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PHP総研ブログ『番町Cafe』

HPでは公開しきれない活動をドドーンと紹介!!

愛宕(あたご)神社

2009-10-26 11:36:30 | 坂本慎一
 最近、神道について調査しているので、さまざまな神社に参拝している。伏見稲荷大社、吉田神社に続き、先日は愛宕神社に参拝した。標高924メートル、京都市で一番高い山の頂上にある神社で、防火の御利益があるとされている。

 神道の教えによれば、日本は「神(かん)ながら言挙(ことあ)げせぬ国」であるという。分かりやすく表現するならば、「大自然の神妙な雰囲気を肌身に感じ、言葉で表現できない感覚を大切にする国」と言えばよいだろうか。都会の喧噪を離れての登山は、よい気分転換にもなるだろうと考えたのである。

 息を切らせて2時間ほどで山頂に登ると、山奥とは思えぬ荘厳な神社があった。愛宕は「阿多古」とも書くので、宮司さんに聞いてみたところ、「阿多古」はひらがなによる本来の表記であり、「愛宕」は地名に由来するとのことである。神仏習合の神社で、修験道も混入しており、色々な信仰が入り交じっているので表記も不統一なのかもしれない。

 登山はなんと言っても下りで足に負担がかかる。リュックサックの背負い方が悪かったせいで、肩が凝り、頭痛もしてきた。下山したときは疲労困憊し、気分転換などという生やさしいものではなくなっていた。

 「言挙げせぬ」とはあえて口に出して言わないことであるが、私の場合は疲労感から言葉を失って帰路についた。

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オリンピック招致失敗の原因

2009-10-06 14:16:56 | 坂本慎一
日本時間10月3日未明、国際オリンピック委員会総会で、2016年の夏季オリンピック大会がブラジルのリオデジャネイロで開催されると決定された。
招致活動を進めていた東京は落選が決定し、日本の夏季オリンピック招致は、名古屋、大阪に続いて3連敗となった。

今回の招致活動において、当初は「1964年の遺産を未来に引き継ぐ」というコンセプトが表明されていた。
これは「なぜ東京で2回目の開催をするのか」という疑問に答えるためには最も重要で、国内外の支持を得る上でも欠かせない理念であった。
しかし、いつの間にか私たち外野の人間には、環境重視のオリンピックという主張しか見えなくなっていて、コンセプトの「ブレ」があったように思う。
「遺産の相続」という点が強化できなかったことについて、私には思い当たるところがあった。

昨年の秋、私は日本体育協会資料室に何度かお邪魔をして、1940年に開催が予定されていた「幻の東京オリンピック」について調査した。
その時に驚いたのは、先行研究があまりにも少なかったことである。
日中戦争の開始によって返上となったこの大会について、その時点で本格的に調べていた人は、多く見積もってもおそらく5人はいなかったであろう。

1964年の東京オリンピックも、公式の「正史」はあるが、その背後には関係者の間でのみ語り継がれる「外史」があり、「正・外合わせ含めた歴史」は未だ研究が不足している。
経済思想史を専門とする私にとって、体育史は専門外であるものの、あまりにもこの分野は層が薄いと感じている。

リオの勝因は何と言っても、南米大陸初の開催という点であろう。
言いかえれば、オリンピック開催の「歴史がない」ということがプラスに評価されたのである。
日本は今後も招致活動を行うならば、開催の「歴史がある」ことをプラスに変えてゆかなければならない。
東京の落選を受けて、オリンピック開催に関する体育史研究は、もっと充実させるべきだと強く感じた次第である。

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