみると色々な機能がついていてさわっていると
メカ好きの私としてはすごく満足できます。
ただ、問題はいくら良いカメラを使ってもうまい写真が
撮れるわけではないと言うことですね。

良い写真を撮るには、カメラの性能よりも写真の構図が
大切だと言うことがよくわかります。
これは絵心につながるのではないかなと思います。
小さい頃から絵心がないんですよね。

小・中・高を通じて学校で絵をほめてもらった覚えが
ありません。
先日テレビで「絵心ない芸人」というのをやっていましたが
あそこに出ていた芸人の気持ちがすごくわかります。

小学校の時に、先生が読む物語から場面を想像して絵を
描くというお題がありました。
私は主人公が寝ているところだったら、楽だろうと思い
寝ているところ描きましたが、そうすると画用紙の上の
部分3/4位が白いままで残ります。
考えてみたら当たり前なのですが、絵ができあがった時の
イメージが書く前にはできないんですね。
つまり全体の構図が想像できないわけです。

中学校の時の卒業作品は20cm位の絵皿に顔料が塗ってあり
それを鉄筆で削って絵を描き、窯で焼くというものでした。
卒業する年が丑年だったので、確か牛を描いたのですが、
提出したとき美術の先生が、「天井、残るものだから
もう一度描いてくれ」といって皿をもう一枚渡しました。
自分としては何の問題もない牛だと思ったのですが、
先生は残す事に耐えられなかったみたいです。
結局、絵のうまい友人に描いてもらいました。

高校の時は、そんな状態ですから美術の授業を真剣に
受ける気がせず、いつも遊んでいました。
提出物もほとんど提出していなかったので、先生から
最後の作品(木のレリーフでした)を提出しないと
単位を落とすよと言われ焦りました。
その時も、中学校の卒業作品でお世話になった友人の
作品に私の名前を彫って提出することでギリギリの
点数で落第を逃れることができました。
ちょうど友人が大学の推薦入試の試験日だったので
事後承諾です。

恥ずかしい想い出を披露しましたが、そのぐらい絵心が
ないということですね。
そんな私ですから、まともな写真は撮れないと思いますが
習うより慣れろということもあるのではないかと思い、
ドンドン撮ってみることにしました。
どうせ、デジタルですから自由に消すことができますから。
いつか、ここで披露することができるかもしれません。

FX

2011年10月05日 | 日記
最近すごく気になっている問題があります。
表題のとおりFXです。
FXといっても外国為替取引の事ではありません。

日本の次期主力戦闘機(F-X)のことです。

次期主力戦闘機を何にするかの決定は2011年11月までに決定する
事になっています。
候補機はF/A18スーパーホーネット、ユーロファイタータイフーン、
F35ライトニングⅡの3機種です。

決定時期が間近に迫り、関連するニュースが増えています。
今日もF/A18の製造元であるマクダネル・ダグラスが日本で機体の
約70~80%をライセンス生産できるよう提案要求書に盛り込んだとの
報道がありました。

私としては、ユーロファイタータイフーンへの期待が大きく、
ぜひ日本初のヨーロッパ製戦闘機になって欲しいと思っています。

その理由は、F35は第5世代といわれる一番新しい機体なのですが、
開発が遅れており空自が導入を考えている平成28年にはとても
間に合わないと思われるからです。
また、開発費が当初の予算をどんどん上回っており、最終的な
機体価格は1機50億から倍の100億ぐらいになりそうだという噂が
あります。
そしてライセンス生産が望める可能性は低く、日本の航空産業への
恩恵が少ないといわれているからです。

F/A18スーパーホーネットは問題外です。
選ぶ理由があるとすれば、米国との関係維持だけでしょう。
一応、スーパーホーネットはタイフーンと同じく4.5世代戦闘機に
数えられますが、基本設計は1978年に初飛行したものであること。
ロシアのSu35との戦闘シミュレーションではSu35を1機撃墜する
のにスーパーホーネットが2.5必要という結果を示すものも
あります。
同じシミュレーションでタイフーンは1機でSu35を4.5機撃墜できる
数字を残していると言います。

