声楽家PRIMULAさんの音楽雑談

演奏会の報告・お知らせなどを主に掲載していきます。日々の音楽観なども加えていきたいと思います。

Ich hab'in Deine Auge

2012-09-27 22:14:26 | 日々の発見
Heinrich Heine の詩にFranzが作曲した小品。

FranzはSchubertに劣らぬくらいたくさんの歌曲を残しています。

でも、Schubertに比べると、和声展開とか、規模とかがやはり簡素なので

あまり頻繁に歌われることはありません。

しかし、細かく見ていくととても素敵な作品があります。

この曲もそう


”僕は君の眼の中に赤いバラを見る”で始まり、

最終的には”いま僕はその眼の中にもうそのバラを見ることはない。なぜなら、僕の中にそのバラがあるから”

となります。

意味の分かる人にとっては・・・・な~んと素敵な

です


もちろん私の生徒さんたちは半分くらいしか理解してくれません・・・・・

詩の解釈の時間ではないし

実際に歌ってみることで手一杯なのです。


でも、赤いバラが愛を象徴することは、ドイツ語を少しやったことがある人ならご存知のはずだし、

僕の中にその赤いバラがある。ってことは・・・・

まさしく、ヴェルレーヌのCes l'extaseのsituiationそのままですね

もしくはボードレールの Le jet d'aeu かな?

というわけで、そういったことなども楽しんでいただけるようになるといいなあ~

なんて、余分なことを考えている今日この頃です。


だって、みなさんにとってはとりあえず、歌ってみることで精一杯なんですから

発表会がんばれよ~



二期会フランス歌曲研究会

2012-09-23 22:03:31 | フランス歌曲研究会
今日は9月例会でした。

高橋先生のDebussyについてのお話は、

とても興味深いものでした。

Debussyはモーツァルトに匹敵する天才である。

というご指摘は、もっともだなあ~

と思いました。

それと、Wagnerに影響を受けただけでなく、そこから脱却し、

先を目指した音楽家だ。

というお話を伺い、「う~んなるほど」とさらにうなずく

(納得です


ドイツの詩人たちは、戸外で過ごすことが多く、

自然の描写が大変に上手です。

そしてそこに自分の心を投影し、物事の真実を考え追及する。

(こういう姿をメランコリックと呼ぶらしいですが

フランスの詩人たちは全く違う視点から、詩を書いています。

それが、やはりWagnerに落ち着いているわけにはいかないという事情につながっていくのかな~

なんて考えながら伺いました。


フランスの詩人たちの取り扱う世界は、非常に個人的なものが多く、

それぞれの心に浮かんだ風景を共有していく音楽に作られているので、

ま、聴く人と演奏する人の共感を要求する。

言葉でもなく、目に見える動きでもなく。

音楽を媒介として。


簡単に、おおまかに書くと、

こういうことなのですが、

これって誰でもができることじゃない。

っていうところが、非常に困ったところ・・・・・

だって、目に見えるものしか、わからない。

とか。。。。。

そっちが主流のこの世の中。

こっちが、不思議ちゃんと思われている節もあり・・・・

あ~やれやれと

思った雨の日曜日でした。

しかし、間違いなくDebessyについて理解は深まり・・・

ルネ・ラリック

2012-09-16 12:35:45 | 日々の発見
箱根ラリック美術館

前から興味はあったものの、なぜか今までパスしてしまいました。

今回も当初は「ガラスの森」へ行くつもりでした。

しかし、登山電車に乗っている間に。。。。。

ルネ・ラリックへ

という話がまとまり、

強羅からバスで




これはいただいた絵葉書ですが、ランプシェードなどの大きなものだけでなく

小さなアクセサリーなどもたくさん展示されていて、

とても繊細な作品を拝見しました

本当によだれものでした。


ベル・エポックってDebussyとかの世代と一致するよね

R・シュトラウスとか・・・・・

やっぱり私は”Ich mag Spaetromantisch”

大満足で宿へ



夕食はフレンチ。

温泉も”い~お湯”でした

久しぶりにいいお休みを過ごしました。



パワースポットの”箱根神社”へもお参りし、

運もついたかな?

芦ノ湖もお天気良くて水がきれいに見えました。



だ~い満足!

エレンの歌

2012-09-12 19:21:32 | 歌曲
ウォルター・スコットの名高い叙事詩『湖上の美人』(『湖上の麗人』)

このドイツ語訳にシューベルトが作曲しました。

第3曲「アヴェ・マリア」が特に有名。

この曲は、あらゆる曲の中でも有名てかんじですね。


というわけでみんなが好きな「シューベルトのアヴェマリア」ですが、

これは暗譜で歌うのが大変

エレンの歌を3曲とも歌ったことがありますが、

通して20分ちょっと。。。。

これをすべて正確に暗譜するのは至難の業です。

本当に大変だった


「湖上の麗人」エレン・ダグラスが「戦いをやめて平和を!」

と、神に願うのが有名な第3曲「アヴェ・マリア」

ですが、原題は"Hymne an die Jungfrau"

つまり、「聖母への讃歌」です。

「シューベルトのアヴェマリア」というのは、通称かな?

