EIの猛禽ハヤブサの調教日記

私が飼っている猛禽類、特にハヤブサの飼育、調教状況を写真とともに日記にしています。

ヒチコック「鳥」

2009年02月15日 | Weblog

昨日は、カラスの群れは見つからなかったが、サーシャは猟欲旺盛で住宅街に逃げ込んだカラス数羽を追いかけていた。

今日もカラスの群れは、見つからなかった。

ハシブトガラスは、田んぼに進出しているとはいえ、やはりジャングルクロウで、主な生活圏は森や林なのか。

そこで、苦肉の策でカラスの比較的多いところで飛ばすことにした。

地形的には、小高い山になっていて主に雑木林で牛小屋や畑が少々。住宅もある入り組んだ場所。

ルアーリングするスペースなんかないので、どう考えてもハヤブサを飛ばすのは変。カラスがたくさんいることがあったので前から気になっていたが、スペースがないので今まで飛ばすことはなかった。

しかし、獲物がいないところで飛ばしても仕方がない。

いつもの田んぼから直線距離で2km以内にあるので、はぐれたらいつもの田んぼで待ち合わせ。というちょっとかったるい作戦。

いざ、グローブからスタートしようとした時点でカラスたちは大騒ぎで上空に大群が待機している状態。

それでもかまわず飛ばす。

そうしたら、周りの林や住宅からカラスが出るわ出るわ!まさにヒチコックの映画「鳥」の様相。通りがかりの人もビックリ。300羽以上いたんじゃないかと思われる。もう、空中カラスカラスカラス!今まで100羽を越えるカラスの群れは見たことがあるが、こんなのは初めてだ。

フィストスタートで上空にカラスの群れがいるとさすがにハヤブサでもしばらくの間追われる。

ぶわーーーっと大群に追われるサーシャ。でも、実際に追っているのは50羽くらいのもの。あとは、舞い上がっただけのようだ。

サーシャもカラスたちを振り切るのが精一杯でいつもの田んぼに帰って行った。

で、来期に向けて場所慣れの意味もこめて何度もそこで飛ばした。何回か飛ばしたら場所慣れしてきたようだが、狩りの行動にまでは発展しなかった。ハヤブサには適さない場所ではあるが、やる気にさえなればチャンスはあるだろう。

ということで今期、涙の坊主。

まあ、サーシャはよくがんばった方だと思う。結構楽しめた。

サーシャ、ありがとう!

体重789g。

結果は出せませんでしたが、応援してくださった皆様、ありがとうございました。

 


今シーズン最高のパフォーマンス

2009年02月11日 | Weblog

1回目、いつもの田んぼでカラスを狙う。

建物のすぐ隣の畑で30羽ほどのカラスが餌をついばんでいた。

300mほど離れた電柱にサーシャを上げる。少しすると、スタートした。

電柱2本分くらいの高さでユラユラ、ソアーしている。

カラスからは、建物で見えにくい方向から近づいているようだ。

そして、建物の屋根を越えるとサーシャはすぐさま襲撃!テールチェイス!

電柱の高さより、やや低い位置であっけなくカラスに追いつき、私の目の前でカラスの腰辺りに掴みかかる。

ガサッ!

サーシャの爪がカラスに接触した音が聞こえた。

「ギャー!」というカラスの悲鳴。

「やった!」

と思いきや、またはずされた。こう何回もはずされるのはなぜか?

前から気にはなっていたのだが、訓練を毎日しているとどうしても爪が丸まる。

やはり、爪の鋭さが足りないのだろう。家に帰って、サーシャの爪をナイフで研いだ。

恥ずかしながら、爪を研いだのは初めてだ。

そういえば、「天皇の鷹匠」という本にハヤブサは、爪を鋭くしておかないと攻撃力が半減すると書いてあったな。

気を取り直して2回目。

カラスの群れは、田んぼに40羽ほど。

サーシャを放すと、数百m離れた場所でソアーし始める。どんどん上がって、150m~200mくらいの高さでソアリング。

カラスは、逃げずに田んぼで食事中。

いい感じ。あそこから一気に急降下するのか?

クルマの中で固唾を呑んで、ビデオカメラを構える。

期待通り急降下!

