近代製鉄発祥150周年記念事業、室蘭製鐵所創業100周年記念
紀尾井シンフォニエッタ東京 北海道公演
2008.6.22(日)14:00開演, 室蘭市文化センター, 入場料4000円(ひ列30番)
指揮 尾高忠明、ヴァイオリン ラファエル・オレグ
エルガー 序奏とアレグロ Op.47
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ベートーヴェン 交響曲 第7番 イ長調 Op.92
アンコール モーツァルト ディベルティメント第1番 K.136 より第3楽章
・室蘭という土地柄、札響以外のオーケストラがやってきて演奏会を開くというのはなかなか無い機会です。そんな訳で非常に興味はあったのですが、日曜日なので突然どんな予定が入るか分からないことと、チケットの価格から行くのを迷っていました。「あ~あ、チケットが空から降ってこないかなぁ~」そんな虫のいいことを考えていたら、演奏会の二日前に大学の後輩から着信アリ。「チケットがタダで二枚手に入ったんですけど、一緒にいかがですか?」 持つべきものは後輩だ。これは「聴きに行け」という神様の思し召しに違いない、ということでありがたくチケットをいただき、聴きに行ってました。ふと【鑑賞記録】を読み返すと、有料演奏会のタダ率が異様に高い。
・当日は、チケットを持つ後輩より「会場に着くのはギリギリになりそうです」との話を聞いており、今か今かと会場入口で待っていましたが、現れたのは本当にギリギリで、1ベルの音と共に会場に滑り込みました。
・今回の演奏会は新日鐵の記念行事の意味もあり、まずは代表者の挨拶から。
・オケの編成は、弦がVn1-8,Vn2-6,Va-6,Vc-4,CB-2[人]+管打、と小規模で、若いメンバーが目立ちます。配置は木管が正面2段で、Hrn-下手、Tp・Tim-上手の形。
●エルガー
・初めて耳にする曲。冒頭、奏者全員が弓を持つ右手を大きく振りかぶったかと思うと、衝撃的な重音の響きが! これはインパクトが強く、演奏会の最初に聴衆を引き込む効果大。ただ、響きのキレイさとしてはベストな響きではなかったように思います。本来ならもうちょっとキレイな響きなのではないでしょうか。
・イスの配置が、弦四部の最前列が各一つずつという変わった配置。曲が始まってみるとこれが何故だか分かりました。曲の構成が、各パートトップによるカルテット+弦楽合奏の形によるもの。各パートソロの演奏はいずれもスゴかった。ただならぬ音がしていました。
・初めて聴くはずなのに、どこか馴染みのあるメロディー。どこで聴いたっけ。。。そこで思い当たったのですが、この既視感はエルガーの弦楽セレナーデと雰囲気が似ているせいのようです。見ていて、聴いていて、面白い曲なのでもっと広く知られていい曲だと思います。今演奏会のベスト演奏。
●メンコン
・冒頭はゆったりとした出だし。ソリストは出だしの楽譜1ページくらいの間は、ちょいちょい独特な歌い方をして、「おっ!?」と思わせましたが、それ以降は至極まっとうな演奏でした。引き締まったやや硬質な音質。スマートな演奏スタイルである反面、線の細さも多少感じられます。
1楽章:昨年工大オケでも苦労した、強奏(ff)のアウフタクト合わせ部分を尾高氏はどう振るのか注目していましたが、「フンッ!!」と会場の最後列まで聞こえるほどの鼻息で、気合で合わせていました。ゆったり開始し、徐々に巻いていき、駆け込んで終了。
2楽章:出だしはハッキリクッキリ、ちょこまかと6つ振り。
3楽章:いい気持ちになり、寝そうに。
・この曲に関しては、オケは完全に伴奏モード。全体を通して木管の音がよく通っていました。ほぼ最後列の客席でも、すぐ目の前で吹いているかのような感覚。
●ベト7
・少人数での演奏でありながら、ステージ上のイス配置はこれでもかというほど中央に寄せ集め、キツキツのセッティング。
1楽章:注目の第1音。悲しいほど響かない。もっと良い響きのホールだったら。。。コンマスは、お尻が椅子から浮きそうになるほどの熱演。
