ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【論】Berrar,2006,Instance-based concept learning ~

2006年06月24日 13時58分54秒 | 論文記録
Daniel Berrar, Ian Bradbury and Werner Dubitzky
Instance-based concept learning from multiclass DNA microarray data
BMC Bioinformatics 7:73, doi:10.1186/1471-2105-7-73.
[PDFダウンロード][Webサイト]

・アレイデータを用いた遺伝子のクラス分けの手法として、次々と複雑な方法が登場している。しかし、結局のところ昔ながら(?)の、直観的にアルゴリズムの理解が容易なNearest Neighbor法で十分な結果が出せる。
・比較したアルゴリズム
1.k-NN : distance-weighted k-nearest neighbor
2.SVMs : support vector machines
3.DT : decision tree C5.0
4.MLPs : artificial neural networks, multiplayer perceptrons
5.NN : 'classic' nearest neighbor classifiers (1-NN, 3-NN, 5-NN), majority voting
・アルゴリズムの評価法 : a ten-fold repeated random subsampling strategy
・データ
1.NCI60 : 60 human cancer cell lines of various origins, cDNA [Scherf]
2.ALL : 327 pediatric acute lymphoblastic leukemia samples, Affy. [Yeoh]
3.GCM : Global Cancer Map, 198 specimens of predominantly solid tumors, Affy. [Ramaswamy]

・現況「Simple instance-based classifiers such as nearest neighbor (NN) approaches perform remarkably well in comparison to more complex models, and are currently experiencing a renaissance in the analysis of data sets from biology and biotechnology.
・問題点「Microarray data analysis is beset by the 'curse of dimensionality' (a.k.a. small-n-large-p problem)[4]. This problem relates to the high dimensionality, p, i.e., the number of gene expression values measured for a single sample, and the relatively small number of biological samples, n.
・概要「This paper focuses on a simple and intuitive model, the k-nearest neighbor based on distance weighting, for the classification of multiclass microarray data and aims at addressing the aforementioned key limitations of previous comparative studies in this field.

《チェック論文》
・Tsai CA, Lee TC, Ho IC, Yang UC, Chen CH, Chen JJ., Multi-class clustering and prediction in the analysis of microarray data., Math Biosci. 2005 Jan;193(1):79-100. Epub 2004 Dec 28.
・Alter O, Brown PO, Botstein D., Singular value decomposition for genome-wide expression data processing and modeling., Proc Natl Acad Sci U S A. 2000 Aug 29;97(18):10101-6.
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【鑑】室蘭工業大学 ピアノコンサート

2006年06月23日 21時07分09秒 | 鑑賞記録
室蘭工業大学 ピアノコンサート
2006.6.23(金)16:00開演, 室蘭工業大学大学会館 多目的ホール, 入場無料

第一部  神野留美子
ショパン マズルカ Op.7-1
ショパン ワルツ イ短調 遺作
ショパン ワルツ Op.64-2
グリーグ ノクターン Op.54-4
ショパン ノクターン Op.15-2
ショパン ノクターン 嬰ハ短調 遺作
リスト 「12の練習曲」より Op.1-9

第二部 ピアノ連弾  神野留美子 神島香織
モシュコフスキー スペイン舞曲 Op.12-1
エルガー 愛のあいさつ
ブラームス ワルツ Op.39より 1・2・3・4・15
ブラームス ハンガリー舞曲 第2番
アンコール 加古隆 黄昏のワルツ

