ユーニッヒ

仕事の話もたまには書くかもしれません。

平安京のジオラマ

2024-05-06 15:50:50 | 日記
 京都市平安京創生館には、平安京の1000分の1のジオラマが
展示されています。平安京は東西4.5km、南北6,2knです
から、その1000分の1のジオラマは大変に迫力があります。
平安京の中央には、南の端に位置する羅城門から大内裏にまっすぐ伸びる
朱雀大路があります。実際の道幅は、80m以上あり、1000分の1
模型においてもその道幅の広さが際立ちます。朱雀大路の両側には高い塀が
続き道幅が広いにもかかわらず圧迫感のある光景です。朱雀大路の両側には
碁盤目に東西南北に通された道で整然とした対称な町が見えます。

 ボランティアの方の解説がありました。朱雀大路の西側の右京は湿地で
あったために、人がいなくなり左京だけが都としての機能を持ちました。
朱雀大路は、人々の敷地に取り込まれ、今の千本通りが朱雀大路に対応する道
とは言え、細くなり、道も曲がってしまいました。平安京にあって今に
伝わるものは、東寺と神泉苑だけであり、「他はなんにも今に残っている
ものはありません」。

 創生館を後にして、錦市場に行きました。京都に行くと、毎度のことです。
コロナがあり、7年ぶりの京都であり、錦市場です。錦小路通に足を踏み入れると、
大勢の外国からの観光客がいました。錦市場は、その場で食べさせたり、飲み物を
飲ませたりする店が増えました。前回来た時にはあった、学生時代に来たことのある
肉屋がなくなってそのような店になっていました。飲食店目当ての観光客の多さに
前に進むのもままならず、目当ての店を見つけることができませんでした。

 余りの変化に、「私の知っている京都はなくなった」と思いました。そして、
ボランティアの方の平安京にあったものは何も今に伝わらないという言葉が
頭に浮かびました。平安京の建物は今に伝わりません。現代京都の碁盤目の道は
いかにも平安京の道を伝えるようですが、道幅が変わっているのは朱雀大路に
限りませんし、同じ名前の道がずれて走る例もあります。ボランティアの方の言葉は、
都市は変化するという事実を述べたに過ぎないかもしれません。しかし、その方は昔から
京都にいるような年齢の方でした。「京都は昔も今もすっかり前とは変わってしまった」と
いう寂しさを表しているように思えてなりませんでした。

一乗谷

2024-05-03 17:13:19 | 日記

城下町を建設しましたが、最後の当主朝倉義景が織田信長に滅ぼされた
ときに、信長が破壊してしましました。しかし現在その町が復元されて
います。一乗谷に行ってきました。

 福井駅からタクシーで一乗谷に行きました。まず行ったのは、一乗谷朝倉氏
遺跡博物館です。ここでは、朝倉氏の歴史を知ることができるほか、館掘り出されて
そのまま保存された遺構を見ることができます。石が敷き詰められた遺構で、荷揚げに
利用されたなどいくつかの利用目的が推定されています。当時の人が造った施設そのもの
ですから、戦国時代の光景を実際に見ることができます。また、朝倉氏の館が復元されて
います。京都の寺院のような立派な建物で、都から遠く離れていますが、一乗谷が経済的にも
文化的にも豊かな地域であったことがうかがえます。

 復元された町並みは、博物館から2キロ以上先にあります。路線バスが走って
いますが本数が少なく、今回は歩いて町並みに向かいました。歩道の整備された
自動車道を歩いていきます。自動車はあまり通りませんし、歩いている人は誰も
いませんでした。道は小高い山に挟まれています。静寂と自然の中を歩いていきます。

 復元された町並みでは、武家屋敷の門と塀、庶民の家、中級武士の館が復元されています。
これらにより当時の町が再現されています。復元された家屋は中に入ることができます。
各家の中に井戸があり、家の中で水の供給が受けられるのは今と変わりません。
しかし、現代人から見て快適な家ではなさそうです。庶民の家は、板の間二間だけと
かなり狭いものでした。囲炉裏がありますが、暖鳩にくいでしょう。隙間風は入り放題で、
冬の生活は厳しそうです。中級武士の屋敷は、庶民の家に比べれば敷地は広く、屋敷も
大きいものでした。しかし、部屋数は3つ程度でどれもそれほど広くなく、意外と
質素な印象を受けます。ここでは厠が復元されています。厠は外にあって小屋の中に
穴を掘っただけの構造です。

 復元された町並みからは、タクシーで福井駅に向かうことにしました。しかしタクシーが
なかなか来ず、長い時間をそこで過ごしました。夕方になり、付近に人がいなくなり、車も
稀にしか通らず、音のない世界になりました。町並みは復元されても織田信長の破壊により
二度と賑わいは戻りません。城下町は今も静かに眠っています。
6px;">