声楽家PRIMULAさんの音楽雑談

演奏会の報告・お知らせなどを主に掲載していきます。日々の音楽観なども加えていきたいと思います。

動物詩集

2013-08-16 11:10:46 | 歌曲
暑い(-_-;)

本当に暑いお盆休みです。

みなさんいかがお過ごしですか?

お休み中、ということで

いざ・・・

とばかりに練習をしています。

今年はプーランクの没後50周年ということで

秋のコンサートでも、今年はプーランク。


先日教えていただいたお話ですが、

クリスチャン・ディオールはかなり早い時期から芸術に強い関心を持っていました。

きっと、あちこちのサロンに出入りしていたのだと思います。

ですが、プーランクの才能に触れ、

音楽の道はあきらめたということでした。

その後のディール氏の活躍を見ればその選択はよかったと思います。



表題の曲集はプーランクの最初の歌曲作品です。

本当に小さい曲ばかりですが、大人チックで音も面白い。

のちのプーランクの作風を感じさせる、

そういう意味では本当に見事な作品といえると思います。

だって本当に何十秒で一曲終わってしまうのですから


暑いときには特に

いいかもです。






Meine Lieder

2013-08-10 20:31:46 | 歌曲
ブラームスは特に有名でもなんでもない詩に曲を書いています。

これはかなりの数あって、シューベルトやシューマンとはずいぶん違います。

フランスの作曲家もやはり有名な詩人の有名な詩には必ずといってよいほど・・・


これは本当にブラームスの特徴といえるものです。

表題の「私の歌」。

これもあまり有名な詩ではないし、書いた方も無名ではないものの超~有名というわけでもない。

でも、でも

どことなく気になる詩ですし、メロディもブラームスらしいです



「きれいな曲ねえ~

と言いながら、練習ピアニストと練習していました


で、先日本番を弾いでくださる方と練習する機会があって、

ん?と思うことがありました。

最後のところが、沈んでいくほうがメランコリックで、ブラームスらしい。


とか、なんとかおっしゃたように聞こえましたが・・・・


メランコリックというのは、フランス語の「アンニュイ」とは意味が違って

思索がどんどん進んでいく状態を、外から見て「メランコリック」というのだそうです。

「けだるい」とか「鬱になりそうな気の落ち込み」という意味合いは全くありません

むしろ、本人にとってはとてもポジティヴな状態をいうのだそうです。


で、大変だなあ~

と思いながら、練習していただきました。

いい演奏会にしたいと思ってはいても、

このように越えなければいけない障害は山のようにあるのです。

Hitze

↑これもそうですが・・・・・








Es treumte mir

2013-08-08 11:36:26 | 歌曲
三人称単数の代名詞が主語になるというのは

日本語にはないかんじなので、ちょっとわかりにくいところかも?

と思いますが、

この場合夢の中にいるのは、私。。。

普通は音楽って進んでいくようにできていて、

その進み方が、お国柄だったり、時代だったりで少々違っているわけですが、

この夢の中の歌。。。。。

進みません

っていうか・・・・うっかり進めてしまうと

そうそう

夢の中ではなく現実の中にいる状態になってしまいます。


と、まあ、こんな風に内容と音楽が合致しているのが芸術歌曲といわれるもので、

文部省唱歌のような、詩の内容とメロディが・・・・

ずれてるってほどではないものの、

ま、これくらいで

という出来のものとは一線を画しているです。



表題の曲はブラームスの中期の作品で、

これを進まない音楽にして歌って行くと・・・・・

Wagnerのようになっていくから、これまた不思議

っていうか、このようにして現代までず~っとつながって発展してきているんだ

ということがよくわかる。

そういうサンプルとしても良い作品と思いました。

なかなかブラームスらしくて好き


Les cigales

2013-07-15 19:49:08 | 歌曲
“蝉”というタイトルのシャブリエの歌曲があります。

南仏の暑い夏の風景を歌った作品で、このほかにもシャブリエは動物に関する作品を多数残しています。


最近の演奏をYou tubeで聴いてみると、P・ベルナックの本にあるような超~スピード

で演奏されることはないようですが。

ん~私的にはあまり速いのはどうかな?

