Pixysのポジティブライフ

困難に立ち向かうアラフィフの日常
働いて働いて働いて働いて、たまに旅に出る

消えていく町

2006-11-23 23:36:39 | 泣ける話
明日、父が市営住宅の申込みにいくそうだ。今は公団にいるが古い地域のために、老朽化や防災面などから建替事業がスタートした。

私が以前通っていた小学校は、近くの小学校と統合されて違う場所に建つことになる。小学校のあった場所には、新しい公団が立つ予定になっている。また私の育った家(両親の家)は、近々取り壊されることになり、その場所は緑が生い茂る公園になる計画となっている。町全体がまったく新しいものに変わっていく。だがもともと借りて住んでいたのだから、文句を言える立場でもない。地域に住んでいる人達は移動をよぎなくされた。

今はもう随分と解体が進み、実家の棟を残して周りは全て何もなくなっている状態。今まで建物に隠れて見えなかった山々や線路が、何もない向こう側にはっきりと浮かび上がる。たまに見えるのは建物を解体しているブルドーザーや瓦礫の山。
「どっかでみたぞ・・・この感じ。そうだっ、竜巻災害にあった地域によく似てる。」自然にではなく人の手で壊されていく町がそこにあった。
その中に家の棟だけが、ぽつんと残されたまま佇んでいる。うちの棟は5件。すぐに出る事のできない人達が移動してきていた。

そして、私の実家やふるさとは跡形もなく消えていく。
人生にはほんとにいろいろな事がある。まさか自分のふるさとがなくなるとは思いもしなかった。親が新しいきれいな家に移動したとしても、私の通っていた学校や友達や少女時代を過ごしたあの家以外に、私のふるさとは存在しない。

「もう、そんなに大人になっちゃったんだなー。」と、妙な気持ちで、消え行く町を眺めながらカメラにおさめていたら、寂しいような、情けないような、わけのわからない涙が頬を伝って落ちた。
・・・・・本当に年をとってしまったようだ。