3/22 自然農稲作教室では、苗床をつくる実習をいたしました。

まずはご自分の畝を決めていただき、苗床にふさわしい場所を選びます。
これまで苗床をつくっていないところで豊かな感じのする場所がいいですね。

実習田は日当たり風通しなども全体に良いので、どこに作ってもオッケイですが、畝周囲の溝をモグラよけに利用するため、みなさん角地を選びました。
また、田植えをする時の流れも考えに入れます。

私たちの実習田では、40㎡の畝に対して0.8㎡の苗床をつくりました。

場所を決めると、振りまいた藁をよけて、ざっと草を刈り、夏草の種が落ちている表土をクワで剝がします。その時に、亡骸の層を手で巻くようにはがせる経験もしていただきました。これは、二十数年耕していない豊かさの体験でもあります。

もちろん、平ぐわを使ってきれいに剥がすのが基本ですが、どちらにしても豊かな土の感触を味わっていただけたと思います。

次に宿根草の根を取り除くためにスコップを入れます。

スコップを入れて土をほぐしながら、宿根草の根を除いています。


苗床にあった藁、草、表土などは一か所に盛り、田植えの終わりに苗床に返します。

さて、宿根草の根を取り除いた後は、表土を平らに整え鎮圧です。
まずはクワの背でトントンと平らにして、そして木槌でさらに鎮圧しています。
オケラ対策以外にも、鎮圧は湿り気を保つことになりますし、平らにしておくのは籾の発芽を同時に促すためでもあります。

昨年はオケラの害が多く、籾のまき直しを5/11にされる方もおられました。ほぼ全滅でしたので同じ苗床にまき直しをする場合、何か工夫をしなければまたまた全滅になります。そこで閃いたのが木槌で鎮圧でした。おかげさまで、苗はすくすくと育ち、田植えまでに成長が追いつきました。

オケラだけでなく苗床周囲に溝を掘って、もぐら対策もしています。

今年も稲作教室のみなさんとお米づくりにとりくめる喜びが春の陽にかがやいています。ほんとうにうれしいです。

みなさんの麦も気温の上昇とともに色鮮やかに元気に育っていますね。

大麦のバイオレットです。
あと一か月もすれば、美しい穂を見せてくれることでしょう。

ホトケノザも麦のまわりで春をささやいています。

次回四月は、心はずむ籾蒔き実習です。
耕さず、持ち込まず持ち出さずを基本に、地球のいのちに抱かれながら手作業で取り組む稲作です。みなさんが確実にお米を育てることができるよう、今年も全力で学び楽しもうと思っています。
自然農稲作教室 岡山
八木真由美