・工大の前学長の田頭先生が今年退官し、大学に寄贈したピアノのお披露目コンサートでした。田頭先生は大の音楽好きで、大学のオーケストラもずいぶん可愛がってもらいました。
・地元室蘭のピアニストの演奏。私は面識の無い方でした。メジャーな曲とマイナーな曲を織り交ぜたプログラム構成。
・会場のせいか、楽器のせいか、奏者のせいかはっきりしませんが、音はモコモコとして高音がはっきりしない印象。調律は前日にかなり念入りにやっていたとの話でしたが、どうもイマイチ。新品のピアノは扱いにくいとかあるのでしょうかね。それとも湿気が多いせいかな。
・愛のあいさつ:メロディー中、一ヶ所#が抜けて脳天ブチ抜く衝撃。心臓に悪い。
・やっぱりショパンは難しい。。。なのに、聴く方も弾く方も大好きなんだなぁ~ こうなると"魅力"と言うよりももはや"魔力"ですねぇ。
・演奏後、神島さんが何故だかウルウルきてました。師匠との共演で感極まったのでしょうか。
・今後のピアノの行く末がかなり心配です。そうそう使用する機会はないでしょう。少なくとも年に一度は、今回のような演奏会をやってほしいものです。
・客数約200名[目測]:会場にほどよく収まる人数。学内と学外の人がちょうど半々ほどでした。
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【本】グレン・グールド 孤独のアリア

2006年06月22日 18時47分44秒 | 読書記録2006
グレン・グールド 孤独のアリア, ミシェル・シュネデール (訳)千葉文夫, ちくま学芸文庫, 1995年
(Michel Schneider, Glenn Gould Piano Solo : aria et trente variations)

