京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の連鎖時間」

2019-09-17 09:37:28 | 時計修理

9月17日火曜日。連休明け皆さんお疲れのようです。
北大路駅北口のPL教団日めくりも昨日のまま。皆さまの夏バテが気になりますね~。

「なぜ上位の存在に慈悲をもって祈りを聞き届けてくれるよう祈るのか?
自分は下位の者に慈悲を示そうとはしないのに。」ピエール・トルベツコイ。

京都で一番偉いの東の横綱は京都大学の総長。西の横綱は茶道の家元表・裏千家。
西陣で一番偉いのが糸屋さん。
糸がなかったら機織りは創れない、染もできないので一番偉い存在です。
それぞれ京の食物連鎖のなか時計師はひっそりと生きています。
京都はヒエラルキーがわかりやすい街です。
地方で威張っている公務員、銀行員は京都では大学生より下の地位になる。
猫ちゃんより地位が低いことを自覚して初めて京都のオヤジだ。

上位に立つものは下位の存在は見えない。
そんな京都でも常に世間の風下に立つ時計師。食物連鎖の下のほうにひっそりと存在して表には出ない。

一般人には時計が動いている間は気にされない。止ったら時計師の腕が悪かったことになる。
フランスでは「お前は時計師のようだ!」と言われたら全力で反発することです。
悪口なのだからたとえ自分が時計師であったとしても空しく反撃します。
「あ~!時計師だともそれが何が悪い!お前の時間止めたろかぁ~!」

特に連休明けの今朝は皆さん機嫌が悪いのでヘルメットでもかぶって仕事を始めるとするかね~。
「八つ当たりの的」のお仕事です。
「このオメガを百貨店の修理コーナーで見てもらったら修理不可能と言われた。一度診てください。」
百貨店の修理コーナーでもお客様は信用しないものなのだ。
まして北山の小さな工房の私。お客さんから確かこの辺りにあったはずだが見つからないとよく電話が来る。

「残り1%希望の店」なのであまりあてにしないでください。
「半分以下の店」なのです。いつも仲間より半分以下のスピードでした。
優秀な仲間達はそれぞれ時代の流れに沿って早くこの仕事に見切りをつけて離れていった。
マイナーの左利き、もの覚えが悪いのろまの私は一人ポツンと残され、ピンセットを持ったままだ。

明日は水曜日。お休みの日。
抗アレルギー薬をもらってから工房入りする予定です。
この空気の悪さは一体何なのだ!土曜日あたりからの大気汚染にびっくりしますね~。

お昼前には工房をあけるので水曜日だけがお休みという人はご利用ください。
時計が止まってしまった人も一日二回は正確な時刻をさします。捨てないでくだされ~。
お待ちしております。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「京の敬老時間」

2019-09-16 09:35:48 | 時計修理

9月16日月曜日、敬老の日。晴れ。
連休最後の日の四条通りは外人観光客でいっぱい。まともに歩けない。
観光客が増えてもいいことは全くない。高額な京都の市民税も観光災害向けに使われるだけで住民には効果がない。
下京区は治安が悪化。観光客目的にできたオープンカフェからは悪臭が漂いこの連休中は窓を開けられない状態です。

災害の一つ市バスの観光被害に向けて対策。
「前乗り後ろ降りを模索しています」などはじめから効果がないことを堂々と発表するほどボンクラな市政にうんざり。
コンテナを抱えて乗り込むので余計な時間がかかる。
ちなみに上賀茂神社から京都駅へ行く9系統。京都駅の乗車口から遅延が予測される。
また西本願寺、二条城で降りる観光客、修学旅行生。さらにその先の清明神社、さらにその先の大企業・大日本スクリーンのメタボ社員。
ここの元気な社員は地下鉄を使いメタボ社員はバスを使うので二人掛けシートを占領してしまう。

これで20分遅れは常態化しています。団子状態で並んで到着する上賀茂神社付近の9系統を見るたびに追い越せばいいのに?と思う。
そんな中の敬老の日。
市バスはお年寄りと子育て中の市民は使えない乗り物なのだ。