タイフーンは上記のキルレシオが示すように、米国のF22を除くと
現在の実用機の中では、最強の制空性能を持っていると言えます。
ステルス性もF35にはかなわないまでも、F/A18を遙かに上回ります。
アフターバーナーを使わずに音速飛行ができるスーパークルーズ
能力はこれもF22を除けばタイフーンだけです。

本来ならば、F22をFXにすれば良かったのですが、これは米国が
売ってくれなかったから仕方がないですね。

いつもは日本のFX商戦に消極的なヨーロッパも今回はF35の開発
遅延が決定的な事からチャンスと考えたのか積極的に売り込みを
行っているみたいです。
ライセンス生産はもちろんのことブラックボックスの開示まで
示唆しているようです。
これは日本の航空産業にとっては大きなメリットになると思われ
ます。
以上のように、候補機3機を比べるとタイフーンしかないように
思うのですが、結果的には政治的理由から米国製のどちらかに
なるんでしょうね。

今回のFXはF4EJの退役に伴うものですが、ここでタイフーンを
選んでおけば、次に控えるF15の退役時のFX選定にはF22を売ると
言ってくるかもしれません。
そんな政治的駆け引きは日本の政治家、役人はしないかな・・・。

規制改革

2011年10月03日 | 日記
今日の日本経済新聞の社説は良いことが書いてありましたね。

「成長回帰へ野田首相は規制改革支えよ」

農林水産、医療、介護・保育、教育、法務、労働分野等で
懸案事項となっていることをコンパクトにまとめていると
思います。
そして規制改革の内容は私にとって頷けるものばかりだと
思いました。

でも、これらの内容は規制改革の必要性が叫ばれてから
ほとんど進展が見られないものばかりなんですね。

規制改革を進めようとすると、それぞれの利害関係者から
既得権維持のための横やりがあることが書かれています。

法務分野のところでは日弁連は質の高いサービスを増やす
ために合格者を減らす入口規制を主張していると書かれています。
もってのほかです。
質の悪い弁護士は市場原則に則って淘汰されれば良いんですよ。

この考えは、日弁連だけでなく同調する弁護士が多いようです。
私の知り合いの弁護士も同じ考えの人が多いように思います。

コンサルタントなんて淘汰されまくっているのに、
弁護士は特別な職業だと思っているのでしょうか。

もう一つ、理美容業界の事例が最後に書かれています。
首相は10分千円の理容店を使っていることが、ニュースで
流されていました。
私は行ったことがありませんが、この店は洗髪台が
ないそうです。
効率性とコスト削減の知恵で業績を伸ばしているチェーン店
ですが、既存理美容店からは煙たい存在みたいです。

そこで既存理美容業者の一部は洗髪台の設置を義務づける
条例の制定を求めて議員に働きかけているらしいです。

一部の方だとは思いますが、この業界は人の知恵を
見習って、更に上に行くにはどうするのかと考える
のではなく、自分たちの今の姿、今の有り様を維持しよう
とする寂しい考え方しか思いつかないのでしょうか。

というのも、私自身も次のようなことを関与している
商店街の方達から聞いたからです。

JR茨木駅の東側にある3商店街は昨年から、空店舗を利用した
商店会寺子屋事業を実施しています。

ここでは、商店会の店主達が持ち回りで地域住民に仕事で
培った知恵やノウハウを披露する「ワクワク講座」なるものを
月1回開講しているのです。

そこで、商店会の理容店店主が「お家でできる簡単なカット
教室」を企画したところ、理美容者の団体から「そんなことを
したら、客が店に来なくなる」とクレームがきて、内容を
変更しなければならなかったのです。

これを聞いたとき、了見の狭さに憤りを感じました。

これを企画した理美容店の店主は「実際に家でやってもらえば
技術の難しさがわかってもらえるし、たとえ家で簡単なカットは
するようになっても、やっぱりハレの日はプロにしてもらおうと
思うはず。その時に一番に思い出してもらえる店であれば良い」
との考えです。
顧客のことを第一に考えていますよね。それと、自分の技術に
自信がないと言えないことだと思います。
だから、こちらのお店は固定客がしっかりとついています。

いき過ぎた市場原理には反対ですが、利用者のことを考えずに
既得権を維持しようとする考え方にはもっと反対です。

野田首相にはぜひ、規制改革に向けて強力なリーダーシップを
示して欲しいと思います。