・音楽家を含むいわゆる芸術家には、奇人・変人と称される人間がたくさんいます。その中にあって横綱級の伝説のピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)について。著者がフランス人なので、てっきりフランスにゆかりが深いのかと思ったら、グールドはカナダ国籍でフランスと特別な縁があるというわけではないようです。文章がとても詩的で、通常の伝記物という雰囲気ではありません。
・その名はよく目にしますが、その演奏にはあまりなじみがありません。私が持っているグールドのCDは、ゴルドベルク変奏曲の新盤とブラームスの協奏曲の2枚だけ。そんなに聴きこんでいるわけではないので、今度ちゃんと聴いてみようかという気になりました。
・「ぬるま湯につかったような態度で音楽に接する人々や、音楽を聞きながら夢想や計算をやめずにいられる人々に比べれば、音楽に恐れをなして逃げ出してしまう人々のほうがよかった。」p.11
・「「わたしが好きですか」と、ひっきりなしに訴え、取り入り、迫ろうとするのがソリストだ。」p.13
・「つかまえられた鼠が外に出ようとして檻の垂木をひっかくように、ピアノをひっかく自分の姿が見えたのだ。」p.17
・「それでも優れた文学作品あるいは哲学的著作をよく読んだということは知られており、これはソリストとしては異例のことであるといってもよい(一般に音楽家はあまり本を読まない)。」p.35 これは偏見だろう。。。
・「また午前四時に友人たちに電話し、ある曲を九小節ばかり弾いてみせ、曲名をあてるよう迫るのだった。」p.41
・「ほかの人々は「どんなふうに」と問いを発しながら演奏するように思われるのに、彼は「なぜ」と自分に問いかけながら演奏した。」p.65
・「彼の晩年の生活の本質的部分は金を中心として動いており、彼にとって金は特別な重要性をもっていたと語っている。」p.66
・「彼はほとんど眠らなかった。風呂に入るにも手袋をはめていた。手でじかにものをつかもうとはしなかった。とくに他人の手を握ろうとはまずしなかった。」p.68
・「芸術の目標はアドレナリンを瞬間的に分泌させることにあるのではなく、一生をかけて驚きと静けさの状態を少しずつ構築してゆくことにあると彼は考えていた。」p.69
・「生涯を通じて彼はあまりものを食べなかった。実際はほとんどなにも口にしなかったといってもよい。多くても一日に一回だけで、決して肉は口に入れなかった。野菜も同様だ。「野菜は呪われている」と彼はいっている。演奏旅行中や録音期間中はさらに食べなかった。十日間なにも固形物を食べてないと言ったこともある。」p.71
・「彼は極寒のさなかに熱さを手に入れ、虚空に身をささえ、果てしなく遠い距離のなかで近さを求めた。」p.73
・「だが彼はピアノをあえて反ピアノ的なやり方で演奏し、「けっしてピアノにはふさわしくない音色」を偏愛する。彼にとってピアノは牢獄だった。ほかのピアニストが一日に二時間から五時間ほど弾くのに対して、一週間に何時間か弾くだけだった。」p.78
・「スタジオ録音が絶対的にすぐれているとするグールドの主張は間違っていた。」p.80
・「グールドのレコーディングの伴侶となったピアノはスタインウェイCD318であり、このピアノは1938年ないし39年に製造されたものだったが、グールドは1960年を起点としてこのピアノに全面的な改造を加え、その後七年間にわたってこの作業はつづけられた。垂直方向では鍵盤の重さがありながらも、水平方向では鍵盤どうしのあいだにすき間があり、指を震わせることによって、押さえた音の響きが保てるという、スタインウェイとは相容れないと思われる特徴をもつピアノを彼は求めていた。」p.91
・「まるで彼と音楽のあいだには、もはやピアノは存在せず、ピアノのなかにみずから解体して、区別がつかなくなるように願っているとでもいうかのようだった。「ピアノに向かうグレン・グールド」ではなく、「グレン・グールド・ピアノソロ」というべきなのだ。」p.101
・「録音ディレクターのハワード・スコットが言う声がピアニストの耳に聞こえてきた。「あまり大きな声で歌うもんだから、ピアノがほとんど聞こえないんですよ。」――「ハワード、ぼくじゃなくてピアノのせいさ。ピアノのほうが弱いんだよ。」こう答えた彼の頭に突飛な考えが浮かんだ。「ガスマスクをつけて演奏すれば、ぼくの歌は聞こえないだろうな。」」p.104
・「そして最後に、音楽はまずもって音響的物体、物理的出来事をつくりだすことではなく、また心理的状態をつくりだすことでもなく、精神的完成の探究にほかならないということである。つまり音楽は非実体性に向かうのだ。」p.115
・「レナード・バーンスタインが語るのもそのことだ。「問題は、われわれ演奏家が、演奏を聴くひとりひとりの人間すべてから個人的に愛されたいと望んでいることにある。」」p.141
