ピアノ連弾 2台ピアノの世界

世界中のピアノ連弾、2台ピアノ作品を演奏しています!

美しい音楽

2011-09-19 03:01:26 | 日記

台風が2つも来ていて蒸し暑さが続きます。お彼岸に入り、各地で秋祭りも執り行われています。

間もなく発売が始まる新しい楽譜のことで井上二葉先生とご連絡が取れたことは光栄かつ幸運なことでした。
井上二葉先生のコンサートの解説文の美しさは何度読んでも学ぶことばかりです。そして、フルートの神様(このCDの解説では魔術師と呼ばれています)ランパルと共演したCDを聴くことが出来ました。ランパルと言えばモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」をハープの女王リリー・ラスキーヌと共演したCDを一時期毎日聴いていました。モーツァルト、ランパル、ラスキーヌという3人の天才の芸術が見事に溶け合った素晴らしい音楽を聴いて満たされた心で日々を過ごしたものです。

ハンガリー田園幻想曲 1975年録音

収録曲
[1] ドップラー:ハンガリー田園幻想曲
[2,3] クライスラー:愛の喜び,愛の悲しみ
[4] ショパン:夜想曲Op.15-2
[5] ラヴェル:ハバネラ
[6] グルック:精霊の踊り
[7] 吉田雅夫編:さくら変奏曲
[8] ジュナン:ヴェニスの謝肉祭
[9] ショパン:小犬のワルツ
[10] ドビュッシー:月の光
[11] ボルン:カルメン幻想曲

このような演奏を聴くと現在名演奏と謳い文句をつけて売られているCD演奏の数々はかすんでしまうばかりです。フルートは言わずもがな、ピアノの軽やかさ、美しさ、音色の透明感、そして、フルートとピアノのアンサンブルの素晴らしさ。どれをとってもため息が出るばかりです。雑誌やメディアで目にする「名演奏」「名ピアニスト」と名のつけられた演奏がその言葉に相応しくないことも数多くあります。神経質な作曲家の神経質な作品を、神経質な演奏家が神経質な演奏をしているのを聴くと、心を穏やかにするために音楽を聴いているのにくつろぐことが出来なくて、高評価されている理由が分からなくなります。

これまで音楽に関して「自分の耳は肥えている」、「演奏のために指を大切にしている」と訊ねてもいないのに自分から仰った方でその言葉通りだった相手に会ったことが残念ながらありません。自分の演奏のことばかり述べる方も同様ですね。音楽は聴く人のことを考えて作られ、演奏されるものでしょう。聴く人の心に届く音楽であれば言葉は必要ありません。

私たちが折に触れご紹介しているアンリエット・ピュイグ=ロジェ先生は日本で録音された「ピュイグ=ロジェの音楽紀行」の解説文の書き出しで「私は、これらの作品を、人の心を楽しませる花束を作る為に、気品に満ち、美しく、良い香りのする野の花を摘むように、集めたのです。この録音には、教育的なねらいも、歴史的な意図も、音楽学に関する意図もありません」と仰っています。ランパルと井上二葉先生の演奏を聴いて、この文言を思い起こしました。

ところで、ショパンのピアノ協奏曲を非常におおらかに美しく弾いている少年ピアニストの映像を知人に紹介されました。タイ人少年Gun Chaikittiwatana君14歳です。

彼はバンコクで日本人ピアニスト中川エリさんに師事しているそうです。ハリーポッターやドラえもんが好きだとのこと。タイ人の国民性でもあるおおらかさが音色に顕れているように感じます。このまま大きく伸びて、立派なピアニストになって欲しいものです。私の紹介した映像を見てNelly Gnattaliさんも「bravo! 彼がオーケストラと共演している演奏を聴きたい」とブラジルからメッセージを届けてくださいました。世界中でこうして多くの優れた少年少女たちが明日の名ピアニストを夢見て日々精進しています。幸せを感じさせてくれる美しい音楽を奏でる本物の音楽家が一人でも多く誕生して、より豊かな人生を味わわせてもらいたいものです。

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私たちのホームページです。

http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/

クレメンティ=リーデルの2台のピアノのためのソナチネ ミュッセより販売中!
http://www.musse.jp/scores/detail/PTNA-010228

 

 

ラフマニノフ 前奏曲嬰ハ短調 作品3-2「鐘」 [ピアノソロ/2台ピアノ(作曲家自身によるアレンジ版)]
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