映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「マイビッグファットウェディング~My Big Fat Greek Wedding~」

2008年04月13日 | 映画~ま~
2002年 アメリカ映画

アメリカはシカゴに住むギリシャ系移民家族の話。お父さんの夢は、子供たちがギリシャ人と結婚して子供を生み、家族のつながりを大切にし、誇り高きギリシャ系として生きていくこと。娘のトゥーラはなんとなく冴えない生活を続け気づけば結婚適齢期。身なりにもまったく気を使わず、家族経営のギリシャ料理店で働く毎日。そこにお客として現れたイアンに心ときめき、「このままではいけない!」と一念発起して自分磨きを始める。縁あってイアンと交際、結婚することになったトゥーラだが、ギリシャ系ではないイアンとの結婚への道のりは波乱万丈…。

この映画の公開時、日本でもかなりテレビでCM流れてましたよね。でも有名俳優が出ているわけでもなんでもない映画を何でこんなに盛り上げるんだ?と不思議に思ったものです。後にDVDで見てみたけれど、「そんなに大プッシュするような映画?」となんだか腑に落ちなかった覚えが。

今日、たまたまテレビでやっていて、ほかに見るものもなかったので(殴)見てみました。2度目です。

皆さんすでにお気づきのとおり、日本の題名では原題にある「グリーク」の文字が抜けてるんです。グリークというのは「ギリシャの」という意味で、説明したとおりこれはアメリカのギリシャ系の家族のお話。この映画、アメリカでも大々的に広告を打ってヒットをした、というものではないそうで、インディーズ系で日本で言うと単館系とでもいうのでしょうか。何百、何千という映画館で上映していたわけではなく、小規模な映画館で上映していたところ口コミで人気が広がり、大成功を収めたという映画なのです。

文化の違いがキーになっている映画ですが、日本と違いアメリカのような多文化社会でもこんなにドタバタする物か?と以前見たときは思った程度。あまり記憶にも残っていませんでした。でも今回見直してみて、「これって日本と似てるかも」という箇所が意外にたくさん。国際結婚とはいわなくても、日本にも地域によっていろんな風習があるでしょ?私は愛知県出身なのですが、娘が結婚するときは「菓子撒き」の風習があります。最近見ませんし、愛知県の中でも地域によって屋根からお菓子をばら撒く所もあれば、家の近所はお菓子詰め合わせを集まってきた人たちに配っていました。でもこれ、愛知県以外のところにすんでいる人には驚きでしょ?お金もかかるし、第一なんでお菓子を屋根からばら撒くのか?『名古屋嫁入り物語』(植木等、川島なおみね)を見たことがある人ならわかると思いますが、あれです。驚きませんでした?ほかにも引き出物の大きさや重さ(!)にこだわったりとか。

これって、こういう価値観がない人や別の地域の人と結婚するとなると、ものすごく大変でしょ?理解ができないもの。「なんで?」ときかれても「こういうものだから」「風習だから」としか言えない。むしろ国際結婚のほうが楽に話が進むんじゃないか、と思うほど。違っていて当たり前だから。

この映画、日本で公開を決定し広告を打ったのは絶対女性だと思うわ、アタクシ。30歳前後くらいの女性が中心だったんじゃないかしらね。男性社員が、いくらアメリカで大化けしたといってもここまで宣伝打ったりしないとおもうのよ、この映画に。主人公トゥーラの垢抜けていく様子は、『プリティーウーマン』とか最近だと『プラダを着た悪魔』見たいな、女性が変身していくのが見ていてうれしいしね。お姫様願望よ。文句ある? それにこの映画のよさは、女性が等身大だというところ。女性のみならず登場人物が。トゥーラが垢抜けたといっても、ジュリア・ロバーツと肩を並べたわけではないのよ。アン・ハザウェイだって垢抜けない格好をしていても、そもそも顔がきれいなつくりをしてるじゃない?でもトゥーラの変身前は本当にひどい。私が言うな、っちゅう話だけど…こんなにひどかったのに、ちょっと気を使うだけでこんなによくなるのか!、と。希望を持たせてくれるのよ。

相手のイアン役のジョン・コーベットが、等身大で(また)いい感じなのです。決してブラピではないけど、雰囲気のいい人って言ったらいいのかしらね。映画が始まって30分あたりまで、どうもジョン・トラボルタがかぶってしまってつらかったんだけどさ・・・どうも顔というか骨格が似ているらしい…それも後半気にならなくなったし。

トゥーラの親戚の中に、髭面のどこかで見覚えのある、やたら踊りたがる男がいたんだけど、「いや~、まさかね。一応(!!)当時は超アイドルだったし」と思い調べてみたら、インシンクのジョーイ・ファートンでした(名前は今知った)。インシンクって知ってます?カリフラワー…じゃなくて、ジャスティン・ティンバ-レイクがいたグループね。2002年の映画だから、当時彼ら爆発的な人気があったのではと思うのですが、ジョーイはインディーズに出てたんですね。なんかちょっといい奴に思えてきました。「何でこの髭面がアイドルなのよ?」と当時心の中で疑問を抱いていたことは秘密です。


おすすめ度:☆☆★ 

面白いけど、そこまで強力にプッシュはしません。んー、暇つぶしにどうぞ。「ギリシャ人の友達がいる!」「私の知ってるギリシャ人はこんなだ!」という人にはうってつけかも。


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