・「グールドはひとりではなかったし、孤独な人間でも自己を失った人間でもなかった。彼は孤独のなかにいた。」p.189
・「他者なしでやってゆくという要求を極限まで推し進めて、みずからライナー・ノートを書き、録音、編集、ミキシング、製作などをやり、自分の演奏の批評も書き、なんとも形容しがたい自己対談を発表した。カナダのラジオ局CBCのディレクターだったジョン・リー・ロバーツの語るところによれば、グールドはどの瞬間にあっても完全に意識的であり、自分をコントロールしようと思っていたという。」p.200
・「芸術は存在しないかもしれないというだけではない。芸術はおそらく存在すべきではないのだ。「ぼくは芸術にみずから消滅するチャンスを与えなければならないと思っている。」」p.215
・「最後の何ヵ月かのあいだに読んだ一冊の本が頭から離れなくなった。夏目漱石の『草枕』である。東洋的叡智の書物それとも神秘思想の書物というべきなのかどうか、わたしにはよくわからない。」p.234
・「グールドを語る断片が<ゴールドベルク変奏曲>のアリアと三十の変奏のスタイルをとってあらたにならび変えられるなかで、揺り籠にも棺にも似たピアノという孤独な楽器の運命と狂気を語るメランコリックな声が通奏低音のように聞こえてくる。」p.252
・「グールド自身も多くの文章を書いた。だが、それ以上に、グールドは人をして多くを書かしめた。」p.255
・「彼の演奏は、たしかに伝統的な慣習からはずいぶん遠いが、しかし、けっして気ままなものでも、恣意的なものでもなく、すべての音と動作が"必然に貼りついている"。この"必然性"こそが、グールドが私たちを捕らえて離さない力なのだ、と。」p.261
・「また、本書はドキュメンタリーでもない。シュネデールは、最初のアリアから三十の変奏を通って最後のダ・カーポにいたる《ゴルトベルク変奏曲》の構成にそって、さまざまなキーワードを用いながら、グールドの発言や逸話を考察していく。」p.264
~~~~~~~
?メタファー(英metaphor)〈メタフォル〉隠喩。
?ヒポコンデリー(ドイツHypochondrie)心気症。憂鬱症。
?マニエリスム(フランスmanierisme)ヨーロッパ、特にイタリアにおいて、一五二〇年頃から一七世紀初頭まで盛んであった美術様式。盛期ルネサンスの成果の独得な解釈の上に成立したもので、長くルネサンスの退廃様式と考えられてきたが、今世紀になって再評価が行われた。また広く、特定の個人や伝統の型を踏襲する美術および文学上の傾向。
?りゃくじゅ【略綬】 略式の綬。
?プレクトラム = ぎこう【義甲】 琴をひくときの爪。ことづめ。
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【論】Tibshirani,2006,A simple method for assessing ~

2006年06月21日 17時43分31秒 | 論文記録
Robert Tibshirani
A simple method for assessing sample sizes in microarray experiments
BMC Bioinformatics. 2006; 7: 106.
[PDFダウンロード][Webサイト]

・マイクロアレイ実験の最適なサンプル数を、FDRとFNRを指標にして決定する方法を提案。
・この仕組みは、SAMソフトウェアに組み込まれている。
・話の流れがサッパリつかめない。統計の力不足。
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2006年06月20日 22時31分10秒 | 日記2005-10
ようやく夜でも窓を閉めなくてよい季節になった。
本を読んでいると、車の通る音に混じって耳障りな鳴き声が。
『カエル!!?』
意識するともう聞こえない。


田舎ではあるけれども、さすがにカエルは…
空耳か。
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【論】Michaels,1998,Cluster analysis and data ~

2006年06月20日 19時42分08秒 | 論文記録
George S.Michaels, Daniel B.Carr, Manor Askenazi, Stefanie Fuhrman, Xiling Wen, Roland Somogyi
Cluster analysis and data visualization of large-scale gene expression data.
Pac Symp Biocomput. 1998;:42-53.
[PDFダウンロード][Webサイト]

・大量の時系列マイクロアレイデータをうまく図示することにより、遺伝子間の相互関係(ネットワーク)を推定する。
・データ:ヒト、cDNA、112遺伝子、時間点9点。
・クラスタリング指標(2種) 
