京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のクニチ」

2019-09-09 09:24:40 | 時計修理

9月9日月曜日。関東直撃台風になりました。
時計修理業の「五十君商店(いぎみ商店)」の皆さんは大丈夫でしょうか?
工場が古河市にあるアンティーク懐中時計の修理は最後のお助け場所で有名な会社です。
私も昔から助けてもらったことがあるので心配しているところです。

全国の時計修理工房は皆さん揃って穏やかで温かい人が多いのが特徴。
販売部門と違い修理部門はボランティア色が強いものなので性格も穏やかになる傾向があるのでしょうか?
「五十君商店」は上野にも時計工具、材料の店舗があるのでお勧めなのだ。

今日は9月9日。「おくんち」の日になります。
 長崎のおくんちは旧暦九月九日のお祭りなので10月7~9日に移動したお祭りです。祭り言葉の意味があいまいになってしまいます。
三月三日、五月五日など同じ数字が重なる旧暦行事は吉なのだ。西暦ではただのなんでもない数字の日。

「違いがあるから面白い」今日の日めくりの言葉でした。
日本のコヨミも西暦、旧暦の二つの違いでカレンダーを作ってほしいものです。
時計の修理もそれぞれメーカー別、生産地別、季節や気温で故障個所が違うので面白い。

残念ながら今は高級時計も1万円の普及品も同じように取り扱われている。
ちなみに老舗の京料理のポテトとマクドナルドのフライドポテトが同じ扱いされてどちらも可愛そうな時代です。

昨日、「ブラウン」腕時計電池交換依頼が来た。もちろんドイツが本社で生産地は中国です。
電池を入れ替えても動かないので磁気で強制的にショックを与えると動きだした。
このモデルは防水性も低く経年金属疲労で電池交換後に止まってしまう可能性が高い。
安いムーブメントが採用されているのも不安なのでお客様に判断を任せるしかない。
結局修理は中止。あきらめてお帰りになりました。残念!
ここは黙って電池を入れて1000円もらって帰したほうが儲かるのにね~!と心の悪魔がささやくのでした。

PL教団日めくりの言葉を毎日見て通るのも面白いが私は仏教徒です。
やはり古典宗教の言葉が染みついているのでしょう。

今まで店長やらバイヤー時代に心がけている言葉に「愛語」がありました。
その人にやさしい言葉をかけていたわる言葉を愛語といいます。これが難しい!
朝10時から3時間は立ちっぱなしの販売員の皆さんにかける言葉ひとつで売上も変わります。
言葉には「相手の人生をひっくり返してしまう」力があります。
特に疲れる夏バテの月曜日。かける言葉が難しい。

ボンクラ店長の私。売り場に立っているだけで辛い。
販売員の女性にかける言葉もわからないので隣にそっと一緒に立っているだけで午前中を終えることもありました。
ややこしいクレームのお客様が来たら替わって対応する準備をしていました。
下手な言葉をかけるよりそっと寄り添ったほうがいいいときもある。

私は「アメオトコ」なので二十歳やそこらの女性よりはるかに苦労時間は長いはずだが残念ながら理系の脳みそ。
言葉が出て来ない。
昨日のブラウン時計のお客様にも言葉が出てきませんでした。
「まったくしょうがないね~!」とくよくよして自宅に帰ります。
今日も暑い夏。
「愛語」を上手に使いたいものです。










コメント
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