
北海道洞爺湖サミット協賛・応援事業
第441回 ほくでんファミリーコンサート
2008.4.18(金)18:30開演, 洞爺湖文化センター, 入場無料(整理券)
管弦楽 札幌交響楽団, 指揮 佐藤俊太郎
W.A.モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」
W.A.モーツァルト 交響曲第38番 ニ長調 "プラハ" Kv.504
ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調 op.68 "田園"
アンコール シューベルト 交響曲第3番 第2楽章
・道内各地で開催される北海道電力主催の無料コンサート。今回はサミットを目前に控えた洞爺湖町での開催です。開演の30分ほど前で、会場周辺の駐車場はすでに満杯。
・開演に先立って北電の代表者と長崎町長からの挨拶。町長は前回の有珠山噴火以来すっかり有名人です。話題はいずれも、サミット、環境問題、地域振興等について。
・座席は舞台下手側の前から二列目。周りにはお子様が多く色々な会話が聞こえてきます。開演し奏者が入場すると、「バイオリン、ちっちゃ~い!」、「あの楽器は "コントラバス" だよ」、「まずは "チューニング" するんだよね」などなど、オーケストラへの関心がかなり高いようです。
「ねぇ~ お母さん~ どうしてあの椅子(コンマス)だけピアノの椅子なの~??」
(*´∀`*) フフフ…それはね……
答えられないお母さんの替わりに、思わず答えてしまいそうに。隣で聞いててムズムズ。
・オケは10型、対向配置。
●フィガロ:この曲ってどんな楽譜だったっけ?? と思い出す間もなくあっという間に終了。全体的にいつになくアグレッシブな音で、管は早め早めに切り込み、弦はガツガツ弾いているような印象です。指揮者のせいか、会場のせいか、気のせいか。
●プラハ:過去、自身で弾いたモーツァルトの交響曲は5~6曲程度ですが、その中では一番好きな曲。どの辺が? と聞かれても困るのですが、とにかく弾いていて楽しかったのです。今回使用の楽譜はベーレンライタ版のようでした。
1楽章:序奏に続くアレグロ出だし、弱音ではじまる Vn1 のシンコペーションのリズムに打たれてしまいました。ゾクゾクっときました。途中の各パートの掛け合い部分も一瞬ゾクリ。演奏云々というよりも、モーツァルトの "凄さ" を改めて実感。途中、フラッシュたいての写真撮影あり。終った時点で、拍手が出ないかとドキドキしてしまいました。
2楽章:ここで、そばでゴソゴソ動く子供が寝てくれないかと頭半分で願いつつ、残り半分で音楽を聞く。
3楽章:途中、特にタメることなく先へ行くノリノリの演奏。聴いている子供も体でリズムをとっていました。あっという間に終ってしまった。
●田園
1楽章:自身の演奏経験から言うと、ド頭の出だしが一番緊張します。考えてみると頭が休符の「運命」と同じパターン。弱音であるだけ余計気を遣う。しかしさすがはプロなので難なく、さりげなく、開始。途中の Vn1 がトリルで丸裸のパートソロの難所もドキドキしながら聴いてましたが、これも平然と通過。あたりまえか。
2楽章:出だしの Vn2 以下が刻むリズムがほんの一瞬凄い音になりました。各パートの音が溶け合って一つになり、何とも言えないふくらみとまろやかさ。この一瞬を聴きたいがために演奏会に行っているようなものですが、どういう条件が揃えばこのような音になるのかは謎。
3楽章:途中の Trio(?) 部分の速度の切り替えが特徴的で、かなりの速さ。ホルンソロ、ブラボー♪
4楽章:この曲はティンパニ無しだったかと思っていたら、突如出現。わりと有名な低弦の演奏不能箇所、コントラバスなんかは奏者によって左手の上下運動が間逆に。
5楽章:Va がわざと開放弦を使った重音で、それらしい音を出す箇所があることをはじめて知りました。ベートーヴェンにはあまり無いイメージの作曲技法。楽譜の解釈の問題?
●アンコール:聴いても何の曲だかサッパリ分からず。聴いた印象は、四拍子(二拍子?)で小奇麗な、水上の音楽を彷彿とさせるバロックっぽい雰囲気を含んだロマン派の音楽。何かの組曲の一曲かと思いましたが、後で曲名が判明してみると全然違ってた。
・指揮者は今回初めて見る指揮者です。指揮棒は使わず、かなり独特な動きなので思わず見入ってしまいました。演奏はほとんどオケにおまかせで、本人は自由に踊っている感じ。とっても柔らかな物腰で、貴族的雰囲気が漂っていました。
・終演後、小さな子供たちがステージ下で、片付けられる楽器を不思議そうに見上げていたところ、それに気づいたコンバス奏者が楽器をステージ際に横たえ、子供の真近で弦をはじいてみせました。自分の倍以上はある巨大な楽器を目の前に、子供たちはただただ唖然、という微笑ましい光景も。このような小さな事でも、未来のオケマンが生まれるきっかけになる可能性があると思うと、大事なことです。
・今回の来場者へのオマケは『エネモ エコバック』。"エネモ" は北電のキャラクターです。ビニール袋に包まれたエコバック、というのも何だか気になるところ。まずはこのビニール袋の過剰包装を止めてみては?
・客数約700名[目測]:会場の9割方が埋まる。当初は一階席のみでしたが、開演直前にニ階席も開放していました。数年前、同会場で今回と同じように札響の無料コンサートがあったときは半分程度の入りでガラガラだったことを考えると、ちょっと驚きです。クラシック音楽への関心の高まりが感じられます。しかし、客席には子供が多く、ワサワサ落ち着かずに動き回ったり音を立てたりで、奏者もちょっと気になったようで気の毒でした。
第441回 ほくでんファミリーコンサート
2008.4.18(金)18:30開演, 洞爺湖文化センター, 入場無料(整理券)
管弦楽 札幌交響楽団, 指揮 佐藤俊太郎
W.A.モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」
W.A.モーツァルト 交響曲第38番 ニ長調 "プラハ" Kv.504
ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調 op.68 "田園"
アンコール シューベルト 交響曲第3番 第2楽章