1.Euclidean distance measure
2.Normalized mutual information

・目的「A goal of this work is to determine whether genes within these categories exhibit overlapping mRNA expression trajectories or control patterns.

・マイクロアレイ関連としては、初期の論文。アレイデータをどう図示するか、まだ手探り状態。
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【本】量子宇宙をのぞく

2006年06月19日 22時23分47秒 | 読書記録2006
量子宇宙をのぞく 時間と空間のはじまり, 佐藤文隆, 講談社ブルーバックス B-865, 1991年
・著者がそれまで書き溜めた小文の寄せ集め。それまでの研究生活の集大成のようで、内容が濃い。 形而上的記述が多く、理解が困難な箇所が多々あります。そもそも視覚化(映像化)できない世界を活字で表現しようとするのだから、致し方ない面もありますが、入門書としてのブルーバックスシリーズの範疇を超えそう、というか付録(ウィーラー-ドゥウイット方程式)に至っては完全に逸脱しちゃってます。入門書と勘違いして手にとってしまうと、人によっては拒絶反応を起こすかもしれません。
・これは何という分野の学問になるのでしょうか。物理学、数学、宇宙論、素粒子論、相対論、量子論・・・全てを包含するような壮大な分野です。 「量子宇宙とは宇宙時空の量子力学の意味であり、一般相対性理論と量子力学を融合させようとする試みである。」p.6
・「じつは10-33センチメートルという非常に小さなものが膨張して1029センチメートルという巨大なシステムになってきたのだというのが、この章の結論なのである。」p.19
・「力は、全部で四つになる。一つは「重力」で、その法則はごぞんじのようにニュートンが発見した。次は「電磁気力」で19世紀のなかごろにマックスウェルが理論を完成した。つぎは「弱い力」で、これは原子核のベータ崩壊のときに作用する力として、イタリアのフェルミが理論を完成したものである。四番目が「強い力」。これは原子核をつくる力であるが、最近では、陽子や中性子を総称するハドロンをつくっている力であることがわかってきた。これは日本の湯川秀樹が最初に言いだした力である。」p.51
・「相転移というのは対称性が破れることで、つまりは秩序が発生することだ。読者はたぶん、転移後のほうがシンメトリック(対称的)だと思われるかもしれないが、相転移前のほうが対称的なのである。」p.54
・「コペルニクス原理は、われわれの現在いる場所を無意味化した。そして今度は、"今"という時間にも特別な意味はないことに気づくのである。」p.83
・「したがって、時間・空間もツルッとしているように思えるが、非常に小さなスケールでよくよくみると、ゴツゴツしたものなのかもしれない。」p.89
・「なにかが「生まれる」といった場合には、だいたい、存在するエネルギー(物質をふくむ)の形態が変わることをさしている。たとえば生命の起源というと、分子はそれ以前に存在するのであるから、分子どうしのあいだに新たな関係が生まれるということになる。」p.92
・「もちろん、まだはっきりしたわけではないが、少なくとも時間・空間という概念を第一義的なものだと思わないようにしないと、宇宙の起源は説明できない。」p.94
・「ここで、時間とはなんであったかを思いおこしてみよう。現実に時間という概念を考えてみると、しょせんは二つ以上の出来事――物理では変数という――のあいだの相関である。」p.96
・「このことは、人類と宇宙の関係は、たえずわれわれの側からなにかを問いかけなければ答えは得られないという、そんな関係であることを示すよい一例だと思われる。」p.100
・「現在の理論物理学は、基本的には数学の論理に現実との対応関係を求めている。」p.101
・ホーキングについて「「そこまでして動かなくても」とわれわれは考えがちだが、多分、彼が生きておれるのは、その行動力に支えられているからなのである。日本にきた時の看護婦は、「彼がなぜ生きているのか医学的にはわからない」と言っていたが、まったくその通りであると思う。まったく驚異的な人である。」p.115
・ホーキングの講演より「さて、宇宙が収縮する時は、熱力学時間の矢は逆転するだろうと私は予言します。そしてこの矢は心理時間の矢も決めます。したがって、収縮期に生きている人間がいれば、かれらは時間を逆の方向に計るでしょう。すなわち、やはり無秩序は増大し、宇宙は膨張すると考えるでしょう。」p.133
・ホーキングについて「比較的妥当な前提から、想像し難い結論が引き出されるのは、途中の論理で日常的観念にひきずられない論理構成をするからである。」p.138
