2017年 12月
自然農実践家指導者 川口由一さんの田畑をお訪ねしいたしました。
写真を中心に12/1の田畑の様子をおとどけいたします。
冬のはじまりの美しい営みです。
水色の空を背景に、粳米の見事な稲架けです。↑
その豊かな恵みに感動、そしてなんとも絶景ですね。
天日に干され、さらに実りが充実いたします。
こちらは香米と大豆です。↑
↑ 手前が古代米です。
古代米は普段のご飯に混ぜていただかれたり、
お餅にして召し上がられるそうです。
↓ 緑米の稲刈りはこれからです。(写真は12/1です。)
三輪山を背に田んぼにて、にこやかな川口さん。
脱穀は12月の半ば頃に・・。
稲架けの前で一年の感謝をこめて記念撮影。
川口さん 三輪山を背に冬の畑にて。
畝の右側は小麦(強力粉)です。↑
左側にはコカブを植えられているそうです。
麦の芽がきれいです。
キラキラと光っています。
勢いがありますね。
こちらの苗床から田んぼに移植されるそうです。
キャベツとブロッコリーです。 ↓
↑ キャベツの左は、裸麦とライ麦の苗床です。
↑ こちらはイチゴの苗床です。
「広めに植えているので移植せずこのまま育てます。」とのこと。
写真の右端は四年目の葉ねぎ。↓
11月半ば、ゴマの収穫あとに玉葱の苗を植えておられます。 ↑
「今年は玉葱をネズミに食べられて種が採れず、
購入した種もなんとなく発芽しにくくなっています。
種やさんの種は栽培地が外国であることが多く、
それも関係しているように思います。
自家採取が基本ですね。」と川口さん。
「ヘビやイタチとの関係もありますが、
モグラが走ると野ねずみが、イタチが走るとネズミがね。
特にネズミ年にネズミが多いような気がします。」(笑)
とも。
田んぼの北側の畑です。
こちらの畑は以前お米づくりをされていた場所で
近隣の田とゆるやかな棚田になっており、
お米の時期には隣の田からの水も流れ込み、
時には排水が難しいこともあるそうです。
里芋・クワイ・蓮・スイレンなどにはふさわしく、
トマトなどは根を損ねやすく影響があることも。
ピーマン・ナス・キュウリ・雑穀などは元気に育ち、
作付け内容に配慮され支障なく栽培されておられるようです。
カボチャ、冬瓜などもこの場所で育っていましたが、
高畝はもちろんのこと、鞍を直径約70㎝と幅広く作られ
対応されておられました。
温床もこの畑の南端に作られています。
この時期の溝の水は前日の雨の影響もあるとか。
最近はお花畑もふえ、ご年齢にあった内容と
添い応じられる在り方を見せて頂いています。
トマトを栽培された畝にはチンゲン菜と小松菜です。
手前が玉葱の苗床です。 ↑
チンゲン菜 小松菜 かつお菜
白菜の苗床です。↓
こちらは里芋の畝です。↑ ↓
川口さんの畑ではスペースに余裕があるので、
里芋は掘り上げて収穫をされず
保温になるよう周囲に土を盛り
召し上がられる時に掘っていただかれるそうです。
茎も食べれるのだそうです。
スコップで掘り上げるところを見せていただきました。
豊かな自然農の畝で
本来の美味しさたっぷりの里芋です。
土を落として乾燥させ貯蔵することもできます。
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さて、こちらは果樹 野菜 お花を育てておられる畑です。
柿の木の足元には、からし菜を蒔かれています。
チューリップ、桔梗、彼岸花も季節には花を咲かせるそうです。
↓ レモングラスも寒くなってきたら霜除けをされるとのこと。
こちらは、お花の畝だそうです。
柴桜 ヒヤシンス クロッカス 芍薬 牡丹 など。
こぼれ種の大根も育っていますね。
こんもりとした淡い緑は、人参によく似た葉をしたお花で、
白い花を咲かせるそうです。
近年、川口さんの畑では鳥たちがお野菜を食べに来ることがよくあるそうです。
春菊とサニーレタスの畝です。↑
サニーレタスは、発芽が思わしくなかったので
二回目を蒔かれたとのこと。
モロヘイヤ、種とりができそうですね。↓
種をつけているニラ。↓
ニラは株で大きくなりますが、
今回、種を少しいただきましたので蒔いて育ててみたいです。
エンドウの畝です。
↓ こちらに三列に種を降ろされています。
可愛い芽がのぞいていました。↓
こちらの畝はさつまいもの収穫後だそうです。↓
大根の点蒔きです。↓
人参ですね。↓
ニンニクです。↓
ニンニクのお隣には山芋が・・。
畝にはたっぷりと刈られた笹が置かれています。
山芋は山で育つものなので、
畑の笹などを巡らせると豊かに育つのだそうです。 ↓
去年の夏キャベツです。↓
小鳥に食べられたり、草に埋もれたり、
梅雨時には葉っぱが全部なくなり茎だけになったそうですが、
芯から新しい葉が出ています。
瑞々しいですね。
畑の畝に貝殻が・・。
「野菜くず、果物の皮 漢方生薬の煎じかす、貝類は田畑に巡らせています。
無機質の貝は植物を強くしてくれるカルシウムが豊富ですね。
その他の生ごみは養分過多になるので、巡らせていません。」
とのことです。
ゆっくりと分解して巡る貝類、
海のいのちが畑で野菜を強くする。
なるほどなぁ・・・と思いました。
花を咲かせる木々も静かな冬の営みです。
ムクゲ、ライラック、皇帝ダリア、など。
足元には 菖蒲 アヤメ グラジオラス シャクナゲ スイセンなど
美しく咲き誇る季節を待っています。
こちらの二本の木は、鳥が運んできた種で大きくなったそうです。
向って右側は落葉樹で、その枝は畑で使う支柱に使われます。↑
畑をご案内してくださる川口さん。
こちらの畑は一反一畝、
果樹も草木も花々もお野菜もそれぞれにふさわしい空間で
いのちを輝かせています。
落葉樹の木の下にフキです。
フキは冬に一旦枯れて春にフキノトウの花が咲き、
それがまた一旦枯れて同じ茎のところにフキがどんどんでてくるのです。
こちらは同じく樹の下に葉物です。
今年は少し成長が遅めだそうです。12/1
同じく樹の下に大根のばらまきです。↓
いきいきとした大根が芽を出している果樹園、
鮮やかに色づいたミカンが目に入りました。
「一番黄色く色づいているのを一つ採って食べましょう。」と川口さんに言われて
足元の大根を踏まないように木の下に・・。
瑞々しくて美味しい~。
すっぱいものはあまり召し上がられない川口さんですが、
この日は美味しそうにいただかれていました。
ミカンの木の足元は、大根と牧草の絨毯。
このやわらかな大地の営みと色づいた実
冬の光をうけて輝いています。
なんだか歌いたくなるような、朗らかな光景です。
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自然農は、耕さず
農薬・肥料・除草剤・大きな機械などを持ちこまず、
全てのいのちと共に 美しく豊かな地球の舞台で
自然に沿って手作業で栽培する農です。
今年は春 初夏 夏 初秋 秋 初冬
川口さんの田畑をお訪ねすることができました。
たくさんの感動と学びをいただき
楽しく心をはずませました。
心より感謝申し上げます。
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ブログをご覧いただいています皆様
いつもありがとうございます。
これからも美しい自然農の世界を
ご案内してゆけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
八木真由美