それにしても無秩序に増えるオープンカフェ、ゲストハウス。
騒音悪臭の災害に規制もなく付近の住民や日本人観光客は目を怒らせて通り過ぎていきます。
京都で市民税を払っているお年寄りと子育て中の市民にはまったく利用価値のない災害そのものなのだ。
ボンクラ市政が変わらないことには何ともならないでしょう。

私もお年寄りにリーチをかけた64歳。
やっと永年にわたり親の介護が終わったと思ったら今度は自分が老人になってしまった。びっくりだ。
まだまだ盆暮れお彼岸、年四回のお墓掃除で夜行バスの旅が続いて、昨夜はコンビニで高速往復バスチケット21100円支払った。
年金は今まで支払った金額をイーブンまでもってくるのは83歳だそうです。それでも受給年齢がはるかに上がる今の30歳代よりましだと思う。

お墓掃除では急坂をぐいぐいと登るジモティーお年寄りさんと競走でいつも負けるが長崎市内は人口流失率が全国ワーストらしい。

京都では高齢者のメリットが社会体制があります。観光客や若者対象の市政の街です。
地下鉄ひとつに乗る為には80段以上の階段を歩けるのが条件です。
四条烏丸のエスカレーターはいつも停まっている言い訳のような施設が多いのも京都の地下鉄の特徴。
北大路駅にしても下りのエスカレーターはない。ばあさん殺しの地下鉄。

昨日賀茂川沿いを歩いていたらジョギングオトコが追い越しざまポイっとペットボトルを芝生に捨ててそのまま走りすぎていきました。
こんな脳みそ筋肉人間が増殖中だ。
来年のオリンピックには全く興味がないのでメディアの騒動に迷惑名ばかりのこの一年。
クラッシック音楽はやたらと小難しい選曲が続くので途中で消してしまう。長々とメシアン、ブルックナーが続きNHK高額な受信料はこれで消えるのが悔しい。
モーツァルト、バッハ、ベートーヴェン好きなお年寄りには辛いNHKの受信料です。
チェロも指の力が弱くなってハイポジションの演奏が難しくなってきた。A線の駒を1ミリ削った処です。高齢化の自覚はこんなものか?

昔、高齢者向きに見やすい時計を販売したところまったく売れないので売り場に行ってお年寄りに聞いてみた。
「私は年寄りではないので必要ありません!」ほとんどの高齢者から同じような言葉が返ってくる。
販促用のコピーが間違っていたのでした。時計屋に足を運ぶ人は自覚のないお年寄り、お年寄りの自覚がある人は入院しているのでしょう。
売れないのは当たり前でしたね~。

今日の日めくり「過信と油断に注意しましょう」でした。
「まだまだ若い者には負けないぞ~!」と私に向かって言う先輩がいます。
若者不在の時計業界、高齢化社会にずっぽりとはまっています。
今日も暗い夜道が危ないので7時閉店。お早めにお越しくだされ~。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「京の手造り時間」

2019-09-15 09:09:10 | 時計修理

9月15日日曜日。百万遍の手造り市の日。
昨日は紫竹祭り。お客が少ない土曜日に満月が重なって危うくノーヒット・ノーランになりそうでした。
夕方16時過ぎからぞろぞろときてくれたお客さんに救われた一日でした。

われらが阪神タイガースも満月の晩はおとなしいニャンコに変身。手も足も出ないままあっさりノーヒットで負けてしまいました。
世の中負けることもあるさぁ~と沖縄言葉であきらめる。沖縄の優しい言葉はこんな時に便利だ。

私の時計業界もヨーロッパに負けっぱなし。
今や国内売上は20:80のワンサイドゲームなので阪神に偉そうなことは言えませんね~。
電池交換依頼品の時計もスイス勢が圧倒的に多い。

今日は手造り市の日。
最近工房にやってくる手造り時計のデザインがびっくりするほどよくなっています。静かなブームか?
素材も真鍮、銅など加工しやすい材料が使われているので挑戦しやすいのでしょう。
問題は防水機能だ。ケースと裏蓋の間に隙間が出る非防水時計です。

一般の人はG-SHOCK同様の荒い使い方をするためトラブルも起きます。
ガラス細工の工芸品なのだ。はかない命の時計さんたちなのです。

 時計師にとって数多くの手造り時計が見られるのはうれしい現象です。
「時計を造るのでなく、新しい時を創るのだ」のテーマが手造り時計なのでしょう。
時計の世界に入りまるで呪われたように人生の残り時間を使ってしまった。

ふと気が付くと周辺には誰もいない。一人だけポツンと取り残されています。
こんな秋の一瞬「もののあわれ」を思う。
ヨーロッパはこれから急に冬に向かいます。まるで「月の裏側」誰も見てくれる人はいないし冷たく暗い世界です。
そんなところへ旅行に行くくらいなら京都の百万遍で手造り時計を見学に行きましょ!