・「もちろん、無限の未知に対していても、科学法則は人間という有限な系への写像のされ方だという立場に立てば、人間のコスモスを語ることは意味がある。「統一理論」は、この人間というコンピュータ用の、比較的汎用のプログラムソフトにすぎないのかもしれない。」p.146
・「すると、誕生とは、重力が特殊な「組織化された存在」になることである、といえるのかもしれない。」p.155
・「簡単にいうと、時間はもともと具体的な出来事の呼び方であったのが、われわれの共同体が拡大することによって、抽象化された共同幻想のようなものになってきたのであろう。」p.166
・「このように、相対論では個々人が経験してきた時間がほんとうの意味をもつことになる。そして、同時刻には意味がなくなってくる。」p.169
・「物理学の法則は、どんな座標を使っても成り立つように書かれていなければならない。そういう条件を満足している理論のことをゲージ理論とよぶ。」p.172
・「結局、時間などというものはもともとは存在しないものである。その意味で、通常の量子力学に現われている時間というのは、宇宙を構成している部分品でしかない。」p.176
・「外的世界すなわち物理的世界が空間内に存在する物質の時間的な変化であるという見方は、便利性のために"つくられた"ものなのか、それとも本来そうなのかという問題である。この問題は、お金や価値は"つくられた"ものだというほどには自明でない。」p.185
・「素粒子物理で"クォーク"という用語があるが、これは海鳥の鳴き声(鳥の"カー、カー"みたいなもの)をだじゃれで採用したものである。」p.187
・「アリストテレスの時空では、時間空間の各点が他と違うかけがえのない点であった。ニュートンの時間空間はそれに対して各点の無意味化、一様化を行った。そういう対称性を持つ時間空間が認識されたわけだが、時間と空間は別々の、対称なものとしてあった。  アインシュタインの特殊相対論にいたって初めて、両方一体となった時空がもつ対称性が認識された。この過程で、空間的に離れた場所での同時刻というものに絶対性がなくなった。」p.187
・「そしてわれわれはいつの間にか、もともと時間というものがあって、それを計量する手段として時計があると錯覚している。それはあたかも価値(時間)とお金(時計)の関係に似ている。」p.189
・「いずれにしろ、一般的には、時空的でないものの特殊な状態として時空がある、という結論になるのだろう。すなわちわれわれはいつも特殊なものを先に見せられて、それが一般的なものででもあるかのようにあざむかれつづけてきたのである。というより、自らをあざむいてきたのである。」p.190
・「特異点定理とは、通常の物質による重力のもとでは過去・未来のいずれか、あるいは両方に必ず、そういう時間・空間の定義できない領域、つまり特異点があることを示したものである。」p.194
・「このように、現代の物理学は質量という概念を、エネルギーに完全に置き換えている。「質量とはなんですか?」と問われれば「粒子のエネルギー・スペクトルで真空状態との間にあるギャップですよ」となる。」p.231
・「現在知られている素粒子に共通する真空のはっきりした定義は、まだよくわかっていない。有力な考え方は次のようなものである。ヒッグス場と呼ばれるスカラー場(スカラーで表わされる場)が、一定の値で空間的に分布している状態が真空なのである。」p.234
・「ともかくわれわれの宇宙のように大にも小にも独自の構造があるという世界は、この四次元の時空の特徴といえる。四でなければ、このような世界はできなかったと思われる。」p.237
・「しかし、原理にだけ関心がいくと、その筋書きからみて外れている現象には興味を示さなくなる、という「欠点」にも注意しなければならない。すなわち、原理はものの見方に偏見を入れる、ということである。」p.277
・「ともかく、創成期の宇宙は陽子1個のサイズにも満たない存在であったのである。このために、われわれは宇宙全体の力学(ダイナミックス)を量子力学で扱わねばならなくなる。」付録p.2
・「シュレーディンガー方程式の時間tの"奇妙さ"はこれまでにも指摘されている。すなわち、tはヒルベルト空間のオペレーターとして表現できないが、観測可能な量として扱われているということである。」付録p.8
・「宇宙の創成そのものの物理は、われわれが「いままでやっているのが"宇宙の中の物理"であった」という自覚から出発せねばならない。」付録p.16
~~~~~~~
かいたい【懐胎】 子供をはらむこと。みごもること。懐妊。妊娠。
えんぺい【掩蔽】 1 おおいかくすこと。かくしてわからなくすること。  2 月が天球上を動いている間に、惑星や恒星を隠す現象。星食。
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【演】2006 第51回 市民音楽祭

