パース日本語キリスト教会

オーストラリア西オーストラリア州パースに有る日本語キリスト教会の活動報告を掲載いたします。

日曜礼拝 2024年1月28日

2024-01-29 10:30:28 | 日曜礼拝
礼拝音声

聖書箇所:ローマ 16:25-27
説教題:神はあなた方を堅固にできる

導入)
  本日の箇所は、ローマ人への手紙の結びの言葉です。簡潔に述べれば、「神に栄光があるように。」と言っているのですが、私たちの神がどのような方であるかをパウロは説明しようとしています。日本語訳では分かりにくいのですが、原文の構造では、最初に神に、と書き出して、その神がどのような神かを説明している節、「神はあなた方を固く立たせることができる方です。」が、続いているのです。(関心の有る方は、文末の構文のチャートをご覧ください。)神が私たちをどのように固く立たせてくださるのかを見ていきましょう。

本論)
私達の用いている聖書では、25節26節の表記が併記されています。原文を節ごとに完結するように訳すことが難しいので、併せて訳して節の表記を並べて表示してあるのです。

25節、26節 「固く立てる」と訳された語は、堅固にする、固定する、強くするという意味があります。神は私たちの信仰を強め、堅固にしてくださる方なのです。この語は、もう一箇所、1章11節で用いられています。パウロがローマのクリスチャンに会って、彼らの信仰を強めたいという願いを述べるところです。しかし、パウロは手助けをするだけで、実際に彼らの信仰を強くするのは、神だということになります。
  イエス・キリストの宣教という言葉は、イエスがどのようなお方であるかということの説明、明言により焦点の有るものです。一方、それは、先に示された福音の一部と言うこともできます。というのは、福音、良い知らせ、というのは、イエス・キリストによる救いのことだからです。
  パウロは、この福音とイエスの宣教は奥義の啓示に基づいていることを続けて述べています。啓示ですから、神が示してくださったということです。奥義と訳された語は、英語ではmysteryと訳されます。一般的にはmysteryは、不可思議なことを表しますが、パウロが用いる時は、この箇所で彼自身が示しているように、「(過去に)隠されていたが、今や現されて(いる物事)」という意味です。
  では、その奥義、過去には隠されていたが、今は明らかにされていることは何でしょうか。パウロは、それが預言者たちの書によって啓示されたと述べています。また、奥義は福音とイエス説明の基となっているとしています。すると、奥義というのは、神の救いのご計画の全体と、イエスによって完成された救いの内容の詳細ということになります。ここで、預言書を全て確認することはできませんが、以下の内容が含まれていると理解できます。
1)キリストのダビデの子孫としての受肉
2)キリストのメシア、救い主の証拠となる奇跡(盲人の目を癒すことは、モーセやエリヤも行わなかった奇跡であり、預言されていたものです)
3)キリストの、信じる者の罪を贖うための受難、死、よみがえり
4)キリストによってユダヤ人と異邦人が神の国の共同の相続人になること
これらのことは、イエスによって語られるまでは不明確であったことであり、イエスの福音と宣教によって明らかになったのです。因みに、パウロは異邦人に遣わされた使徒でしたから、4)に強調点が有ると考えることもできます。パウロは「あらゆる国の人々」に知らされたという表現をもって、異邦人であるローマのクリスチャンが救いに含まれることを再確認しています。勿論、異邦人に救いが及ぶことは旧約聖書にも預言されています。ザカリヤ2:11が一例となります。
  パウロは、更にもう一つの要点を書き加えています。原文の構造では、奥義が啓示されたのは、あらゆる国の人々を信仰の従順に導くためであると理解できるようになっています。奥義の啓示は、私たちの信仰の従順という結果につながらなければならないのです。それが奥義の目指すところなのです。しかも、パウロは1章5節において、彼の使命は異邦人を信仰の従順に招き入れることだと既に述べているのです。彼は、1章で、信仰を強くすることと、信仰の従順について述べ、更に手紙を閉じるにあたってもう一度そこに言及して強調しているのです。

27節 ようやくパウロは神への賛美の言葉をもって手紙を締めくくります。神に対して「知恵に富む」という言葉と「イエス・キリストによって」という言葉を付け加えたのは、福音と救いのご計画の背後にある神の知恵が、イエス・キリストによって明らかにされ、実行され、完成されたからです。私たちも、この神の恵みに感謝して、同様に神に栄光を捧げる告白を日々することが必要です。


まとめ)
  パウロは、信仰が堅固にされることと、信仰の従順に繰り返し言及しました。それが、ローマ人への手紙の目的です。彼は15章にわたってイエス・キリストへの信仰を説明しました。しかし、その結論は、それらは神によって与えられるということでした。皆さんは、信仰を強く、堅固にされたいと思うでしょうか。その上で、心に留めておくべきことがあります。

1)純粋で正統な福音を保持すること
  パウロは、「私の福音」と表現しました。それは、パウロが作り出した福音ということではありません。強調点は、彼が使徒として語ったと言う事実にあります。使徒というのは、主人の言葉を忠実に伝える伝令という意味があります。彼が伝えた福音は、直接イエス・キリストから啓示されたものであり、忠実に人々に伝えられたということです。
  私たちは、福音の骨子を説明でき、それを心に留めている者でなければなりません。唯一の創造主なる神、人間の堕落、罪とは何か(神の御心に適っておらず、神と断絶していることです)、贖いを通して神との関係を回復する必要が有ること、そのことを通して神の国に入れられること等です。

2)正しいイエス・キリストの理解を保持すること
  イエス・キリストの宣教(英訳ではproclamation)はパウロが述べたもう一つの信仰を強くする要素です。それは、イエスがどういう御存在であるかということを明らかにすることと考えられます。ですから、私たちは、イエスがどういう方であるかを知り、説明できなければなりません。また、イエスが弟子たちに教えられた内容を知っていなければなりません。神の国と神の義を先ず求めること。山上の垂訓が教えるように、完全に神に信頼すること。最後の晩餐で命じられたように、神を愛し、互いに愛し合うこと。これらのことが心に留まっている必要があります。

3)旧約聖書のメシア預言を心に留めること
  旧約聖書には、イエス・キリストについての預言が多く見出されます。それらの全てがイエス・キリストによって実現しました。数百年から数千年も前に預言されたことが、成就したのです。ですから、私たちはイエスが確かにメシアであり救い主だと確信するのです。その確信と、神の恵みへの感謝が、私たちを信仰の従順に至らせなければなりません。その心が有るならば、それに基づいた行いが伴わなければなりません。木は実によって判断されるのです。

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