ピアノ連弾 2台ピアノの世界

世界中のピアノ連弾、2台ピアノ作品を演奏しています!

美しい文章

2011-07-17 14:58:59 | 日記

毎日暑い日が続きます。暑さにもかかわらず、来週24日のコンサートの準備、そして秋冬のコンサート、楽譜出版などさまざまな準備のために資料を集めたり、メールを出したり、忙しい毎日を過ごしています。

ここのところ東欧からの便りは引き続き届いていますが、ドイツからも嬉しい郵便が届きました。そして、国内から届いた資料も今後の活動を活発にしてくれる輝かしい内容で嬉しい出来事となりました。

今の時点では詳細は控えますが、ある作曲家の作品を調べるために著名なピアニストお二人の開催されたコンサートのプログラムを取り寄せることにしました。金澤攝さんと井上二葉さんのコンサートで、会場となったホールにプログラムを読みたいとの問い合わせを電話でしたところ、快く対応してくださり、数年前のコンサートのプログラムのコピーを送っていただくことになりました。お二人のこれまでのご活躍はさまざまな場所で目にしていますし、金澤先生の著作物も拝読しました。さらに、井上二葉先生の書かれたプログラムの曲目解説の文章が素晴らしく、感銘を受けたことをここにご紹介します。

取り上げられている曲名を見ているだけでもため息が出るほど素晴らしいのですが、さらに曲目の解説は無駄のない美しい言葉で的を射た表現をされていて、音楽への愛情と思い入れが直截読み手に届きます。私達がプログラムや楽譜解説において気をつけていることは、決して独りよがりにならず、無用な知識のひけらかしをしないことです。取り上げている作品や作曲家に初めて接する人にでも正しい情報を伝えられるように、きちんと事実を調べ、思い込みを極力排除した文章になるように気をつけています。日本国内だけでなく、現在ではかなり容易になった海外からの情報を入手することでも、知識の偏重を防いでいます。例えば、原智恵子さんを「悲劇のピアニスト」と呼ぶのは日本人だけであり、デュオ・カサドのピアニストとしてのご活躍を認識できていない日本の音楽界の方が「悲劇」であることは、これまでにたくさんの音楽家やご家族から伺ったお話でもわかります。自分の知らないことは「それは重要ではない」という発言をする人にも出会いましたし、師事した先生の発言だけを盲信する文章も目にすることがあります。

これまでにご紹介してきた音楽家やご家族から伺ったお話も私たちの考え方を支えてくれています。何度も名前を挙げているアンリエット=ピュイグ・ロジェ先生がお話された言葉から感じる音楽への強い愛情を井上二葉先生の解説文からも感じ取ることが出来ました。またそのコンサートに足を運ばれた方もブログに書かれていたのですが、井上二葉先生はプログラムにご自分のことは何も書かれていらっしゃらないのです。大事なのは音楽家と作品であるということを身を持って私たちに伝えてくださっているように思います。間違ってはいないまでも、思い込み中心の音楽家や作品の解説と、それよりも文字数の多い演奏家の経歴紹介の文章に辟易することの多い昨今ですが、井上二葉先生のプログラムと解説に触れることで、曇り空が一気に晴れるような喜ばしい気分を味わうことが出来ました。そして、今後の私たちの活動にもこれまでと変わりなく音楽と真摯に向き合っていくようにという指針を示してくださったように思います。

届けられた資料に同封されていた井上二葉先生の次のリサイタルをご紹介します。私たちにもなじみの深いイシドール・フィリップ編曲のバッハや私たちが24日に取り上げるダンディの弟子、ギュスターヴ・サマズイユの作品が並びます。

クレメンティ=リーデル 2台のピアノのためのソナチネ ピティナのミュッセより発売中!

http://www.musse.jp/scores/detail/PTNA-010228

 

チェルニー 2台のピアノのための速度練習曲(40番練習曲) Op.299b
クリエーター情報なし
プリズム

 

私たちのHPはこちらです。
http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/



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