PHP総研ブログ『番町Cafe』

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「高校授業料無償化への対案」が採用されたのか

2009-10-30 16:26:03 | 亀田徹
 先日、「高校授業料無償化への対案」というコラムを執筆しました。

http://research.php.co.jp/column/s_10/edu/040.html

 生活保護に準じる世帯(年収350万円未満)については、公立高校だけでなく私立高校に進学する場合も実質無償化すべきだと主張しました。公私間格差を解消し、保護者の経済力にかかわらず学校を選択できるようにするためです。

 概算要求の段階では、文科省は私立の実質無償化まで踏み込む方針を示していませんでした。

 ところが、文科大臣が先週の会見で次のように発言しました。
 「負担の多い私学の授業料が、実質的に所得の低い方に補填できるように、地方の財政措置をお願いしたい」、「生活保護世帯及び生活保護世帯に準じる世帯までは、事実上、相当分ですね、私学の親御さんの負担が軽減できるのではないかということを期待しております」(10月23日)
 新聞報道では「年収350万円以下の低所得世帯が都道府県の判断で無償化できるよう総務省に求める」とあります(同日の日経夕刊)。

 「ひょっとしてコラムの主張が採用されたのか?」と思ってしまいました。
 この地方財政措置をぜひ実現させて、低所得世帯でも公私ともに進学できる道を確保してもらいたいと考えます。

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日本財政学会で報告

2009-10-29 11:23:26 | 金坂成通
10月17・18日に明治学院大学(白金キャンパス)で
日本財政学会第66回大会が開催されました。

私と宮下研究員は「税目別地方分権度と経済成長」と題し、
赤井先生(大阪大)との共同研究を報告してきました。

本報告は、道州制に向けての税源移譲に関連した研究ということもあり、
予想を超える多くの研究者の方々に聞いていただけました。
フロアからも多数の質問を受け、
あらためて道州制への期待や関心が高いものだと感じました。

座長をしつつコメントも頂いた藤原先生(大東文化大)、
討論者を引き受けて頂いた伊多波先生(同志社大)、
フロアからコメントを頂戴した小林先生(財務総研)、
亀田先生(関西学院大)、田代先生(中央大)、鞠先生(横浜市立大)、
本当にありがとうございました。

コメントは主に以下の2点に集約されます。
・税目と分権について理論的な整理をすべき。
・実証分析の推計手法を改善すべき。

まだまだ荒削りな報告論文でしたので、
頂いたコメントを活かして改善に努めたいと思っています。

以下は報告のまとめ部分(抜粋)です。現在改定を進めています。
あくまで学会報告段階での、分析の紹介と捉えていただければ幸いです。

-------------------

本稿では,道州制などの政府内で検討されている
財政分権化と経済成長の関係において,
データに基づいた定量的議論が不足していることを指摘した。

その上で,道州制の税財政議論では
財政分権化による経済成長が期待されていることから,
OECD諸国のデータを用いて、実証分析を行った。

推定結果から、以下の可能性を指摘した。

経済成長を実現する観点からは,
国から地方へ歳入面で財政分権化を進める際には,
所得税と法人税以外で検討されることが望ましいといえる。
また、地方の主要財源には固定資産税を配置するべき。

さらに「垂直的租税外部効果」が存在するので、
わが国の道州制における税財政論議でも,
経済成長を今後促進する上で,課税ベースや税率選択において
国と地方で過度の重複を避ける工夫が必要。

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以上。

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愛宕(あたご)神社

2009-10-26 11:36:30 | 坂本慎一
 最近、神道について調査しているので、さまざまな神社に参拝している。伏見稲荷大社、吉田神社に続き、先日は愛宕神社に参拝した。標高924メートル、京都市で一番高い山の頂上にある神社で、防火の御利益があるとされている。