2楽章:冒頭、すばらしくキレイでした。ビオラのメロディー部分は、6人で弾いた音ではなく、完全に一本の楽器の音に。本当にビッタリ合った時の音というものは、何とも言えないまろやかさとふくよかさが感じられます。
3・4楽章:半分意識を失っていました。それでも、音を割る一歩手前のホルンの熱演が印象に残りました。
・全体を通して、このような小編成のオケにおける管と弦との音量バランスの難しさについて考えさせられました。通常編成のオケであれば、管楽器は誰も気づかぬうちにそっと音を滑り込ませることが可能ですが、この編成だとどんなに弱音でも、音のON/OFFがはっきりくっきり聴こえてしまいます。聴く側の "慣れ" もあるでしょうが、その辺の音の処理を他の団体ではどうしているのか、気になるところです。
●K.136
・突如として、ハッ!? とさせられる弦楽器の音色の美しさ。水を得た魚のような。指揮は始終1つ振り。
・この前日に、ソリストを含めた演奏メンバーによるオケの講習会がありました。室蘭市民オケからも数名参加。私も出ておけばよかったかな。
・帰り際に、着替えを終えてバスに乗り込む尾高氏を目撃。すっごく若々しい格好でびっくり。
・客数約1000名[目測]:客席後列がアーチ状に空席があり、約7割の入り。高めのチケット価格にしてはよく入った方だと思います。新日鉄関連で相当ばら撒いたせいもあるのかもしれませんが。客席では、九州に行っていたはずの工大オケの同期に再会してびっくりするやら懐かしいやら。また、帰り際には、周辺の音楽会では必ずといっていいほど顔を合わせるK氏にとっつかまる。「いや~、こないだ(4月)の洞爺湖の札響の演奏会どう思った??」 話が長くなりそうなので、適当に切り上げて家路へ。
紀尾井シンフォニエッタ東京 北海道公演
2008.6.22(日)14:00開演, 室蘭市文化センター, 入場料4000円(ひ列30番)
指揮 尾高忠明、ヴァイオリン ラファエル・オレグ
エルガー 序奏とアレグロ Op.47
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ベートーヴェン 交響曲 第7番 イ長調 Op.92
アンコール モーツァルト ディベルティメント第1番 K.136 より第3楽章
・室蘭という土地柄、札響以外のオーケストラがやってきて演奏会を開くというのはなかなか無い機会です。そんな訳で非常に興味はあったのですが、日曜日なので突然どんな予定が入るか分からないことと、チケットの価格から行くのを迷っていました。「あ~あ、チケットが空から降ってこないかなぁ~」そんな虫のいいことを考えていたら、演奏会の二日前に大学の後輩から着信アリ。「チケットがタダで二枚手に入ったんですけど、一緒にいかがですか?」 持つべきものは後輩だ。これは「聴きに行け」という神様の思し召しに違いない、ということでありがたくチケットをいただき、聴きに行ってました。ふと【鑑賞記録】を読み返すと、有料演奏会のタダ率が異様に高い。
・当日は、チケットを持つ後輩より「会場に着くのはギリギリになりそうです」との話を聞いており、今か今かと会場入口で待っていましたが、現れたのは本当にギリギリで、1ベルの音と共に会場に滑り込みました。
・今回の演奏会は新日鐵の記念行事の意味もあり、まずは代表者の挨拶から。
・オケの編成は、弦がVn1-8,Vn2-6,Va-6,Vc-4,CB-2[人]+管打、と小規模で、若いメンバーが目立ちます。配置は木管が正面2段で、Hrn-下手、Tp・Tim-上手の形。
●エルガー
・初めて耳にする曲。冒頭、奏者全員が弓を持つ右手を大きく振りかぶったかと思うと、衝撃的な重音の響きが! これはインパクトが強く、演奏会の最初に聴衆を引き込む効果大。ただ、響きのキレイさとしてはベストな響きではなかったように思います。本来ならもうちょっとキレイな響きなのではないでしょうか。