なんて思っています。


シャブリエの他の曲と同じようにこれも有節形式で、つまり同じメロディに違う歌詞が展開していくという形

だから自然と歌い分けているうちにテンポが伸びてきてしまうのだろうと思うのです。

フランス語らしい流れでしゃべっていって、聞き取れる程度のテンポがいいような

そんな気がしています。



閑話休題

それにしても、日本人にとっては蝉の声って言ったら、松尾芭蕉

“岩にしみいる蝉の声”です。

つまり、暑さも忘れ、蝉の声以外に聞こえないこの空間が、「静かだ

と思う、それこそが日本人の、いや日本語の情緒だと思うのです。

シャブリエのこの“蝉”では確かに・・・“岩にしみいる”観はないですね。

口うるさいマダム達や、下手なヴァイオリン見たい

と思っているようなそんな暑苦しい曲です。

でもメロディは、ちょっと素敵で、エレガントに(速すぎずにって意味ですが)歌ってみたい。

そう聴きたい

って思わせるような、きれいなメロディです。

東京は暑すぎるせいか?

蝉の声はまだよく聞こえませんが。

そろそろ、そんなやかましい季節ですね


出船

2013-01-13 11:34:53 | 歌曲
私が子供のころTVで見たことがあるのは・・・・

つまり、この手のナツメロを歌っている世代の歌手の方・・・・ていう意味

藤山一郎さんくらいかな?(記憶があるのは・・・)

生徒さんたちの中には、東海林太郎さんなんかもあるらしい。


この「出船」という曲は、クラッシック調にも歌えるし演歌調にも歌える。

そういうちょっと珍しい曲の一つです。

直立不動で、大きな口を開けて。。。。

そういう姿が焼き付いているんだとか・・・・。

でも、「まっすぐに立つ」ってところだけ真似してねえ~

とか言っている私です。


そして、最近作られたもっと歌いやすい曲(作る側が媚びているのか、そういう世の中だからか?)

に取り組んでいるときには絶対に使わないあるテクニックが必要になります。

言葉ではなかなか表現できませんが、覚悟

みたいなものと・・・・

口先だけではとても太刀打ちできないメロディの流れ。

ま、会話でも口先だけっていう話し方は、先方に真意は伝わりませんわね


ついでだったので、戦前の日本人気質、美徳などもお話し、そういったものが込められている作品だと。

そしたら、なんと

さすが年配者

そういった味わいはやはり年齢には勝てませんね

改めてそう感じて「出船」をみんなで歌ってきました。






philine

2012-12-20 09:05:31 | 歌曲
ゲーテの「ウィルヘルムマイスター」の中に出てくる登場人物で、

ミニョンとは反対の明るい性質の女性。

このフィリーヌが劇中劇の中で歌う詩が、

また、数々の作曲家の心をくすぐるらしく、

いくつかの曲になって残っています。

あまり演奏されることは無いようですが、

私は明るい内容なので好き

Shumann, Wolf,他にもThomaはオペラに仕上げています。


”夜は寝ている場合じゃないわ。ランプのそばでおしゃべりをして、・・・・・”

ってつまり恋を奨励する歌なのですが

以前にSchumannの曲を「嫌!」っていうほど練習し、

そして、あら?Wolfにもあるんだ・・・ってことで

でも、最初は「?」、段々に「

和音が面白いかもと思うようになり、

上手に合わせるとかなり面白いのでは?

と期待すること絶大

この和音とドイツ語の絶妙な組み合わせがLiedの良いところ、

何ともいえない魅力です。

「どうせやるなら、そういう細かいところまで合わせて!」

っていうことになり、しばらくはLiedに浸る。ってことになりそう

しばらく続けられるといいなあ~

ミニョン

2012-12-01 15:13:59 | 歌曲
ヨハン・ゲーテの作品「ウィルヘルムミスターの徒弟時代」だったかな?

この作品の中に登場するミニョンは12歳くらいの女の子。

たしか孤児だったと思う。

ウルネルムマイスターを父親のような存在と思いながら、旅芝居の一行とともに暮らしていました。

そのミニョンの独白に何人もの作曲家が魅せられ曲を作っています。

4つすべてに作曲しているのは、シューベルト、シューマン、ヴォルフの3人。

芸術的レベルの高さから言ってもこの3人の作品は格別です。

冬の長いドイツの地で、”あの国を知っていますか?レモンの花咲く国を・・・”

って、とってもロマンチックだったのですね。その感じが・・・・。

日本では柑橘類は珍しい植物ではありません。

私の近所でも、何件かお庭に植わっているお宅があり、今もオレンジ色の実が木にたくさんついています。

でも、ドイツではそこらへんにあるものではなく、遠い、遠い・・・太陽の明るい地方の象徴です。

あるピアニストの方が、「ねえ~やらせてほしい

っておっしゃるから、ほんの社交辞令か

と思っていたら、そうでもなく

ついに練習を開始することとなりました。

思い立ったが吉日

3人のミニョン作品を全部やっちゃえ~

と思っています。

さて、どこまで行くか?