ラテン語のマリア様へのお祈りの歌詞でできているバージョンもありますし。。。


しかし、"Hymne an die Jungfrau"

となると、またまたこの歌が難しくなります。

だって、ただ単に反戦の精神だけでは歌えないでしょ?

難しいなあ~

と思ったことを思い出し、

そろそろまた再挑戦してみましょうか?

と考えています。

あわて床屋

2012-09-08 23:43:44 | 日々の発見
山田耕筰さんの作った、童謡。

でも歌うと意外と難しい。

岩河智子さんの編曲に寄る「大人の童謡曲集」

に出ています。

この曲集は、とてもおもしろい編曲なので、どの曲も重宝しています。

自分で歌ったり、生徒さんの練習用に活用したり。


この「あわて床屋」は一節ごとに半音ずつ調が上がっていく編曲になっています。

これがなかなか楽しい


メインのメロディも、ちょっと歌っただけではよくわからないが、

いわゆる「お腹を使って」っていう

クラッシック調のしっかりとした歌い方でないと、うまくいきません。

そこで、しっかりとお腹使って歌いながら、半音上がることに慣れていく。

という、訓練と楽しさが一緒になった便利な曲と言えると思います。


小難しい曲でなく、簡単に誰でもが入り込むことができて、

自然と体を使って歌うことができるようになるような、

そんな曲が理想的ですね

暑いと練習する気もうせちゃうので余計に重要です。





サンタ・ルチア

2012-09-06 14:39:10 | 日々の発見
「サンタ・ルチア」


ナポリの民謡でしたっけ?

むかしの歌としてかなり有名。

もちろん初心者の皆様方、および楽譜読むの苦手な皆様には良い教材

つなげて読んでいるせいか・・・・

「先生!サンタル・チアかと思いました」とかいう声も

え~っと

サンタっていうのは「聖なる」とか訳すようで、宗教上の聖人と呼ばれる方につける称号みたいなもので

(やれやれ・・・

しかしこれがまた3拍子で乗りやすく

と思ったのですが・・・・

そこで、ちょこっと先日のダンスの時間の説明をし、

はっきりとわかるように、ピアノパートをひくことに

「どうやって、差を出すのか?と思いました」

とおっしゃっていらっしゃいましたが、

何とかご理解いただけた様子。

先日から書いているように、躍動感を体内に感じ、

乗って歌うと、自然と声もよくなるし、合ってくる。

という

ま、話としてはちょう~簡単なことですが、実践するとなると難しい。

音楽家だって、プロと言ってるダンサーだって、どこまで、

見事にリズムを体現できるのか?

え~

そんなこと~


って思っている方・・・

レッツ、ダンス

です

躍動感

2012-09-04 19:24:04 | お稽古
先日、音程は聴きながら合わせる。

とか、なんとか書きました。

長い間、ソリストの立場で居るとつい・・・

躍動感なるものを忘れがちです。

だって、それはリズムを担当するパートが考えることだもん。

それでも私は結構気にする方なので、ガンガン注文を付けては恐れられています

小節の境目で、「どっこいしょ~

みたいにならないように、常にレガート感をもってメロディを作るのが、上に乗っているパートの役目です

ところが、先日、躍動感を体現しながらエレガントに、レガートに進んでいくものを発見

ダンスです。

そう、考えてみれば当たり前

躍動感のないダンスなんて・・・・

ありえないですね

音楽を作っていくときも・・・・躍動感を常に体で感じていることが大切です。

そこで。。。。また、あの「大縄とび」の遊びに戻るわけです。

そう躍動感を感じながら歌えば、ってかそうして歌ってないから合わなくなっちゃうんだよ~

ってわかってほしかったから、

例として取り上げたら・・・・

「また、ダンスの話かよ・・・」だってさ~

ちょっと

人の話聴きなさいよねえ




朝岡さんのWonderfull World

2012-09-02 18:01:46 | 演奏会のこと
今日は、久しぶりに雨になりました。

少し涼しくて良かったものの・・・・

湿度は急上昇

というわけで、本日は朝岡真木子さんの作品発表会へ


毎年のように開かれていて、本当にその精力的な創作活動にはいつも感心しています。

今回は佐藤征一郎さんをお迎えして、様々なごちそうの作品や、組曲「猫との僕とおとうさん」などの新作も披露されました。

朝岡さんの作品の良いところは、取り上げている詩がとても平易な日本語であること。内容もとてもなじみのあるものばかりです。

小さなお子さんも聴きに来てらして、頑張って最後まで聴いてましたよ


言葉も平易で内容も誰にでもわかるものであるということは、演奏する側にとっては苦労の絶えない状況なのですが、

佐藤さんはそのわかりやすい内容を素直にわかりやすく表現していらして、

「これって度胸必要だよなあ~」

っと感心していた次第。

小難しい曲を、「頑張りました!」みたいに演奏する方が、

演奏者も、聴く方もなんとなく納得しやすいもの。

ですから、今日の演奏は、そういう点で、とても価値のあるものだといえると思います。

(ほんと、なかなかできることではありません

また聴かせていただけるといいなあ~

と思いながら帰ってきました。

ほんと、聴いているだけなら楽でいいわ



でも、本当は次に演奏する曲の参考にしたいと思って伺ったので

なんとか反映させねば