・イスの配置が、弦四部の最前列が各一つずつという変わった配置。曲が始まってみるとこれが何故だか分かりました。曲の構成が、各パートトップによるカルテット+弦楽合奏の形によるもの。各パートソロの演奏はいずれもスゴかった。ただならぬ音がしていました。
・初めて聴くはずなのに、どこか馴染みのあるメロディー。どこで聴いたっけ。。。そこで思い当たったのですが、この既視感はエルガーの弦楽セレナーデと雰囲気が似ているせいのようです。見ていて、聴いていて、面白い曲なのでもっと広く知られていい曲だと思います。今演奏会のベスト演奏。
●メンコン
・冒頭はゆったりとした出だし。ソリストは出だしの楽譜1ページくらいの間は、ちょいちょい独特な歌い方をして、「おっ!?」と思わせましたが、それ以降は至極まっとうな演奏でした。引き締まったやや硬質な音質。スマートな演奏スタイルである反面、線の細さも多少感じられます。
1楽章:昨年工大オケでも苦労した、強奏(ff)のアウフタクト合わせ部分を尾高氏はどう振るのか注目していましたが、「フンッ!!」と会場の最後列まで聞こえるほどの鼻息で、気合で合わせていました。ゆったり開始し、徐々に巻いていき、駆け込んで終了。
2楽章:出だしはハッキリクッキリ、ちょこまかと6つ振り。
3楽章:いい気持ちになり、寝そうに。
・この曲に関しては、オケは完全に伴奏モード。全体を通して木管の音がよく通っていました。ほぼ最後列の客席でも、すぐ目の前で吹いているかのような感覚。
●ベト7
・少人数での演奏でありながら、ステージ上のイス配置はこれでもかというほど中央に寄せ集め、キツキツのセッティング。
1楽章:注目の第1音。悲しいほど響かない。もっと良い響きのホールだったら。。。コンマスは、お尻が椅子から浮きそうになるほどの熱演。
2楽章:冒頭、すばらしくキレイでした。ビオラのメロディー部分は、6人で弾いた音ではなく、完全に一本の楽器の音に。本当にビッタリ合った時の音というものは、何とも言えないまろやかさとふくよかさが感じられます。
3・4楽章:半分意識を失っていました。それでも、音を割る一歩手前のホルンの熱演が印象に残りました。
・全体を通して、このような小編成のオケにおける管と弦との音量バランスの難しさについて考えさせられました。通常編成のオケであれば、管楽器は誰も気づかぬうちにそっと音を滑り込ませることが可能ですが、この編成だとどんなに弱音でも、音のON/OFFがはっきりくっきり聴こえてしまいます。聴く側の "慣れ" もあるでしょうが、その辺の音の処理を他の団体ではどうしているのか、気になるところです。
●K.136
・突如として、ハッ!? とさせられる弦楽器の音色の美しさ。水を得た魚のような。指揮は始終1つ振り。
・この前日に、ソリストを含めた演奏メンバーによるオケの講習会がありました。室蘭市民オケからも数名参加。私も出ておけばよかったかな。
・帰り際に、着替えを終えてバスに乗り込む尾高氏を目撃。すっごく若々しい格好でびっくり。
・客数約1000名[目測]:客席後列がアーチ状に空席があり、約7割の入り。高めのチケット価格にしてはよく入った方だと思います。新日鉄関連で相当ばら撒いたせいもあるのかもしれませんが。客席では、九州に行っていたはずの工大オケの同期に再会してびっくりするやら懐かしいやら。また、帰り際には、周辺の音楽会では必ずといっていいほど顔を合わせるK氏にとっつかまる。「いや~、こないだ(4月)の洞爺湖の札響の演奏会どう思った??」 話が長くなりそうなので、適当に切り上げて家路へ。
私なんて、「素敵だったわ~♪ それにしてもコンマスさん筋肉痛にならないのかしら・・」なんて事ぐらいしか思いつきません。
・素敵だったのはどの曲のどの部分でしょう(What)
・素敵な音をだしたのはどの楽器でしょう(Who)
・どんな風に素敵だったでしょう。温かい、優しい、切ない、悲しい、美しい(How)
これに「筋肉痛にならないのかしら」を足せば、今日からあなたもぴかりんです。