京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の希望時間」

2019-09-02 09:24:51 | 時計修理

9月二日月曜日の大安。
PL教団の日めくり「希望をもって一日を送ろう」でした。
やはり一年365日一般受けする言葉を考えるのは無理があるのでしょう。
「希望を持つ」の希望はほとんど外的要因の影響です。自分が何とかしようと頑張っても希望をモテるものではない。
北大路北口の通行人はこの言葉に出会ってそうだ一日頑張ろう!と思う人は富裕層か多幸症のアホだ。

時計業界に修理部門の未来はない。したがって希望もないのが現実です。
国内は消費高齢化、人口減。海外は貿易戦争の真っただ中で頼みのスイス勢もリストラ真っ最中の年末を迎える。
安定した修理部門の売上を独占、確保しようとユーザーの囲い込み、データー集めも順調に進む。
裏蓋の形状も自社の工具だけで開くものや、裏蓋のネジを強力接着剤で固めたメーカーも出てきた。
それも修理部門はアウトソーシング(外注)で仕上がって戻ってきたものにはお粗末なものが目立つ。
固定ネジが抜かれていたり電池カバーがない。機械は指紋がべったりついていても稼働には差し支えないという。
もちろん日本のソーラー電波時計の裏蓋は開かないものばかり、「10年で使い捨て」の文化が進む。

日本の企業や国全体は前年比主義でこれが経営判断の厄介ものだ。
大赤字でも前年比3%増などとごまかされて誰かが表彰されたりする国なのだ。

以前勤めていた会社は40億円の有利子負債を抱えていたのに店舗の大改装をやってさらに負債を重ねた。
その年は前年比5%の増でトップは鼻高々でした。結果、3年後に会社はつぶれた。
「身軽になりましょう!」と無駄使いに大反対をした私は即座に降格、左遷の憂き目にあう。
日本の企業では正しい経営判断を評価されることはレアケース。無駄使いの国だ。
滝つぼの底に落ちるまでの幸せ平和時間。
落ちても責任も問われない。東京電力福一事故、JR福知山線事故などいい例でしょう。

日本の財政も前年比決算です。大赤字でも誰も厳しい数字には立ち向かわない。
来月から消費税が上がるのでせめてレジスターくらいが売れるだけでしょう。
ところがレジスター市場のトップメーカーカシオの生産地はG-SHOCKの時計もレジも中国・深圳です。
日本の労働者は利益を受けない。
国内で製造されていた時代より販売価格は高額だがカシオの社員の給与は変わりないそうだ。

「希望をもって一日」を送れる人はアホか?安倍総理くらいか?
むしろ甘いいい加減な希望を捨てて勇気を出して嵐に立ち向かう気分で一日を送ろうと思う。
せめてエビスビール、プレミアムビールが選択できる日本はありがたいと思う。
最近プレミアムの香りもよくなってきましたね~。

ぼちぼち枝豆・紫頭巾が出回る季節です。
これで一時の希望にあふれるマッチ売りの少女化する時計師なのだよ~ん。







コメント
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