しかし、視界から消えた。

「あらら、どこ行っちゃったのよー!」

クルマから思わず降りたとき、カラスの群れがいっせいに飛び立つ。

サーシャだ!いつの間にかカラスの群れに襲い掛かっている。

速い!スピードが乗っている。

きっと、遠くで下りてスピードをつけて住宅街を遮蔽物に利用し、襲撃体勢に入ったのだろう。サーシャなりに工夫しているようだ。

しかし、爪をかけるところまでの惜しい攻撃はなかった。

3回目は抜き打ちでグローブからスタートしたが、あっけなく逃げられた。

4回目、電柱からスタート。テールチェイス型で襲撃。1羽のカラスをしつこく追跡。やや上からの急降下攻撃を加えるとカラスは行く手を失い、地面に下ろされる。尚もサーシャは、反転して地面のカラスに急降下。

しかし、すぐ隣の植え込みに逃げられ、ジ・エンド。

その後も他のカラスを追うが、お屋敷の中の大木にみんな避難してしまった。

悔しかったが、これだけやる気を出してくれるとやりがいがある。

爪を研いでいなかったのが悔やまれるが、前向きに行くしかない!

ハヤブサがやる気になれば、障害物がある場所でも十分いけそうだ。

体重789g。餌90g。


カラスの逃げ足早まる

2009年02月08日 | Weblog

今日は狭い方の田んぼエリアにカラスが30羽ほどかたまっていた。

カラスから住宅などの遮蔽物で見えないところでサーシャを放した。カラスからの距離は300mほど。

サーシャは、カラスには関係ない顔をしてソアーし始める。

カラスたちは、田んぼで採食している。

サーシャは、遠くの方で100mほどの高さでソアリング。近づいたり、遠のいたり。

2年前にクロウハンティングを成功させたシーンを彷彿とさせる。

カラスを驚かせないようにいい感じ。慎重に慎重に。理想的な近づき方だ。

しかし、ある程度近づいたところでカラスの群れは、バーッと一気に避難してしまった。エリア一帯では、50羽以上ものカラスが飛び立って避難していた。

サーシャは、急降下攻撃するチャンスさえ与えてもらえなかった。

ここまで警戒されてしまうと、難しい。

こうなると、100羽以上の群れになってもらって気を大きくしてもらうか、500m以上に高度を上げてそこから一気に急降下攻撃に移るかの条件が必要になるということか。

体重810g。餌100gほど。

明日は休み。

 

 


狩りのスイッチオン

2009年02月07日 | Weblog

「チャンス!」

広い田んぼエリアにカラスが30羽ほどいた。

これで、狩りモードにならなきゃいつなる?

サーシャを放すと、ガーッと直線的にカラスの群れに向かっていった。

カラスとの距離は、300mほど。

雲の子を散らすように逃げるカラス。ビクビクしたカラスの集団は、逃げ足も速い。

しかし、距離をつめていくサーシャ!

どうかな?

「あっ、あきらめた。」

あっけない幕切れ。

やはり、直線的に飛んでいってしまうと追いつかないものだな。

1羽をねらってアタックを仕掛けるまでつめられなかった。

高く上がり、ソアーしながら近づいていって欲しかったが、気持ちが逸ったか?

まあ、狩りモードになっただけでも良かった。

その後、やや離れたエリアまで飛んでいって、キジバトの群れに真っ逆さまに急降下して地面近くに追い詰めていた。残念ながら獲れなかったが、その動きは好調さを感じさせた。

キジバトを獲り損ねてからソアーし、50m~100mくらいの高度で遊んでいた。

すると、どこからともなくノスリがやって来た。

サーシャとの距離は500m以内。高度は、ほぼ同じ。

どうするかな?と見ていると・・・

ノスリにガーッと勢い良く突っかかって行った。

ハヤブサに攻撃されるとノスリは防戦一方になってしまうようだ。

時おり、ノスリは白い腹を見せて高空で翻っている。vsトビのときと同じようになっている。

ノスリのやや上空からアタックを続けるサーシャ。

上へ上へ逃げていくノスリ。

しつこく追っていくサーシャ。

やがて、2羽とも見えなくなるまで高度を上げていった。

ルアーを振ると、姿を確認できるまで高度を下げてきた。

ホイッスルを吹くとその高度から、翼を窄めて一気に急降下!

一発目でルアーを掴ませた。

爽快!!

ノスリにアタックを本格的に仕掛けたのは、今日が初めてだった

カラスは獲れなかったけど、楽しい日だった。

体重805g。餌85gくらい。

 

 


ハヤブサの気持ち

2009年02月05日 | Weblog

今朝は、体重786g。狙ったところまで下がった。

田んぼに行ってみると、カラスたちは20羽ほどで少なくなっていた。

サーシャを放すが、待ってもカラスにアタックする様子はない。

電柱に止まったときに、モビングに来るカラスにも知らんふり。

どうしたことか?

カラスの群れが数羽ずつ田んぼのあちこちに点在していて、1箇所にかたまっていないから猟欲をかきたてられないのか。

いや、モビングに来るカラスに反撃しないということは、何か気持ち的なものに違いない。

この前、獲り損ねて落ち込んでいるのかもしれない。

飼い主とすれば、惜しかったのでやる気が出るかと期待したのだが・・・

そこが人間の考えることとハヤブサの気持ちの違いなのか?


ベスト体重は?

2009年02月03日 | Weblog

今朝もありがたいことに、カラスたちは地元の田んぼにいた。

50羽ほどが少しずつわかれて小集団で田んぼに点在している感じ。

しかし、今日もサーシャはアタックせず。ルアーを出すことを待っている様子だった。 苦労して狩りするところまでは、腹が減っていないのだろうか。ハヤブサの場合、体重を減らせばいいというわけではないので、その辺の調整加減が難しい。

やはり、体重が重すぎるのか?

今朝は、805gほどの体重。

今シーズン、積極的にアタックした体重を過去の日記で調べてみると780g台の日が多い。

明日、1日我慢か。


カラス今朝も50羽ほど

2009年02月02日 | Weblog

今朝も期待して地元の田んぼに行ってみると、いるいる50羽ほどのカラスの群れ。

しかも、田んぼに下りている。

300mほど離れたところでサーシャを放し、私はカラスの方へ向かう。

サーシャは、知らんふりしているので本当はやりたくないが、ルアーをチラッと見せる。

すると、直線的に素早く飛んできてしまったので、昨日と同じようにカラスたちは、避難してしまった。

ルアーを隠す。

サーシャは、クルクル円を描きながらソアーを始める。

やや、離れるとカラスたちが10羽ほど田んぼに戻ってきた。

ソアーしながらサーシャがカラスの方へ近づく。

逃げたカラスもいたが、残っているカラスもいる。

サーシャアタックに行くかな?と見ていたが、行かない。

とうとうカラスは、全部いなくなった。

今日は、カラスたちは資材置き場にも残らず、ずっと遠くへ行ってしまった。

昨日怖い思いをしたからだろうか?

それから、30分後に同じ場所(田んぼ)を通ったが、カラスは見当たらなかった。明日いてくれるだろうか?

サーシャは、行く気がなかったのか。それとも行くタイミングがなかったのか。

飼い主の目からは、やる気がなかったように感じる。

気分屋のハヤブサゆえ仕方ないのか。

体重790gくらい。餌85g。


帰ってきたカラス

2009年02月01日 | Weblog

寝坊して昼過ぎに狩りへ。

山間のカラスのたまり場に行こうと移動中、地元の田んぼにカラスの群れ発見。全部で50羽くらいか。

すかさず、サーシャを800mほど離れた場所で放す。

上げ鷹で狙う。

カラスのいる方へクルマで移動し、サーシャを誘導する。

しかし、サーシャは低く飛んできてしまい、カラスたちは雲の子を散らすように逃げてしまった。

カラスたちは凄く警戒心が強い。

サーシャも「これはいけない!」と思ったのか、一度その場所から離れ、1kmくらい離れたところで50mくらい上空に上がった。

田んぼにちらほらカラスが下りて餌を探し始めた。

5分くらいするとサーシャは、再びこちらへ帰って来て、今度は50mくらいの高さからアタックを開始した。

田んぼのすぐ近くの木々にカラスたちは避難した。

しかし、サーシャは木に止まっているカラスたちに急降下で脅して追い立てる。

飛び立ったカラスにやや上からアタック!

「ウォッ!」

接触!

カラスの背中辺りにサーシャの爪が掛かったようだ。

しかし、外れてしまい取り逃がした。

おっしい!

その後、私も木の下からカラスたちを追い払って飛び立たせる。

それを上から狙うサーシャ。

タイミングが難しい。人間がいいと思うタイミングとハヤブサがいいと思うタイミングが違うようだ。

惜しいのがもう一回あったが、獲れなかった。

獲れはしなかったが、久々にエキサイティングだった。

サーシャは、かなりの回数アタックした。

「もうこの辺でやめておこう。がんばっても獲れなくてかわいそう!

サーシャをフィストコール。

手元に戻ってきたとき(今日は、入り組んだ場所のためグローブに呼んだ)少しハーハーしていた。

「よくがんばったな!えらいえらい。」とほめてあげたい気分だった。

その大立ち回りをした場所は、資材置き場みたいになっていて木が点々と生えているところで、ハヤブサにとってはやりにくいと思うが、そんな場所でも獲れる可能性を見出せたのは収穫だった。

それにしても昨日に引き続き、風が結構強かった。

2回目は、やむを得ず風下から抜き打ちで狙ったが、あっという間に逃げられてしまった。

カラスたちが地元に帰って来てくれたなら、平日の朝でも狙えるのだが、どうだろうか。

体重783g。餌85g。