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化け物草紙

2009-10-16 14:04:30 | 亀田徹
 小学校で“読み聞かせ”をしてきました。

 話を聞いてくれるのは5年生の子どもたちです。今回選んだのは、『おとぎ草子・山椒太夫』(清水義範・ねじめ正一著 講談社)に収録されている「化け物草紙」。
 古典を楽しんでもらおうという目論見です。

 夜、お化けが出たと思ったが翌朝見てみると実は“しゃもじ”だった、というようなお話を五つ読みました。読み進めていくうちに、子どもたちは時々「ニヤリ」としてくれます。まずまず無難に読めたかなと思いました。

 最後に感想を述べてくれたときです。S君が「むかしの夜は暗かったから、お化けだと勘違いするんだなと思いました」と発言してくれました。

 たしかにそうです。お話の最後にもそう書いてあります。いまの感覚からするとおかしな思い違いがあるのは、むかしの夜が“まっ暗”だったからです。
 しかし、私はその“まっ暗な夜の情景”にまで考えが及んでいませんでした。うまく読もうと思い、読むことに一生懸命だったからです。夜の“暗さ”を意識していれば違った読み方ができたかもしれないと少し反省しました。

 学校教育のことばを使えば、「教材研究が甘かった」ということでしょう。教材研究の必要性を感じさせられた“読み聞かせ”でした。

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