どの程度までできるのか?

全くわかりませんが、ま、始めてしまえばこっちのもの。

忙しくなることは分かっていながら、走り始めることになりました。

皆様に演奏会としてご紹介できるところまでできるといいなあ~

とひそかに考えていますが。。。。

陰鬱の温室

2012-11-28 08:55:39 | 歌曲
エルネスト・ショーソンは、40歳くらいで自転車事故により亡くなってしまいます。

ですが、かなりの作品を残していまして・・・

しかし、残念ながら、あまり演奏されません。

初期の作品は、フランス音楽らしく、とてもチャーミングで明るい曲が多いです。

途中から、たぶんWagnerの影響を受けてから、暗く重苦しい感じの曲に変化していきます。

この「陰鬱の温室」も有名なメーテルリンクの詩ですが、青い鳥の作者とは思えないほど暗い詩です。



この曲の入っている歌曲集を見ていると、「そうだ!これってブラームスだ!」

ということに気づきます。

曲の根幹を流れる一定のリズムパターン、和声、そしてやや暗く美しいメロディ。

まさに構造的にブラームス

そうかあ~だから好きなんだ~

ってことに気づきました。



世の中には、あなたは太い声だから「くらい曲」

細い声の人は、明るい曲

って仕分けする人多いですよね。

でも、本当は、そういうこととは関係なく物事は存在するのだ。

って、考えてみるのはいかがなものでしょう?


自分が何に向いているか?

なんて・・・・・。

本当は、やってみるまで誰にもわからないんだよ


たまには、暗い曲でも・・・・どお?

エレンの歌

2012-09-12 19:21:32 | 歌曲
ウォルター・スコットの名高い叙事詩『湖上の美人』(『湖上の麗人』)

このドイツ語訳にシューベルトが作曲しました。

第3曲「アヴェ・マリア」が特に有名。

この曲は、あらゆる曲の中でも有名てかんじですね。


というわけでみんなが好きな「シューベルトのアヴェマリア」ですが、

これは暗譜で歌うのが大変

エレンの歌を3曲とも歌ったことがありますが、

通して20分ちょっと。。。。

これをすべて正確に暗譜するのは至難の業です。

本当に大変だった


「湖上の麗人」エレン・ダグラスが「戦いをやめて平和を!」

と、神に願うのが有名な第3曲「アヴェ・マリア」

ですが、原題は"Hymne an die Jungfrau"

つまり、「聖母への讃歌」です。

「シューベルトのアヴェマリア」というのは、通称かな?

ラテン語のマリア様へのお祈りの歌詞でできているバージョンもありますし。。。


しかし、"Hymne an die Jungfrau"

となると、またまたこの歌が難しくなります。

だって、ただ単に反戦の精神だけでは歌えないでしょ?

難しいなあ~

と思ったことを思い出し、

そろそろまた再挑戦してみましょうか?

と考えています。

ため息

2012-07-14 22:02:35 | 歌曲
ステファン・マラルメの3つの詩に、C・ドビュッシーとM・ラベルが作曲しています。

そうか・・・きっと良い詩なのだわ


「どれ!」と有名なドビュッシーの方から着手。。。



っていうか・・・・

うっかり、受講申込み出しっちゃったので、急きょ・・・・

本当に大急ぎです

だって、月末の駅伝コンサートもあるし、



しかし、やってみると、本当にドビュッシーの後期の作品っぽいです。

全体を通して、ennuiなかんじ・・・で

Wagnerを経験して、どうして?そっちへ?

と思いますが、そうでなくてはドビュッシーじゃないっていうのもわかる気が・・・・。


ドビュッシーの作品は、一見難しそうですが、どれも

いざ、譜読みして歌ってみると、そんなに難解でなくて。。いいかんじ

私は結構好きな方です。


来年はいよいよ、ドビュッシーの生誕150年という記念の年です。

たくさん、ドビュッシーが聴けることでしょう

私も頑張って練習して、レパートリーを増やしておこう~っと


つべこべ言ってないで、早く何とかしなくてては・・・・

梅雨バテ気味で“ため息”つきながら・・・・・・です。