2006年06月18日 17時23分47秒 | 演奏記録
2006 第51回 市民音楽祭 第2日 器楽
2006.6.18(日)13:00開演, 室蘭市文化センター, 入場料?円
指揮 中山耕一, 演奏 室蘭ジュニアオーケストラ・室蘭工業大学管弦楽団, パート Viola

アラム・ハチャトゥリアン 作曲  組曲「仮面舞踏会」より ワルツ
ルロイ・アンダーソン 作曲  舞踏会の美女

・室蘭市内の音楽団体(主に中高吹奏楽部)の発表会。一枠15分。会場ではすれ違う全ての人に、「こんにちはー!!」と挨拶が飛び交う、慣れない者とから見るとなんとも異様な世界です。 当日は久しぶりの青空で一気に気温が上がりました。しかし防音のためリハーサル室は締め切り(写真)。土地柄、当然冷房なんてついていないところに、椅子が足りなくなるほどの大人数で暑い暑い。。。
・工大オケは、昨年、初の市民音楽祭出演を果たし、今回はジュニアオケと合同演奏という初の試みでした。総勢70名ほどの大編成です。
・演奏は、大人数のためそれまでにない迫力があった一方、大味になった部分もあり。皆、若いだけにイケイケゴーゴー! 『迫力』と『緻密さ』の両方を求めるのは酷かもしれませんが。通常の練習は別々で、合同練習の機会が2度だけだったのが、ちょっと少なかったかもしれません。 この4月に大学に入学し、弦楽器を始めた者が数名。今日が人生初舞台。たったの2ヶ月ちょっとで、一応それらしく弾いてるのは驚きです。今後に期待。
・演奏や段取りについては特にトラブルもなく、無事終了。今後、恒例になるのかどうかはわかりませんが、両団体ともよい刺激を受ける貴重な機会だと思うので、またよろしく~♪
・客数約500名[目測]
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指揮デビュー?

2006年06月17日 19時32分31秒 | 日記2005-10
本日ジュニアオケ練習にて、いつもの指揮者が欠席。
じゃあ、君やりなさい、とのことで指揮役を仰せつかりました。

 で き ま せ ん 。

とは言いつつ、できないなりにやりました。がんばりました。
指揮棒が手につかず何度かスッ飛ばすし。
今どこ弾いてるのか、指揮者が迷子になるし。
もうめちゃくちゃです。

「指揮、ぎこちなかったね。」
子どもにダメを出されました。

しかし、奏者の意識が指揮者の一点に集中したときの、
なんとも言えない恍惚感を味わってしまいました。
これは気持ちイイ!クセになりそう。

明日は本番!いい演奏ができますように。
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【論】Tusher,2001,Significance analysis of ~

2006年06月17日 09時37分08秒 | 論文記録
Virginia Goss Tusher, Robert Tibshirani, and Gilbert Chu
Significance analysis of microarrays applied to the ionizing radiation response.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Apr 24;98(9):5116-21. Epub 2001 Apr 17.
[PDFダウンロード]

・遺伝子の電離放射線に対する反応を調べる。発現量の評価量としてSAM(Significance Analysis of Microarrays)を用いる。

・SAMについて「We describe a method, Significance Analysis of Microarrays (SAM), that assigns a score to each gene on the basis of change in gene expression relative to the standard deviation of repeated measurements.
・従来法の問題点「Cluster analysis of microarray data can find coherent patterns of gene expression but provides little information about statistical significance. Methods based on conventional t tests provide the probability (P) that a difference in gene expression occured by chance. Althrough P=0.01 is significant in the context of experiments designed to evaluate small numbers of genes, a microarray experiment for 10,000 genes would identify 100 genes by chance.

・肝心要のSAMの計算方法がよくわからない。どうも単純な式代入で値が出てくるというわけではないらしい。

《関連ページ》
マイクロアレイの斜め読み : 同じようなことやってた人発見。
SAMソフトウェア
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