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PHP総研ブログ『番町Cafe』

HPでは公開しきれない活動をドドーンと紹介!!

次回の核セキュリティ・サミットは韓国で開催

2010-04-14 11:27:50 | 金子将史
4月12-13日、オバマ大統領のホストで第1回核セキュリティ・サミットが華々しく開催されましたが、同サミットの次回の開催国が韓国に決まりました。

北朝鮮の核問題を抱えている韓国は、開催国として適任でしょうが、自民党政権以上に核軍縮に熱心な鳩山政権にとっては、「なぜ唯一の被爆国・日本ではなく韓国なのか」と面白くないところかもしれません。

韓国は今年G20のホストも努めます。李明博大統領の下、韓国は、国際的な存在感を大いに発揮しています。

この背景に、李明博政権になってからの、良好な米韓関係が有ることは否定できません。先日もソウルのジャーナリストの友人から電話があり、米韓の同盟関係の緊密ぶりについて聞かされたばかりです。日米関係の悪化を、米韓関係の強化で補っている、という面もあるようです。

やはり、防衛・安保協力の強化があってはじめて同盟の「深化」も可能になるということなのでしょう。
鳩山政権にとって、李明博政権は身近なお手本といえます。


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米国の新核戦略(続)

2010-04-07 10:46:23 | 金子将史
報道されている通り、6日、米国の核態勢見直し(Nuclear Posture Review=NPR)が発表されました。これまでと異なり、公開版が作成され、国防省HPで見ることができます。

http://www.defense.gov/npr/docs/2010%20Nuclear%20Posture%20Review%20Report.pdf

その他、ゲーツ国防長官等によるブリーフィングの議事録等下記にまとめられています。

http://www.defense.gov/npr/
全部読むのは大変だ、という方は、下記の説明資料をお読みになるとよいと思います。

http://www.defense.gov/npr/docs/10-04-06_NPR%20201%20Briefing%20-%201032.pdf


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米国の新核戦略

2010-04-06 18:47:25 | 金子将史
 6日に発表が予定されている米国の核態勢見直し(nuclear posture review=NPR)の概要が、ニューヨークタイムズ紙のオバマ大統領インタビューで明らかになりました。
同紙には、NPRの抜粋も掲載されています。

http://www.nytimes.com/2010/04/06/world/06armstext.html?ref=world

http://www.nytimes.com/2010/04/06/world/06arms.html?ref=world

http://www.nytimes.com/2010/04/06/world/06arms-side.html?pagewanted=print


 これによれば、新しいNPRでは、NPTを遵守する非核保有国に対しては核使用や核恫喝は行わないものとされ、いわゆる消極的安全保証が徹底されました。米国や同盟国に対して、生物化学兵器を使用したり、大規模通常兵器攻撃を行っても、核兵器ではなく通常兵器によって大規模報復するとされています。ただし、生物兵器の進化に応じて、保証を見直す可能性は残すとしています。大方の予想通り、先制不使用は採用されませんでした。

 日本にとって重要な、北朝鮮についてはどうでしょう。北朝鮮はNPTを遵守していないので、当然北朝鮮への核使用の選択肢は排除されません。では、北朝鮮が核兵器は使用せず、生物化学兵器や通常兵器だけで攻撃を行った場合はどうでしょう。生物化学兵器使用や大規模通常兵器攻撃には通常兵器で、という項目は、消極的安全保証の対象国に適用されるとありますので、北朝鮮がそうした大規模非核攻撃を行う場合には米国の核報復は排除されないということになります。

 NPRの発表が待たれるところです。


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三谷内閣情報官退任

2010-03-26 14:12:45 | 金子将史
 三谷内閣情報官が退任し、植松大阪府警本部長が後任、というニュースが飛び込んできました。

http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032601000319.html

 三谷氏はこの4年間、内閣情報官として、情報評価書や内閣情報分析官等、日本のインテリジェンス・コミュニティを成熟させるための重要な改革を推進してきました。

 PHP総研から出した提言「インテリジェンス体制-変革へのロードマップ」は、「早急に断行すべき改革」と「逐次実現していくべき改革」の二段階での改革を提唱しましたが、「早急に断行すべき改革」のかなりの部分が実現されました。内閣情報官としての三谷氏の功績は評価されてしかるべきと思います。

新しい内閣情報官にも、インテリジェンス機能強化の旗振り役としての活躍を期待したいところです。

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「鳩山首相の頭ん中」

2010-03-26 11:16:03 | 金子将史

 普天間基地問題についての鳩山政権の方針がようやく固まったようですが、なぜこうした選択肢になったのか、いまひとつはっきりしません。 その他の外交・安全保障政策についても、鳩山首相がどう考えているのか、よく分からないところです。

 鳩山首相は直前にあった人に影響されるとのことなので、今年になってから鳩山首相がどのような外交・安全保障関係の有識者に会っているか、朝日新聞のHP検索で首相動静をチェックしてみました。 

1月6日 田中均氏(元外務審議官)
1月7日 田中均氏(元外務審議官)
2月15日 岡本行夫氏(外交評論家)
3月6日 孫崎享氏(元外務省国際情報局長)
3月8日 袴田茂樹氏(青山学院大学教授)ら日露関係専門家
3月20日  小川和久氏(軍事アナリスト)

 見落としがあるかもしれませんが、面白いラインナップです。3月になって孫崎氏や小川氏といった人たちと会っているのは、普天間基地問題など日米関係における打開策をきこうとしたのでしょう。孫崎氏や小川氏の考え方は、孫崎氏の『日米同盟の正体』(講談社現代新書)、小川氏『14歳からのリアル防衛論』(PHP研究所)などに表現されています。孫崎氏は、PHP研究所から『情報と外交』という本も出しています。

 鳩山首相は対露関係に並々ならぬ関心があると言われていますが、そうした中で、袴田先生から話をきいているのは興味深いところです。袴田先生は、PHP総合研究所の「日本の対露総合戦略」研究会のメンバーでもあり、同研究会からは、昨年12月に、「鳩山対露外交への提言」が出ています。

 無論、民間人との意見交換は政策過程の一部でしかなく、閣内・与党内の調整や外務省や防衛省などの補佐が大枠を決めるのでしょう。しかも、新聞の「首相動静」や「首相の一日」は実は首相の動きを全てフォローしているわけではありません。本当に大事な会合は、記者の目に付かないようにセットされていますし、顔が知られていないと、記者が気づかないということもあるようです。逆に、田中均氏は、外務省時代、北朝鮮の交渉相手に、自分が首相にアクセスできることを示すために、この欄を使っていた、と回顧しています。それでも鳩山首相の頭の中をのぞく一助にはなるでしょう。


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