 神道の教えによれば、日本は「神(かん)ながら言挙(ことあ)げせぬ国」であるという。分かりやすく表現するならば、「大自然の神妙な雰囲気を肌身に感じ、言葉で表現できない感覚を大切にする国」と言えばよいだろうか。都会の喧噪を離れての登山は、よい気分転換にもなるだろうと考えたのである。

 息を切らせて2時間ほどで山頂に登ると、山奥とは思えぬ荘厳な神社があった。愛宕は「阿多古」とも書くので、宮司さんに聞いてみたところ、「阿多古」はひらがなによる本来の表記であり、「愛宕」は地名に由来するとのことである。神仏習合の神社で、修験道も混入しており、色々な信仰が入り交じっているので表記も不統一なのかもしれない。

 登山はなんと言っても下りで足に負担がかかる。リュックサックの背負い方が悪かったせいで、肩が凝り、頭痛もしてきた。下山したときは疲労困憊し、気分転換などという生やさしいものではなくなっていた。

 「言挙げせぬ」とはあえて口に出して言わないことであるが、私の場合は疲労感から言葉を失って帰路についた。

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化け物草紙

2009-10-16 14:04:30 | 亀田徹
 小学校で“読み聞かせ”をしてきました。

 話を聞いてくれるのは5年生の子どもたちです。今回選んだのは、『おとぎ草子・山椒太夫』(清水義範・ねじめ正一著 講談社)に収録されている「化け物草紙」。
 古典を楽しんでもらおうという目論見です。

 夜、お化けが出たと思ったが翌朝見てみると実は“しゃもじ”だった、というようなお話を五つ読みました。読み進めていくうちに、子どもたちは時々「ニヤリ」としてくれます。まずまず無難に読めたかなと思いました。

 最後に感想を述べてくれたときです。S君が「むかしの夜は暗かったから、お化けだと勘違いするんだなと思いました」と発言してくれました。

 たしかにそうです。お話の最後にもそう書いてあります。いまの感覚からするとおかしな思い違いがあるのは、むかしの夜が“まっ暗”だったからです。
 しかし、私はその“まっ暗な夜の情景”にまで考えが及んでいませんでした。うまく読もうと思い、読むことに一生懸命だったからです。夜の“暗さ”を意識していれば違った読み方ができたかもしれないと少し反省しました。

 学校教育のことばを使えば、「教材研究が甘かった」ということでしょう。教材研究の必要性を感じさせられた“読み聞かせ”でした。

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またも九州出張

2009-10-15 17:00:00 | 荒田英知
ご当地グルメはどうした?

あまりの路線の違いに続編をためらっていましたが、一部の方のご期待に応えて一人旅を続けることにします(笑)。

というわけで、今回は「小倉焼きうどん」と「日田焼きそば」です。



まずは、北九州市が発祥といわれる焼きうどん。
元祖の店は小倉の繁華街に今もありました。戦後の食糧難の時代に焼きそばの麺がなく、うどんで代用したところ評判を呼んで広まったのだそうな。
今やすっかり全国区ですが、本家では茹で麺でなく乾麺を用います。
写真は玉子入りの「天まど」・・・この名がまたいい。
ご主人の味を守り続ける奥様の焼いた一皿は、ほんのり優しいお味でした。



さて次は、大分県の日田市に参ります。
天領の歴史を持ち、九州の小京都とも呼ばれるこのまちの名物は、意外や焼きそば。
強火でカリカリに焼いた麺としっとり蒸れたモヤシが、普通の焼きそばとは逆の食感。
日田の地でなぜこのレシピが誕生したかは追って調査が必要ですが、
最近ではご当地グルメとして確固たる地位を築き、全国展開する店も現れる人気です。



今回の二題、どうオチをつけようかと思案しながら河畔を歩いていたら、何処からか私の名を呼ぶ声が・・・。
振り返ってみると、なんとS県T市のY市長さんではありませんか。
そうです、今回の出張の目的はグルメ取材ではなく九州市長会への出席なのでした。



会議の時間まであとわずか、オチはまたの機会にということで・・・。

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