・開演に先立って北電の代表者と長崎町長からの挨拶。町長は前回の有珠山噴火以来すっかり有名人です。話題はいずれも、サミット、環境問題、地域振興等について。
・座席は舞台下手側の前から二列目。周りにはお子様が多く色々な会話が聞こえてきます。開演し奏者が入場すると、「バイオリン、ちっちゃ~い!」、「あの楽器は "コントラバス" だよ」、「まずは "チューニング" するんだよね」などなど、オーケストラへの関心がかなり高いようです。
「ねぇ~ お母さん~ どうしてあの椅子(コンマス)だけピアノの椅子なの~??」
(*´∀`*) フフフ…それはね……
答えられないお母さんの替わりに、思わず答えてしまいそうに。隣で聞いててムズムズ。
・オケは10型、対向配置。
●フィガロ:この曲ってどんな楽譜だったっけ?? と思い出す間もなくあっという間に終了。全体的にいつになくアグレッシブな音で、管は早め早めに切り込み、弦はガツガツ弾いているような印象です。指揮者のせいか、会場のせいか、気のせいか。
●プラハ:過去、自身で弾いたモーツァルトの交響曲は5~6曲程度ですが、その中では一番好きな曲。どの辺が? と聞かれても困るのですが、とにかく弾いていて楽しかったのです。今回使用の楽譜はベーレンライタ版のようでした。
1楽章:序奏に続くアレグロ出だし、弱音ではじまる Vn1 のシンコペーションのリズムに打たれてしまいました。ゾクゾクっときました。途中の各パートの掛け合い部分も一瞬ゾクリ。演奏云々というよりも、モーツァルトの "凄さ" を改めて実感。途中、フラッシュたいての写真撮影あり。終った時点で、拍手が出ないかとドキドキしてしまいました。
2楽章:ここで、そばでゴソゴソ動く子供が寝てくれないかと頭半分で願いつつ、残り半分で音楽を聞く。
3楽章:途中、特にタメることなく先へ行くノリノリの演奏。聴いている子供も体でリズムをとっていました。あっという間に終ってしまった。

1楽章:自身の演奏経験から言うと、ド頭の出だしが一番緊張します。考えてみると頭が休符の「運命」と同じパターン。弱音であるだけ余計気を遣う。しかしさすがはプロなので難なく、さりげなく、開始。途中の Vn1 がトリルで丸裸のパートソロの難所もドキドキしながら聴いてましたが、これも平然と通過。あたりまえか。
2楽章:出だしの Vn2 以下が刻むリズムがほんの一瞬凄い音になりました。各パートの音が溶け合って一つになり、何とも言えないふくらみとまろやかさ。この一瞬を聴きたいがために演奏会に行っているようなものですが、どういう条件が揃えばこのような音になるのかは謎。
3楽章:途中の Trio(?) 部分の速度の切り替えが特徴的で、かなりの速さ。ホルンソロ、ブラボー♪
4楽章:この曲はティンパニ無しだったかと思っていたら、突如出現。わりと有名な低弦の演奏不能箇所、コントラバスなんかは奏者によって左手の上下運動が間逆に。
5楽章:Va がわざと開放弦を使った重音で、それらしい音を出す箇所があることをはじめて知りました。ベートーヴェンにはあまり無いイメージの作曲技法。楽譜の解釈の問題?
●アンコール:聴いても何の曲だかサッパリ分からず。聴いた印象は、四拍子(二拍子?)で小奇麗な、水上の音楽を彷彿とさせるバロックっぽい雰囲気を含んだロマン派の音楽。何かの組曲の一曲かと思いましたが、後で曲名が判明してみると全然違ってた。
・指揮者は今回初めて見る指揮者です。指揮棒は使わず、かなり独特な動きなので思わず見入ってしまいました。演奏はほとんどオケにおまかせで、本人は自由に踊っている感じ。とっても柔らかな物腰で、貴族的雰囲気が漂っていました。
・終演後、小さな子供たちがステージ下で、片付けられる楽器を不思議そうに見上げていたところ、それに気づいたコンバス奏者が楽器をステージ際に横たえ、子供の真近で弦をはじいてみせました。自分の倍以上はある巨大な楽器を目の前に、子供たちはただただ唖然、という微笑ましい光景も。このような小さな事でも、未来のオケマンが生まれるきっかけになる可能性があると思うと、大事なことです。

・客数約700名[目測]:会場の9割方が埋まる。当初は一階席のみでしたが、開演直前にニ階席も開放していました。数年前、同会場で今回と同じように札響の無料コンサートがあったときは半分程度の入りでガラガラだったことを考えると、ちょっと驚きです。クラシック音楽への関心の高まりが感じられます。しかし、客席には子供が多く、ワサワサ落ち着かずに動き回ったり音を立てたりで、奏者もちょっと気になったようで気の毒でした。
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