声楽家PRIMULAさんの音楽雑談

演奏会の報告・お知らせなどを主に掲載していきます。日々の音楽観なども加えていきたいと思います。

美しい五月に

2014-03-23 13:28:16 | 日々の発見
Im wunderschoenen Monat Mai~

最初からちょっと発音するのに厄介なこのハイネの詩。

有名なのは“シューマンの詩人の恋”ですが、

ほかにもFranzなども書いています。

ヨーロッパの五月は、日本の春のように段々と順に進んでいく春ではなく、

ある日突然に始まる緑の季節です。

フォーレの“五月”ですとその辺をリアルに表現していて、

活動的な、むせ返るような躍動感があります。

でも、どうもこの詩には、メランコリックな感じや、センチメンタルな感じが漂っているようで、

周りの自然よりは詠んでいる本人の心情を表しているような雰囲気です。


フランス歌曲ですと、一つの詩に対して、様々な意見や見解があり、

その結果、曲となって形になったときに随分と違いが出てくるのですが

ドイツの歌曲ではその辺は違うようです。

ほんの少しの差はあるようですが、その詩のイメージは作曲家が変わってもほぼ違いはないようです。


先日ナタリー・シュトゥッツマンの演奏で聴きました。

女声の低い声というものは、大変に魅力的なものです。

彼女のようなコントラルトはあまりいないので、余計に価値が高いのですが、

歌うだけでは飽き足らず、最近は指揮のお仕事にもご熱心なんだそうです。

ん~

でも・・・・

本当にドイツ歌曲の魅力がわかる人には、よだれものの、良い演奏だったんだんだけどなあ~


心情の吐露。

これが語り口だけでなく、声そのものの伸びで表現できる人って

めったにいないんですよね~

特に、シューマンの“詩人の恋”はピアノパートはとても難しいし、

曲数多くて、大変だし、

最後まで歌うだけでも大変なのに・・・・。


ま、そんなわけで、シュトゥッツマンが存分に内面の表現ができる優秀な歌手だってことを再認識できた

良い機会でした。


今年のリサイタル

2014-03-15 16:42:52 | 日々の発見


なかなか暖かくならない今日この頃ですが、

皆様、お元気ですか?

最近は風邪をひきながらもなんとか慣れないパワポで印刷物作りに励んでいます。

画面で見ると光って見えるので、本当はもっと違う感じを想像していたのですが、

印刷し、更にスキャンで読み込むと、ぼけた色合いになってしまいます。

ちょっと残念ですが、本当の色は「茄子紺」

もう一枚、フォーレの会のチラシはどんな色にしたら残念にならないでしょうか?

難しい問題です。



さて、大急ぎでドイツ歌曲の歴史を追いかけるシリーズの第一回目。

モーツァルトから、ヴォルフまで

形式的には有節歌曲を中心に、

詩的にはゲーテのミニョンを中心に、

少しずつ変わっていく様子を各作曲家の代表作とともに

演奏し、味わってみようという企画

違いが判るように演奏できるよう、只今奮闘中