今日は本能寺「放生会」の日。
死にかけ阪神タイガースも供養してもらって鴨川に流してもらいましょうね~。
それにしてもメッセンジャーの引退にはショックでした。矢野の引退のほうが先じゃろ~!
とにかく今日は放生会。今年、食い物にした横浜さんに感謝して合掌しましょ~!













コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「京のお年ごろ」

2019-09-14 10:00:34 | 時計修理

9月14日土曜日。今日は紫竹祭り。午後三時くらいから始まるびっくりするほど盛大なお祭りです。
500人以上は軽く集まるお祭り、朝から準備で私と同じ年代のオヤジさんたちの楽しそうな笑顔が見られます。
私は仕事で参加できないので実にうらやましい光景でした。

「京のおとしごろ」
私は64歳。まもなく来年は65歳のお年寄りの仲間入りです。
今はお年寄りと現役世代を行ったり来たりしている状況なのだ。
若い20,30歳代には早く60歳代になりたかった。どんなに仕事をしても若造扱いの時計業。
お客様から軽く扱われていらだつばかり、早く中高年になりたかった。

時計業界は神経質(ナーバス)集団、普通の神経質といわれる人の10倍くらいか?
私は朝仕事前にニコン製の10分の一ミリのスケールを目視で確かめます。針と針の感覚は0・3ミリくらいなのでその感覚を確かめるのです。
昔、爪がすこし伸びただけで仲間内から上司にチクられた。
ピンセットだけを使う仕事なので爪で部品をつかむことはない。そこで常に爪は短く整えておきます。
ほっとくと爪の間にゴミが入ったりするのでいいことはない。

「不安な予測はすべて実現する時の世界」
「星の数よりめんこの数」は軍隊用語、時計の世界も経験がものをいう世界です。
大卒だと威張っていても中卒のベテランにはかなわないので早く大人になりたかった。

その私も64歳。来年から電車の優先座席に戸惑いなく座れるのもうれしい。
この年になると「性」を卒業しているのだからがらがらの女性車両に65歳以上は乗れるようにできないか?

気が付くと嫁さんと私は同じ顔になってきた。長年生活を一緒にしていると顔が似てくる。
この研究でイグ・ノーベル賞をもらえないか?
とにかく女性車両にうっかり乗り込んで顰蹙を買うほど恥ずかしいものはない。
枯葉マークの帽子でも作って「どこでも乗車OK!」にできないものかと思う。

今日のPL教団日めくり「自分のことも他人のことも大切に」でした。
PL学園野球部は廃部になって寂しいものです。
ここの野球部の部員なら午前中だけの授業で午後からは野球の練習で卒業できるとうわさがありました。
学生時代には実にうらやましい学校でした。
これが本当なら人は野球だけで人格形成が可能な証明になります。
桑田、清原、立浪、西岡など卒業生はそれぞれ立派な社会人になっています。彼らは立派な65歳に育つことでしょう。
ここの穏やかな日めくりを毎日聴いて育ったのなら何となく納得できる気がしますね~。

昨夜は中秋の名月。レミー・マルタンとお月見だんごのセットで楽しみました。
 65歳のお年ごろになるとブランデーの嗜好も嫌味ではなくなるでしょう。芳醇な秋を堂々と楽しめます。

ヨーロッパ・コートダジュールを走るスポーツカー乗っている人は70歳以上のお年寄りがほとんどでしたね~。
ご夫婦で旅を楽しんでいました。
おばあさんの腕にはブルガリ・スネーク、おじいさんの腕にはショパール・ミッレミリアクロノ。
いつかはこんな夫婦になりたいものだとあこがれました。

それが今では私は長崎・島原半島へゼロ泊三日のお墓掃除ツアー。
嫁さんは鬼のいぬ間に命の洗濯。娘とフレンチ三昧。
これが現実なのだ!
「京のお年ごろ」おいらは大器晩成!と放言していた30歳代のつけが回ってきたのだと思う。

素直にごめんなさい!と謝るのも65歳のタイミングなのだと思う。
合掌!














コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「京の13日金曜日」

2019-09-13 09:26:18 | 時計修理

9月13日金曜日。雨。
私はアメオトコ。流行ものには乗るので早朝に階段を滑った。
北大路駅を降りたとたん豪雨に遭う。アメオトコの本領発揮の日。
13日の金曜日はヨーロッパ発なので日本には影響がない。十三の数字は末広がりで縁起がいいはず。

仙台在住の大阪・十三育ちの女性。
「どちらからですか?」と聞かれ大阪十三と答えると「いいところですね~」と言われるそうだ。
そのたびに「どこがええとこや!」と切り返すそうです。何となくややこしい話。

朝豪雨にもめげずPL教団日めくりを見てきた。
水曜日「先人の誠に心いたして」(先人にもいろいろあって1969年のクオーツ時計の成功に酔いしれて遊んでばかりのトップもいたぞ!)
木曜日「明るく無邪気に」(アベノおぼっちゃまは無邪気にしていると韓国からぼられたじゃないかぁ~!)
金曜日。今日は13日の金曜日なので忘れた。
「困難なものから逃げないで始めましょう!」だったかなぁ~?
日めくりとは逆に時計修理業は簡単なものから順番に始めます。困難なものは後回し。
いつも最後にG-SHOCKの電池交換に取り掛かるのが普通の段取りなのだ。

ここの日めくりは偉そうな「うえから目線」の言葉がないのでちょっと楽しい。

今日は13日の金曜日。ドラキュラ伯爵など妖怪さんたちが活躍できる日。
最近ミラーレスカメラの普及でモデル業のお仕事ができるようになりました。鏡に映らないドラキュラさんには朗報。
恒星間宇宙ロケットの有人探査機の乗務員にドラキュラ君が注目されています。
なにせ棺桶だけで数年間生きていけるしおまけに食料は血液だけでいい。また照明器具も不要なので究極のエコだ。
フランケンもいっしょに行けるがダイエットが必要か。
残念ながらオオカミオトコは月旅行には不向きなアレルギー体質。月を見ただけで変身してしまうのでは厄介でしょう。
抗アレルギー治療薬の開発が待たれます。これができればオリンピックの金メダルは確実になる。
日本代表の妖怪雪女も有力候補、宇宙空間の寒さでも大丈夫です。ただし遭難した男性などに惚れっぽいのが要注意事項です。

「街角の風を売るなり風車」三好達治。爽やかな秋風がうれしいね~。
「街角の時を売るなりアホ時計」貧乏時計師。
時計屋は時計を売っているのでなくてアホ時間を売っているのだの句。「腹時計」「嘘時計」などのバージョンもあります。
反日騒動で九州地方では韓国、中国からの観光客が減ったそうだ。これは朗報か?
観光災害の京都でも減ってほしいものだ。まもなく秋の観光シーズンバスは遅れるし積み残しされたおばあちゃんが惨めだ。

大混雑の京都観光、辛い時間にはちっとも進まない時計。
うれしいときは時計を見る暇もなくあっという間に過ぎていく。
それでも腕時計は一番身近な友達にもなります。
いつも一緒なのだから苦しい時間も楽しいひと時もよくわかっています。

プレゼントに最適なアイテムだけど最近は変わった。
残念ながら格差社会の中、京都の非正規雇用率は全国トップクラスです。
観光地で働く人たちは水曜日だけがお休みの人が多いので工房は水曜日も臨時営業。
生きている間は圧倒的につらい時間が増えてしまって苦しいときが多い。

それを癒すのが時間薬。時計は毒にも薬にもなるアイテムです。

「家の中に止まったまま転がっている時計はいねかぁ~。怠けている時計はいねかぁ~!」と「なまはげ」ジジイが言う。
今日は13日の金曜日。時計は魔除けにもなりますよ~。
電池交換1000円と40年の経験であっという間に動き出します。

ぼんぼん時計の修理依頼が来ます。
工房は腕時計専門なので機械式時計の修理は受けていません。
ご注意くだされ。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする